クリーピングタイムの育て方！種まきや用土の選び方のポイントを解説 | 植物図鑑

クリーピングタイムは耐暑性、耐寒性に優れたほふく性のタイムです。料理などに使われる立ち性のコモンタイムに比べて香りは少なく、薬効あるハーブとしてよりも、生育旺盛で丈夫なグランドカバーとして使われています。丸く集まって咲く花が愛らしく、春に開花すると、一面がピンクや白のじゅうたんのようになり、見ごたえがあります。

タイムには、チモールという殺菌効果と抗ウイルス作用を持つとされる成分が含まれています。クリーピングタイムはコモンタイムほどの薬効成分はないのですが、葉を茎ごと乾燥させて虫除けに利用できます。

クリーピングタイムは種まきや植え付け、植え替え、軽い剪定などは気候の穏やかな4～6月、9～11月頃に行います。ただし、春に植えた種は翌年の開花です。

クリーピングタイムは繁殖力が旺盛で、地植えでグランドカバーとして育てるのがおすすめですが、鉢でも育てられます。傾けた鉢からこぼれるようにクリーピングタイムを咲かせるアイデアが人気です。

クリーピングタイムは日当たりと水はけのよい場所で育てましょう。暑さにも寒さにも強いのですが、地中海沿岸のカラッとした地域が原産なので、日本の梅雨の湿気が苦手です。

タイムは、全般的に酸性の土が苦手です。地植えなら植え付けの2週間前に石灰をまいてアルカリ性の土に整えておきます。また、水はけをよくするために腐葉土もよく混ぜ込んでおきましょう。鉢植えの場合は新しいハーブ用土を使うのがおすすめです。

定植後のクリーピングタイムの水やりは、地植えの場合は降雨のみ、鉢植えの場合も乾いたときのみで十分です。湿気が苦手なので、乾燥気味に育てます。

クリーピングタイムに、肥料はほぼ必要ありません。やせた土地に植える場合には、緩効性の固形肥料を、根に当たらないように土に混ぜるとよいでしょう。

タイムの香りは害虫が嫌うため、虫対策は必要ありません。害虫ではなく、ハチが来ることはあります。コンパニオンプランツとして野菜の近くに鉢植えを置くと、ハチを呼び寄せ、野菜の害虫対策に役立ちます。

クリーピングタイムは湿気で蒸れて枯れるのさえ気を付ければ、特に病気もありません。

花後は梅雨の準備として、全体を株元まで切り戻し、蒸れによって枯れるのを防ぎます。

種まきの時期は、春か秋の気候の穏やかな頃です。水はけのよい、種まき用の土を湿らせてからまきます。タイムの種は軽く小さいので風当りに注意しましょう。好光性のため覆土はせず、半日陰で発芽まで水を切らさないように管理します。

苗から育てる場合は、根元の葉が枯れていないかよく確認して購入しましょう。

クリーピングタイムは生育旺盛です。鉢植えの場合は、小さい鉢のままでは根詰まりしてしまいます。年に1回、春か秋の気候の穏やかな時期に株分けや剪定を兼ねて植え替えましょう。植え替え後、根付くまでは水やりを続けます。

クリーピングタイムは蒸れに弱いので、梅雨前に株元で強剪定をします。それ以外の時期も、枝が多くなりすぎている場合、その都度枯れ枝などを整理し、風通しをよくします。

梅雨前の剪定が、湿気の多い日本の夏を越すコツです。

冬はクリーピングタイムの地上部は枯れますが、根っこは生きています。冬前も強剪定すると、春にそろって芽吹きます。

クリーピングタイムのポピュラーな増やし方は、株分けです。植え替えの際に根を傷めないように分け、新しい用土に植え付けます。根付くまでは毎日水やりをしましょう。

土に触れた茎から発根する性質を生かして、茎伏せという簡単な増やし方もあります。増やしたい方向に伸びた枝を置き、土などで固定して水やりし、発根を待ちます。

クリーピングタイムは、挿し木でも増やせます。剪定枝を新しい土に挿し、明るい日陰で水やりをして発根まで管理します。