ハスの育て方!植え替えや種まきのコツや手入れ方法などについて解説 | 植物図鑑

ハス
学名Nelumbo nucifera
和名
別名水芙蓉(みずふよう)、不語仙(ふごせん)、池見草(いけみぐさ)
英名Lotus
科・属名ハス科・ハス属
原産地中国、インド、北アメリカ
花言葉清らかな心、神聖、雄弁、離れゆく愛

ハスの概要

Photo by Zengame

ハスとは、夏に白やピンクの色鮮やかな花を咲かせる水生植物です。観賞用だけでなく根や若い実は食用としても利用されています。また仏教やヒンドゥー教を象徴する花としても有名で、世界中で愛されている花です。

基本情報

園芸分類 水生植物
形態 多年草
樹高・草丈 水上50cm~100cm、水深40cm
花の色 白・ピンク・黄
耐寒性 普通
耐暑性 強い
特性・用途 落葉性
栽培難易度 ★★★★☆

特徴

ハスはスイレンと違い、水面よりも高く茎が伸びて高い位置で葉や花が開くのが特徴です。花期は7月~8月で早朝に花が咲き、昼には閉じてしまいます。葉は薄くて大きな円形または楕円形をしています。葉の表面は撥水性がよいのもハスの大きな特徴です。

ハスの代表品種・種類

Photo by ngcurly

①大賀ハス

大賀ハス

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大賀ハスは、1951年(昭和26年)に千葉県の落合遺跡から発掘された約2000年前のハスの種を、大賀一郎博士が発芽・育成に成功した品種です。中型一重咲き品種で、花径24cm~28cmほどの花は咲き始めが濃いピンク色で徐々に白っぽくなっていくのが特徴です。

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②キバナハス

キバナハスは、ルテア種と呼ばれるアメリカ原産の中型種です。花びらの先が丸く、黄色い花を咲かせるのが特徴です。栽培が難しく花付きも悪いですが、アジア原産のヌシフィラ種と交配した品種が多く流通しています。

ハスの育て方①時期

Photo by houroumono

植え付けから開花までの時期

植え付け時期 3月~4月
種まきの時期 4月~5月
植え替え時期 3月~4月
株分けの時期 3月~4月
肥料 4月~9月
開花時期 7月~8月

栽培カレンダー

時期1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
植え付け
植え替え
株分け
種まき
肥料
開花時期
休眠期

栽培適期は?

ハスは夏に春~夏にかけて成長期を迎えます。種まきや植え付けは3月~4月が適しています。冬には休眠期に入るので植え替えや株分けなども春になってから行うとよいでしょう。

ハスの育て方②栽培環境

Photo by ai3310X

栽培方法

水生植物のハスは、粘土状の土を入れて水を張った丸い鉢や瓶、プラスチックの容器などで栽培します。丸い容器なら根がとぐろを巻いて伸び、よく育つのでおすすめです。植え付けは成長が始まる3月~4月に行います。植え付けには根(蓮根)や市販の苗を使用するのが一般的です。

植え付けの仕方

根の場合は、用土を鉢の半分~2/3くらいまで入れ、新芽を上にして浮き上がらない程度の浅めに埋めます。苗の場合は、用土を鉢の半分くらい入れます。根が傷つかないように育成ポットをハサミで切って取り出し、土を崩さず置いて周りに土を入れていきましょう。植え付け後は、水位10cm~20cmくらいまで水を溜めます。

鉢植え・水鉢

ハスを育てる鉢の大きさは、大型種は直径60cm以上のもの、中型種は直径50cm以上のもの、小型種は直径30cm以上のものを使用してください。容器の厚みが薄いものは、夏に水温が上がり過ぎたり冬に根が凍結したりするので厚みのあるもののほうがおすすめです。

育てる場所

ハスは、太陽の光がよく当たる屋外で育てるのに向いています。屋内でも育てられますが、光の量が足りず枯れてしまうのでおすすめしません。

置き場所・日当たり

ハスは日光を好む植物で、半日以上は直射日光が当たる場所で管理します。あまり日が当たらない場所に置くと花が咲きにくくなるので注意してください。冬も凍結を防ぐために、日当たりのよい暖かい場所で管理しましょう。

