はじめに
みなさんはイラガの幼虫をご存知ですか?毒がある毛虫として有名ですが、ガーデニングや家庭菜園をする方ならなんとなくご存知の方も多いことでしょう。今回この記事では、イラガの幼虫の特徴や基本情報、イラガの幼虫に刺された時の症状や対処方法、大量繁殖させないための予防策や駆除方法についてご紹介します。まずは、イラガの生態についてご紹介します。
イラガの幼虫 特徴・基本情報
イラガはチョウ目イラガ科に属する昆虫の総称です。日本では北海道から九州まで生息するといわれ、イラガの幼虫に触れると電気が走ったような激痛を伴うことから、「電気虫(でんきむし)」という別名があります。大きさは2cm~2.5cmほどと小さく、一見ウミウシのような形状をしていますが、触れると激痛を伴うことから注意が必要な幼虫です。成虫は毒はなく、人を噛んだり、刺したりすることはありません。
イラガの幼虫 発生時期・生息地
イラガの幼虫は7~10月ごろになると繭からかえり、一斉に発生します。生息場所としては、柿の木やさくら、梅やりんごの木、ケヤキやクリの木、カエデやヤナギなどの樹木にも生息します。生息する樹木や果樹に繭を作り、例年発生することが多いです。孵化した後は葉の裏などに潜んでいます。
ボタニ子
うちの柿の木、さくらの木にも夏から秋ごろにかけて大量発生するの~。落ちてきたりもするから怖いんだよね。
ボタ爺
落ちてきて刺されたら大変じゃ!早く対処していかねばならんな!
イラガの種類(近縁種)
イラガの種類①ヒロヘリアオイラガ(幼虫)
ヒロヘリアオイラガは、体長3cmほどで発生時期は4~10月ごろ、集団で生活する習性があります。市街地やさくらの木、柿の木などに生息し木の葉を食べます。若いうちは黄色く棘が黒い色をしていますが、成長すると体も棘も緑色になるのが特徴です。ヒロヘリアオイラガは繭にも毒棘(どくきょく)がある危険な種類なので、見つけたらすぐ駆除しましょう。
ヒロヘリアオイラガの成虫
ボタニ子
繭にも毒棘って…!おそろしいね。うっかり触れたら大惨事!
ボタ爺
成虫には害がないんじゃが、幼虫や繭には注意が必要じゃぞ!
イラガの種類②ナシイラガ(幼虫)
ナシイラガは体長2cmほどで、発生時期は9~11月ごろ、単独で生活します。サクラやナシの木、クリや柿の木などに生息し、体は明るい緑色に暗い緑色の線があります。棘はオレンジ色をしています。こちらも刺されると激痛を伴うため、見つけたら駆除しましょう。
ナシイラガの成虫
ボタニ子
ふむふむ、幼虫の時は背中に黒っぽいような線の模様があるんだね。
ボタ爺
成虫は黄色と茶色のツートンカラーで目立つのう。
イラガの種類③ヒメクロイラガ(幼虫)
ヒメクロイラガは体長2~2.5cmほど、発生時期は7~10月ごろで、若いうちは大きな集団で生活します。柿の木やさくら、ケヤキなどに生息します。上記のインスタの写真のように、体が黒みを帯びており、棘も黒色をしています。他のイラガの幼虫に比べ薄汚れたような外見をしているのが特徴です。若いうちは大量に連なり生活するため、発見しやすく見つけ次第駆除するのをおすすめします。
ヒメクロイラガの成虫
ボタニ子
あー!これだ!うちの柿の木にうじゃうじゃいるやつ~!
ボタ爺
孵化して集団でいるうちはかなり目立つから、そのタイミングで殺虫剤を使って駆除じゃな!
イラガの種類④アカイラガ(幼虫)
アカイラガは体長1.5~1.8cmほど、発生時期は7~10月ごろで単独で生活をします。さくらの木や梅、もも、クリやヤナギ、柿の木などに生息し、他のイラガに比べやや小ぶりです。体は明るめの緑色で、肉質の突起があります。この突起の先端が赤いことが名前の由来になっています。他のイラガと同じく触れると激痛を伴うため、見つけ次第駆除しましょう。
アカイラガの成虫
ボタニ子
この赤い突起、触れると取れることがあるらしい…けど触れたら最後、激痛なんだよなぁ。
ボタ爺
アカイラガは他のイラガに比べてやや小さいが、毒性は変わらんからなぁ、どの幼虫も要注意じゃ。
イラガの幼虫に刺された!症状や治療は?
イラガの幼虫に刺されると、電気が走ったような、ハチに刺されたようなビリビリした激しい痛みがします。痛みは長いと1時間ほど続くこともあり、痛みがおさまると激しいかゆみと皮膚炎が起こります。かゆみは1週間ほど続くこともあり、刺された場合に適切な方法で対処することにより、痛みやかゆみが軽減します。
ボタニ子
イラガの幼虫に刺されると、ひどく痛むんだね…気をつけないと!
ボタ爺
症状としては、①電気が走ったような激しい痛み ②かゆみや湿疹 じゃな。とにかく刺されたら次に紹介する対処法を試すんじゃ!
イラガの成虫です。成虫は口吻(コウフン)が退化しているため何も食べません。無毒なため、一部の種類を除き触れても問題ありません。