シュロチク(棕櫚竹)は、カンノンチク(観音竹)とともに江戸時代から親しまれてきた観葉植物です。和モダンの趣がありますが、洋風の空間もシックに演出してくれます。
園芸部類 | 観葉植物 |
形態 | 常緑低木 |
樹高・草丈 | 1m~4m |
花の色 | 黄色 |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | インテリア、ギフト、庭木 |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
シュロチクは、幹が枝分かれせずまっすぐに伸びる、成長の緩やかな常緑低木です。節のある滑らかな幹を、褐色の繊維が覆っています。葉は艶やかで、10~20カ所前後の深い切れ込みがあり、掌を広げた形をしています。幹が竹に似ていて棕櫚のような葉がつくことから、シュロチクと呼ばれますが、竹ではなくヤシの仲間です。
※雲南棕櫚竹/ウンナンシュロチク
参考価格: 3,500円
雲南(ウンナン)シュロチクは、葉が細く、切れこみも繊細な種類です。優美な樹形で、大株に育つとボリュームがでます。室内はもちろん、関東以西なら戸外にも置けます。
苗の種類 | 5号鉢 |
---|---|
特徴 | 葉が細い |
観葉植物 観音竹(カンノンチク) 綾錦
参考価格: 6,380円
カンノンチク(観音竹)は、シュロチクによく似た近縁種です。葉の切れこみ数が少なく、葉幅が広いのが特徴です。やや小ぶりで、園芸品種も多くあります。
苗の種類 | ボール型陶器鉢 |
---|---|
特徴 | シュロチクの近縁種 |
植え付け時期 | 5月~6月 |
植替え時期 | 5月~6月 |
開花時期 | 6月頃(常には咲かない) |
観賞期間 | 通年 |
シュロチクは、鉢植えにするのが育てやすく、数年ごとに鉢増ししながら大きく育てると見映えがします。暖地や、強風の吹き込まない坪庭のような場所では庭植えも可能です。
シュロチクは、室内・屋外どちらでも育てられます。置き場所は、屋外では半日陰、室内ではレースのカーテン越しの光が差し込む場所が適しています。耐陰性があるため、窓から離れた場所でも育ちますが、ときおり光の届く位置に置くようにしてください。生育がよくなります。
シュロチクは水はけと水持ちのバランスのよい土が適しています。鉢植えには、赤玉土と腐葉土を6:4の割合で混ぜ合わせた用土を使います。あるいは、観葉植物用の培養土を使ってもかまいません。庭植えには、植え穴に腐葉土を混ぜておきましょう。
鉢植えは、土の表面が乾いたら、たっぷり水やりします。水切れすると葉が枯れてくるので、ときおり葉水も与えましょう。霧吹きなどで直接葉に水をかけると、害虫予防にもなります。湿らせたペーパータオルなどで葉を拭くのもよい方法ですね。庭植えは、降雨のみで育ちます。
5月~10月上旬の生育期に、2カ月に1回を目安に緩効性化成肥料を置き肥してください。
気をつけたい害虫は、ハダニとカイガラムシです。ハダニは乾燥していると発生しやすいため、ときおり霧吹きで葉水して予防してください。カイガラムシは、早めに見つけて幹からそぎ落としましょう。
かかりやすい病気はとくにありませんが、カイガラムシが多く発生したときは、排せつ物に菌が付着してすす病を発症することがあります。カイガラムシを早めに駆除しましょう。
シュロチクの花は、毎年必ず咲くわけではありません。開花したときは、枯れる前に花茎のもとから切り取ってください。花後そのままにしておくと、垂れた蜜が葉に付着してカビが発生することがあります。また、根が詰まりかけたときに花が咲くケースが多いので、根をチェックして必要なら植え替えてください。
シュロチクは小さなポット苗よりも、鉢植えの状態での流通が一般的です。ギフト用も多く、陶器の鉢植えの場合は、価格が高くなります。葉の色つやがよく、葉先の枯れていない株を選びましょう。
鉢植えは、根詰まりを防ぐために1~2年に1回植え替えましょう。花が咲いたときや、葉先が枯れる葉が多くなったときは、植え替えのサインです。植替え適期は5月~6月頃で、何年かに1回は株分けを兼ねるとよいでしょう。庭植えは、植え替えの必要はありません。
枯れた葉や、伸びすぎて樹形を乱している葉は、剪定してください。葉先だけ枯れている葉は、葉の形に沿ってハサミで枯れた部分を切り取ると見映えがよくなります。幹を覆う繊維は、むしり取っても問題ありません。また葉がほとんどなくなった幹は、株元で剪定するとよいでしょう。
夏場はとくに直射日光にあてないようにしましょう。強烈な日差しをあびると、葉が焼けて枯れてしまいます。
庭植えは、土の表面が凍らないように土を盛るか、株元に藁を敷いてください。寒風にあたると葉は傷みますが、株元が凍結しなければ冬越しできます。鉢植えは10℃を下回る頃になったら室内に取り込みましょう。暖房で乾燥すると葉が枯れることがあるため、温風に直接あてないように管理してください。
シュロチクの増やし方は、株分けが簡単で一般的です。シュロチクは地下茎で子株を増やして成長していきます。芽(や茎)を3~4本含んだ状態に切り分けてください。
株分けの時期は?
5月~6月頃です。植え替えにもちょうどよい時期です。
挿し木でも増やせますか?
シュロチクはヤシの仲間で、成長点が少ないため、挿し木には向いていません。株分けで増やしましょう。
観葉植物 シュロチク
参考価格: 9,900円
プラスチック製の8号鉢植え、高さは鉢底より約90cm程度です。受皿やショップオリジナルの観葉植物冊子がついています。鉢カバーは別売りです。
鉢のサイズ | 8号鉢(直径24cm) |
---|---|
苗の大きさ | 鉢底から約90cm |
繊維をむしり取ると、竹のようなすべすべの幹になり、切り取ったあとは支柱などに再利用できます。