クリーピングタイムとは?
あたたかな春の日に、一面のピンクのじゅうたんを敷き詰めたようなお庭を見たことがありませんか?主にピンク、薄紫、白の繊細な花をつけ、細かい葉っぱが地表を覆い、踏むとさわやかな香りが漂うハーブ、それがクリーピングタイムです。草のように見えますが、常緑性の低木です。
クリーピングタイムの特徴
植物名 | クリーピングタイム |
学名 | thymus serpyllum |
英名 | creeping thyme |
科名 | シソ科 |
属名 | イブキジャコウソウ属 |
原産地 | 地中海沿岸(アジア、ヨーロッパ、北アフリカ) |
形態 | 常緑低木(種類により冬に変色) |
花期 | 4~6月 |
耐暑性 | あり(高温多湿は苦手) |
耐寒性 | あり |
クリーピングタイムは地中海沿岸が原産のハーブです。耐暑性、耐寒性に優れ、少しくらい踏んでも丈夫でよい香りもするので、グラウンドカバーとして人気があります。また、料理にはあまり使いませんが、ハーブの効能も期待できるので、利用価値が大きい植物です。
コモンタイムとの違い
クリーピングタイム
タイムは主に立ち性のコモンタイム(common=普通の)と、這い性のクリーピングタイム(creep=這う)にわかれます。クリーピングタイムは料理よりもグラウンドカバーによく使われています。全般的にコモンタイムよりハーブとしての効能は薄いですが、準じて使うこともできます。
コモンタイム
コモンタイムはハーブとして料理やティーに使われる、香り高い立ち性のタイムの総称です。タイムに含まれるチモールという成分が、強い殺菌効果と抗ウイルス作用をもっているので、タイムのハーブティーをうがい薬にすると、感染症予防に役立ちます。
タイムの花言葉
タイムの花言葉は「勇気」「活動力」。そもそもギリシャ語の勇気(thymom)から由来してタイムと名付けられたのは、さわやかな香りが心身の疲労回復や不安・抑うつ状態の改善に効いて勇気が湧くためでしょうか。また、どんどんと枝を伸ばして繁茂していく力強さが活動力を感じるのでしょう。
古代ギリシャではタイムが勇気の象徴とされ、その小枝を旅立つ兵士に渡して無事を祈っていたそうよ。
クリーピングタイムの種類
タイムには数百の種類があるので、クリーピングタイムの中でも代表的なもののみ紹介するね。
ワイルドタイムの特徴
クリーピングタイムといえば、主にこのワイルドタイムのことを指します。後述のロンギカリウスよりも葉が少し大きめで、芝生の代わりとしてグラウンドカバーによく利用されています。また、香りがよいのでコモンタイム同様、料理やティーにも利用可能です。
タイム・ロンギカリウスの特徴
ピンクや薄紫のじゅうたんを楽しみたいなら、このタイム・ロンギカリウスをおすすめします。花付きがほかのタイムよりもよいのでフラワータイムとも呼ばれています。5月にいっせいに繊細な花が咲く様はとても華やかです。丈夫で成長も早いので、グラウンドカバーとして最適です。
レイタータイムの特徴
グラウンドカバーとして特に改良されて生まれたのが、レイタータイムです。上述のワイルドタイムやロンギカリウスは、冬場は少し色が変色するのですが、レイタータイムは冬でも常緑で、踏まれても弱らず育つ丈夫なグラウンドカバーとして新たに注目されています。
出典:写真AC