ジンダイアケボノは数多いサクラの品種のひとつで、ソメイヨシノの後継として期待されています。アメリカから逆輸入された「アケボノ」を東京都の神代植物公園で育成中に発見された交雑種です。
園芸部類 | 花木 |
形態 | 落葉高木 |
樹高・草丈 | 4m~8m |
花の色 | グラデーションの入ったピンク |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 普通(高温地は好まない) |
特性・用途 | 庭植、鉢植え、シンボルツリー、記念樹 |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
ジンダイアケボノの花の形や樹形はソメイヨシノによく似ています。ジンダイアケボノの花はソメイヨシノよりも濃く、樹高は小ぶりで成長はやや早めです。小枝や葉には香りがあり、丈夫で病気に強い特徴があります。特にソメイヨシノが枯れる原因とされている「テングス病」に抵抗力があるといわれています。
植え付け時期 | 11月~12月下旬、2月下旬~3月下旬 |
植え替えの時期 | 12月~3月 |
肥料の時期 | 5月~6月、12月~1月(寒肥) |
剪定の時期 | 11月~1月 |
花が咲く時期/開花時期 | 3月頃 |
ジンダイアケボノの植え付けの時期は11月~12月下旬と2月~3月です。サクラの苗木は寒気に弱いので、寒冷地での植え付けは極寒期を避けた2月下旬~3月下旬の春に近い季節が適しています。
ジンダイアケボノは鉢植えでも庭植えでも栽培できます。サクラ自体が隣接する木の影響を受けやすい植物なので、庭植の場合は場所を広くとるようにしましょう。
栽培場所は、日当たりと水はけのよい場所が適しています。半日陰でも問題ありませんが、完全な日陰や強い西日が当たる場所、強風が当たる場所は避けてください。
ジンダイアケボノに適した用土は、肥沃で保水性と排水性のバランスのとれた土です。庭植えの場合は苗を植える穴をあらかじめ大きめに掘り、腐葉土と堆肥や緩効性化成肥料を元肥として混ぜ込んでおきましょう。鉢植えの場合は、小粒の赤玉土・腐葉土・黒土を4:3:3の割合で混ぜたものがおすすめです。
庭植えの場合は、基本的に水やりは不要です。夏に乾燥が続くときに水やりをする程度で問題ありません。鉢植えの場合は土の表面が乾いたらたっぷり与えましょう。
2月頃に、寒肥として有機質肥料と緩効性化成肥料を株の周りに数カ所穴を掘って少量施してください。花の後にも追肥として同じように施します。
モンクロシャチホコ、コスカシバの幼虫、カイガラムシなどの害虫がつきやすいので、虫がついているのを発見したら消毒を行いましょう。
ジンダイアケボノは病気に強い品種ですが、剪定で枝を切ったり、何らかの原因で折れたりしてしまった場合などに切り口から菌が侵入し、病気の原因になることがあります。切り口は癒合剤で保護しましょう。
ジンダイアケボノには特に花後の管理は必要ありません。
一般的に、サクラは種から育てることも可能ですが、ジンダイアケボノのような園芸品種の場合は親株と違う花が咲くことがあるので適してはいません。
苗は、幹や枝がしっかりしていて病気や害虫がついていないものを選びましょう。根が包んであり中が見えない状態のものは、包んであるものの外側から見てへこみなどがなく、形のよいものを選びます。
鉢植えで栽培している場合は、育成が悪くなることと立ち枯れ病を防ぐために2年~3年に1回は植え替えましょう。新しい植木鉢はひと回り~ふた回りほど大きなものを用意します。以前の鉢から株を取り出し、根に付いた土は1/3ほど落とします。長く伸びた根は切り詰めてください。新しい鉢に鉢底ネットと鉢底石、用土を入れて株を植え替えます。
落葉期の11月~1月頃が適期です。サクラは強剪定が苦手なので、あまり強く剪定すると枯れてしまいます。ひこばえや不要な枝を切り詰める程度にしてください。サクラは切り口が塞がりにくい性質があるため、太い枝を切ったところには病原菌が入らないように癒合剤で保護しましょう。
ジンダイアケボノは、耐寒性が強いので特に冬越しの手間はかかりません。葉のない時期のほうが病気や害虫に気付きやすいので、冬の間にチェックしましょう。また、翌春以降の育成をよくするためには寒肥が必要です。
挿し木の適期は6月です。挿し木用の入れ物と土を用意してください。また緑色で葉がついている若い枝は発根率が高く、成功しやすいのでそのような枝を用意しましょう。手順は以下のとおりです。
提供:写真AC