赤紫蘇(アカシソ)はヒマラヤから中国南部が原産で、日本には中国から名前と共に伝わり、平安時代には栽培されていたようです。紫蘇の「蘇」にはよみがえりの意味があり、食中毒になった人を紫蘇で回復させた中国の言い伝えに由来する名前です。
園芸部類 | ハーブ、野菜 |
形態 | 一年草 |
樹高・草丈 | 30cm~70cm |
花の色 | ピンク |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 普通 |
特性・用途 | 漬物の色づけ、香りづけ、ジュース、ふりかけ |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
赤紫蘇は春まきの一年草で、紫色の茎に赤紫色の葉が互い違いにつきます。葉は表面に縮れの少ない種類(平葉)と、縮れた種類(ちりめん)があり、どちらも縁にギザギザが入る先のとがった広い卵形です。夏になると花穂(かすい)が伸び、ピンク色の小さな花が総状に咲きます。紫蘇の仲間のなかでは、赤紫蘇が原種に近く、青紫蘇(大葉)は変異した種類とみられています。
近年、必須脂肪酸を多く含むことで注目されるようになった荏胡麻(えごま)も、シソ属の仲間です。
赤紫蘇は古くから、漬物の色づけや香りづけに使われてきたハーブです。葉を煮出せばジュースになり、乾かせばふりかけ(ゆかり)にもできます。青紫蘇同様に芽紫蘇、穂紫蘇(花が咲き始めた花穂)も食べられるため、料理のあしらいなどに使えます。
赤紫蘇の赤色は、色素成分アントシアニン系のポリフェノール、シソニンです。シソニンには、体内の活性酸素を除去する強い抗酸化作用があり、脳や血管などの老化防止に効果があるといわれています。
赤紫蘇の香り成分シソアルデヒド(ぺリルアルデヒド)は、細菌の増殖を防ぐため、防腐・殺菌効果が期待できます。また、独特の爽快な香りは、ストレスを和らげてくれるでしょう。この香り成分は、赤紫蘇、青紫蘇ともに含まれていて青紫蘇のほうがより多く含有しています。
赤紫蘇に含まれているロズマリン酸はポリフェノールの一種で、抗炎症作用があるとされます。花粉症や鼻炎などの予防やアレルギー症状を和らげる効果が期待できるでしょう。
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「赤ちりめんしそ」は、赤紫蘇の葉の表面がちりめんのように縮れた種類です。梅漬けに入れるときれいな赤に発色します。使い切りしやすい小袋入りです。
葉の特徴 | 赤、ちりめん |
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「うらしそ」は、裏赤紫蘇、半面赤紫蘇とも呼ばれる葉の表が緑色で裏が赤紫色の品種です。香り・色素ともに強く、赤紫蘇のようなきれいな色がでます。梅干しの色づけやジュースのほか、紫蘇巻きなどにも使えます。
葉 | 緑と赤、ちりめん |
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種まき時期 | 4月~5月 |
植え付け時期 | 5月~6月 |
収穫時期 | 6月~8月 |
赤紫蘇は霜に当たると枯れてしまうため、遅霜の心配がなくなった5月頃以降に植え付けます。暖地なら4月下旬に植えても問題ありません。種から育てるなら、4月~5月に種まきしましょう。
赤紫蘇は、庭植え・鉢植えどちらでも育てられます。ベランダでプランター栽培もできます。室内栽培も可能ですが、日当たりのよい窓辺に置き、できれば風通しをよくしましょう。
赤紫蘇は、日当たりのよい場所に植え(置き)ましょう。乾燥を避けるため、午後の数時間程度は日陰になるような場所が理想的です。
赤紫蘇は、やや湿り気のある土壌を好みます。鉢植えには、赤玉土と腐葉土を7:3程度に混ぜあわせた土か、野菜やハーブ用の培養土を使いましょう。庭植えは、耕すときに苦土石灰を一握りまぜて土壌調整したうえで、腐葉土と元肥を加えてください。連作障害は出にくいので、シソ科の植物を植えていた場所でも問題ありません。
鉢植えの赤紫蘇には、土の表面が乾いたら、たっぷり水やりしてください。鉢底からしっかり流れ出るほど与え、受け皿にたまった水は捨てます。庭植えは降雨のみで育ちますが、晴天が長く続いたときは水やりして、乾燥させないように気をつけましょう。乾燥すると、葉が硬くなります。
赤紫蘇の植え付け時に、緩効性化成肥料を元肥として施します。そのあとは、基本的には与える必要はありません。葉の色が薄い、元気がないなど生育が悪いときには少し追肥してください。
肥料を与えすぎると、肥料焼けで葉先が黒くなることがあります。
赤紫蘇に害虫はあまり寄ってきませんが、肥料を与えすぎるとアブラムシが発生することがあります。新芽や葉裏をチェックして、水で洗い流すか手で払ってください。またバッタがやってくると食害します。少々かじられるくらいなら問題ありませんが、被害が大きくならないうちに撃退しましょう。
赤紫蘇は丈夫なハーブで、かかりやすい病気はとくにありませんが、まれにさび病を発症することがあります。葉の表面に黄色い斑があらわれ、やがて枯れます。小さな斑点のうちに見つけて摘み取りましょう。
雨の泥はねを防ぐために、株元に藁を敷いておくと安心です。藁を敷かない場合は、雨で泥はねを受けた葉はそのままにせず土を洗い流してください。あるいは株元近くの葉は早めに摘み取って収穫すると、風通しがよくなり病気予防にもなります。
夏になり、花をつける花穂が伸び始めると葉は硬くなります。香りも弱くなるので、その前に葉を収穫しましょう。種採り用の株は、葉だけ収穫して茎を残し、開花させます。花後1カ月半くらいで種ができます。
庭植えは、じかに種まきするよりは育苗ポットなどで発芽させてから植え付けるほうが管理しやすいです。湿らせた種まき用土を入れたポットかセルトレイに数粒ずつまき、うっすらと覆土して乾かさないように管理します。本葉が出たのち、1本に間引きます。鉢植えには、直まきしてもかまいません。
紫蘇の種は好光性で発芽には光が必要です。土を厚くかけすぎないようにしましょう。
赤紫蘇は、苗から育て始めることもできます。茎がしっかりしていて、葉が生き生きしている苗を選んでください。育苗ポットから植え替えるときには、根鉢を崩さないようにします。複数株植え付ける場合は、株間を30cmほど空けましょう。
茎が20cmほど伸びたころに摘心すると、脇から芽がでて横にひろく繁ります。主枝の先っぽを5~7cmほど切り取って、葉を収穫してください。
暑さには強く、夏越しの対策はとくに必要ありませんが、乾燥させないように鉢植えは半日陰に置いてください。一年草なので、冬を待たずに枯れ始めます。
花後1~2カ月で種ができます。枯れかけた花穂を切り取るか根元で剪定し、日陰で乾燥させてからシートなどに種を振り落としましょう。枯れたガクや枝くずなどを取り除いて、保管します。種には半年ほどの休眠性があるため、翌年早くまきすぎると発芽しないので、気をつけましょう。
近くに青紫蘇を植えていると交雑してしまうことがあります。葉の収穫のみなら、隣りに植えても問題ありませんが、種を採取する株は離れたところに植えましょう。
挿し木で増やせますか?
摘心した枝を水に挿しておけば根が出てくるので、植え付けられます。ただし、一年草なので翌年のために挿し木では増やせません。
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葉の表面の縮れの少ない赤紫蘇です。育てやすく、梅干しや漬物、ジュースなど幅広い使い方ができるでしょう。
葉の種類 | 赤、平葉 |
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出典:写真AC