用土

ハスを育てるのに最適な用土は、有機物などが豊富に含まれた市販の田土です。また、市販の水生植物の土や赤玉土(細粒)に腐葉土を1割ほど混ぜた土なども適しています。用土には元肥として緩効性化成肥料を混ぜてください。ハスは成長が早く、粒の大きな土に植えると成長が悪くなるので、粘土質の用土を使いましょう。

ハスの育て方③管理のポイント

Photo by ngcurly

水替え・水足し

水は、常に水深10cmを保つようにします。夏場は成長期なので水切れを起こさないようにこまめに水を足してください。水替えをすると水温が下がり、水中のバクテリアが少なくなって水が腐りやすくなります。水替えはしないように管理してください。継ぎ足す水はバケツに汲み置きして水温を上げておきましょう。

水やりのポイント

水やりをするときは、シャワーノズルを使用すると水に酸素がたくさん入るのでおすすめです。また、水面に油膜やゴミが浮いている場合は、水を少し溢れさせて流しましょう。

肥料

植え付け時の元肥として、緩効性化成肥料を用土に混ぜます。4月~9月の間に2週間~3週間に1回、緩効性化成肥料を追肥として与えましょう。ただし、一度にたくさん与えすぎると育ちが悪くなるので注意してください。

剪定

黄色くなった葉や破れている葉は、剪定して取り除きます。新しい葉が次々に出てくるので、半分の量くらいまで剪定して問題ありません。水面から少し下の部分を切るとよいでしょう。

花がら摘み

花後、そのままにしておくと、種を作るために養分が取られて次の花が咲かなくなってしまうので摘み取ってください。摘み取るときは、花茎を水面より少し下の部分を切りましょう。

害虫対策

ハスにはアブラムシがつくことがあります。アブラムシは、ハスの葉の裏や新芽や蕾などにつき、汁を吸って葉などを枯らしてしまう害虫です。予防するためは、株元にオルトラン粒剤を少量振りかけておきましょう。また、見つけたら殺虫剤などを使って駆除してください。

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病気対策

6月~8月に腐敗病が発生しやすくなります。腐敗病は、乾燥することで病原菌が地下茎や根に入り、株自体を腐らせる病気です。腐敗病は薬がないので、予防するために土が乾かないようこまめに水足しをしてください。

ハスの育て方④詳しい栽培方法

Photo byyeahoor

苗の選び方

植え付けに使用する蓮根は、切り口が腐っておらず、太くて新芽が2個~3個出ているものを選びましょう。市販の苗は、葉が元気で好きな色の花が咲くものなどを選んでください。

育苗

ハスを家庭で育てる場合は、育苗をする必要はありません。

植え替え

ハスはどんどん株が増えていくので、年に1回植え替えをしないと花が咲かなくなります。3月~4月に鉢をひっくり返して蓮根を取り出し、株分けをしてから植え付けましょう。用土は新しいものを使用します。蓮根は乾燥し過ぎると腐ってしまうので、植え替えをするときには乾燥しないよう注意してください。

夏越し

花後の8月中旬~9月にかけては、葉が枯れるまで追肥を行います。また、雑草や藻が発生すると成長の妨げになるのでこまめに取り除いてください。夏は鉢の水にボウフラが湧くことがあります。メダカや金魚を入れるとボウフラ対策になるのでおすすめです。

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冬越し

ハスは蓮根が凍ると枯れてしまいますが、土まで凍ってしまう寒冷地域でなければ屋外でそのままにしておいて問題ありません。冬の間も水位は10cm前後に保つようにしてください。葉は、完全に枯れたら根元から切り取りましょう。

増やし方

種まき

ハスの種は皮が硬くそのままでは芽が出ません。ヤスリなどで種のおしりの部分の皮を、中の白い部分が見えるまで削るのが発芽のポイントです。削ったら、種を水の入った透明な容器に浸けて日当たりのよい場所で管理します。水は濁ったら取り換えましょう。5日ほどで発芽するので、その後は葉が2枚~3枚付いたら植え付けをします。

株分け

ハスを増やし方は株分けが一般的です。株分けは、植え替えするタイミングで株分けするとよいでしょう。株分けには、新芽がついた蓮根の2節半を使います。ハスは節目から根を出すので、節目を傷つけないように太い部分を切ってください。切り取った蓮根が乾き過ぎないうちに、芽を上にして植えましょう。

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