ヒメリュウキンカの育て方!育てる場所や増やし方など管理のポイント | 植物図鑑

ヒメリュウキンカ(黄花)
ヒメリュウキンカ(山吹色
ヒメリュウキンカの群生
学名Ranunculus ficaria
和名姫立金花
別名菊咲立金花
英名lesser celandine
科・属名キンポウゲ科・キクザキリュウキンカ属
原産地ヨーロッパ
花言葉あなたに会える幸せ

ヒメリュウキンカの概要

Photo by TANAKA Juuyoh (田中十洋)

ヒメリュウキンカは、イギリスやヨーロッパ大陸の山地や林床に分布する山野草です。日本に自生するリュウキンカに似ているため、姫リュウキンカと呼ばれますが、リュウキンカの小型種ではなく別の植物です。黄花のほかに白花や八重咲きなどの変異種や園芸品種があり、鉢植えや庭で栽培できます。

基本情報

園芸部類 山野草
形態 多年草
樹高・草丈 5cm~25cm
花の色 黄色、白、オレンジ色
耐寒性 強い
耐暑性 強い
特性・用途 夏に休眠、鉢植え、花壇
栽培難易度 ★☆☆☆☆

特徴

花弁がキラキラ光っています。キンポウゲ科に多く見られます。
出典:写真AC

キラキラ光るのは萼花弁

ヒメリュウキンカ(姫立金花)は、小柄ながらすっくと立ちあがった花茎の先に金色(黄色)の花を付けます。花びらは萼片(がくへん)です。光沢があるのは福寿草など黄色いキンポウゲ科の花によくみられる特徴で、表面にあるクチクラ(キューティクル)層が光を反射するためといわれています。葉は、ほぼ全縁のハート形で模様のある品種もあります。

夏に休眠

ヒメリュウキンカは早春に咲いて春の訪れを告げ、種ができると葉が枯れ始めます。夏は地下茎のみで休眠する、「春植物」または「スプリング・エフェメラル(春の束の間)」「春の妖精」と呼ばれる生育サイクルの草花です。

ヒメリュウキンカの代表品種・種類

①カラスバヒメリュウキンカ

Photo by wallygrom

ブラゼン・ハッシー(カラスバヒメリュウキンカ)は、黄色い花と黒紫色の葉のコントラストが美しい一重咲き品種です。黒紫色の烏葉品種は、ほかにカッパーノブがあり、花の色がクリーム色から白に変化します。

②ヤエザキヒメリュウキンカ

八重咲ヒメリュウキンカ ポット苗

参考価格: 495円

出典: 楽天
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フロラ・プレノ(ヤエザキヒメリュウキンカ)は、八重咲きの黄色い花を咲かせます。小型ながら丈夫で、模様の入った濃緑色の葉がシックです。

③ブルガオバホワイト

白花 ヒメリュウキンカ (姫立金花) 苗 ブルガオバホワイト(g1)

参考価格: 514円

出典: 楽天
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ブルガオバホワイトは、ヒメリュウキンカの中でもひときわ白い一重咲きで、花弁が細く星のような形をしています。花弁の裏側は淡い紫色です。

ヒメリュウキンカの育て方①時期

出典:写真AC

植え付けから開花までの時期

植え付け時期 7月~9月
追肥の時期 3月~6月
開花時期 3月~5月

栽培スケジュールカレンダー

時期1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
植え付け
植え替え
肥料
開花時期
休眠期

栽培適期は?

植え付け適期は、休眠期に入った7月~9月です。苗や鉢植えを他の季節に入手したときは、そのままか軽く鉢増しする程度で育て、休眠期にしっかり植え替えるといいでしょう。

ヒメリュウキンカの育て方②栽培環境

栽培方法

プランター・鉢植え・露地

ヒメリュウキンカは、鉢植え・庭植えどちらでも育てられます。鉢植えは、山野草鉢か、水抜き穴の広い鉢が適しています。一般的な鉢に植える場合は、軽石などの鉢底石を多めに敷いてください。庭植えは、水はけのよい所に植えましょう。湿潤な場所に自生する植物ですが、園芸種は水はけが悪いと根腐れを起こすことがあります。

育てる場所

置き場所・日当たり

庭植えは、日当たりのよい場所に植えてください。庭石の間などに植えるとナチュラル感がでます。鉢植えは、芽が動き始める秋から開花が終わる晩春までは、日の当たる場所に置きます。夏の休眠中は、雨の当たらない日陰に置きましょう。

用土

ヒメリュウキンカを植える用土は、水はけがよければ特に土質は選びません。鉢植えには、山野草用の培養土か草花培養土が便利です。または赤玉土と鹿沼土を同量混ぜ合わせて使ってください。
 

ヒメリュウキンカの育て方③管理のポイント

水やり

ヒメリュウキンカは湿潤な地に生息する植物なので、鉢植えには2月~6月の期間は毎日1回水やりしてください。それ以外は土の表面が乾いたら水やりします。庭植えは、基本的には降雨のみで十分ですが、乾燥が続いたときは水やりしましょう。

肥料

庭植えには、花後の葉が枯れ始める時期に、緩効性肥料を与えて根を育てます。鉢植えには、開花前から花後まで2週間に1回液肥を与えてください。

害虫対策

気を付けたい害虫はアブラムシとナメクジです。アブラムシは新芽や蕾に集まるので、早めに見つけて取り除いてください。ナメクジはヒメリュウキンカの葉を食害します。鉢や石の下に隠れているので、見つけて駆除しましょう。

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病気対策

ヒメリュウキンカは病気に強い植物ですが、雨などで多湿な状態が続き、風通しが悪いと灰色カビ病を発症することがあります。葉に淡褐色の斑点ができたら、症状が進行する前に摘み取りましょう。

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花後の管理

枯れた花を残しておくと結実します。エネルギーを使ってしまうので、種を採るならひとしきり咲かせたあとにするのがおすすめです。最初のうちは、花がらを花茎の株元から切り取ってください。

ヒメリュウキンカの育て方④詳しい栽培方法

苗の選び方

花や葉が付いた状態の苗は、葉の状態がしっかりしたものを選んでください。休眠期にネット通販で購入する場合は、説明の内容をよく読み、口コミや送料なども確認して信頼できるショップで購入しましょう。

植え替え

鉢植えは2年に1回、土を新しくして植え替えてください。庭植えは植え替えの必要はありませんが、根茎が増えてきたら掘り上げて、株分けをして植え直すとよいでしょう。

剪定

花後に、花茎を株元から切り取ってください。それ以外の剪定は必要ありません。

夏越し

夏は休眠するので特に夏越し対策は必要ありませんが、枯れた葉が残っていたら摘み取って、土の表面をきれいに整えます。鉢植えは、日陰に置いてください。

冬越し

生育地によっては晩秋から芽吹いてきます。耐寒性があるので、そのままで冬越しできます。

増やし方

株分け・根伏せ

ヒメリュウキンカは株分けで増やせます。休眠期に掘り上げ、いくつかに分けて植え替えてください。ばらばらにほぐれてしまったときは、芽の付いた根や大きな根を選んで植え付けます。残りの小さな根も、根伏せ(根の挿し木)で発芽することがあるので、横向きに寝かせて土に浅く埋めましょう。発芽するまでは、日陰に置いて乾かさないように管理します。

種まき

種が出来たら、種まきでも増やせます。梅雨明け頃までに種まき用土にまいて管理してください。発芽の目安は数カ月です。

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