ハダニとは?
ハダニはクモやサソリの仲間で、植物の葉の裏に寄生して汁や栄養を吸う害虫です。さまざまな植物に発生する害虫で、汁を吸って植物を弱らせます。白い斑点になったところは、ハダニの被害にあった可能性が高い箇所です。対策が遅れると、最悪の場合は枯れてしまいます。花の汁も吸うため、開花期間が短くなる原因ともなり、早めの対処が必要です。赤い色のものが目立ちますが、褐色や黄緑色のものもいます。
ハダニの生態
ハダニの生態は特殊です。交尾しなくても産卵でき、非常に強い繁殖力が特徴となります。一生の間に産む卵の数はメス1匹あたり50~100個で、気温が高ければ卵は10日ほどで成虫になります。そのため、増え方は爆発的です。クモのような糸をはき、数が増えてくるとその糸で葉の裏などに巣を作ります。巣ができている場合はかなり繁殖しているので、早急に対処が必要となる害虫です。
ハダニの駆除方法①ガムテープ
まだハダニの数が少ない時期なら、無農薬での対処も十分可能です。もっとも簡単なのは、ガムテープにくっつけてはがす方法です。葉裏にいるハダニにガムテープを当て、葉が破れないように注意してはがしましょう。葉が細かい植物や柔らかい植物は、ガムテープに貼りついてちぎれてしまう可能性が高いので、あまり向いていません。葉が大きくて、ある程度硬さのある植物で試してみてください。
ハダニの駆除方法②牛乳
牛乳も無農薬でできる対処方法です。水と1対1で薄めた牛乳を霧吹きに入れ、ハダニに吹きかけます。牛乳でハダニを窒息させることが駆除の原理です。ハダニは数が多いのでやっかいですが、1匹ごとの個体の力は弱いため、牛乳でもすぐに窒息します。牛乳がカビなど別のトラブルの原因にならないよう、スプレーで対処した翌日に水をかけて洗い流すようにしてください。また、でんぷん質のスプレーでも同じ効果が期待できます。
ハダニの駆除方法③木酢液
木酢液は、ホームセンターや園芸店などで購入できます。病害虫に対する薬効はさまざまにあるものの、農薬として登録されてはいないため、木酢液を使った対策は無農薬です。薄めた木酢液を霧吹きで吹きかけてハダニを防除します。薄めずにそのまま使用できるよう、「木酢液スプレー」として販売されている商品もあります。木酢液は有機農業で使用できる肥料でもあり、植物を元気にする効果も期待できます。
ハダニの駆除方法④薬剤
ハダニの数が増えてきたら、薬剤での駆除も一般的な方法です。昆虫とダニでは効果のある成分が異なるので、ハダニに対しては殺ダニ剤の使用が有効です。ハダニは薬剤への耐性がつきやすい害虫で、世代交代にともなって強くなるため、長期間同じ薬剤を使い続けると駆除しづらくなってきます。薬剤の効果が落ちてきたと感じたら、種類を変えて対策を続けてください。
有機JAS認証の薬剤
- パイベニカVスプレー(ナス)
- ベニカマイルドスプレー(果樹、野菜、花き、観葉植物)
- アーリーセーフ(野菜類、りんご、いちじく、花き、観葉植物)
- サフオイル乳剤(野菜類、トマト)
有機JAS認証以外の薬剤
- ベニカXファインスプレー(花き、ナス)
- 粘着くん液剤(桃、かんきつ、花き、観葉植物、野菜類、落花生)
- テルスター水和剤(果樹、ナス、花き類)
- バロックフロアブル(各種ハダニ類の卵・幼虫)
使用できない薬剤
ケルセン乳剤など、ケルセンを含む農薬は平成22年以降禁止されています。ハダニ駆除剤として高い効果を有していましたが、環境への懸念が報告されたためメーカーが回収を進め、農林水産省でも販売と使用を禁止しています。販売されていないため誤って購入することはありませんが、お持ちの場合は誤って使用しないよう、メーカーに回収を依頼してください。
重曹ではダメ?重曹の効能とは
重曹は農林水産省の「特定農薬」に指定されています。効果があり、かつ害がないと認められている農業資材のことで、農薬とは別物となります。有機栽培でも使用でき、重曹も同様です。しかし、重曹が公に認定されている効能は、灰色かび病・うどんこ病・さび病で、害虫に対する効能は登録されていません。しかし、さまざまな効能をもつ重曹ですから、ハダニに対しても薄めてスプレーするなどの方法を試してみるのも案の一つです。
次のページでは、ハダニの予防方法、作物ごとの予防と駆除について、ご紹介します。
出典:写真AC