ナツツバキは、初夏に白色の花を咲かせる落葉性高木で、日本に広く分布している植物です。名前のとおり、花がツバキの咲き姿によく似ており、公園樹や街路樹、庭のシンボルツリーなどに利用されています。
園芸部類 | 庭木、花木 |
形態 | 高木 |
樹高・草丈 | 1m~15m |
花の色 | 白 |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 普通 |
特性・用途 | 落葉性、花が1日で終わる、シンボルツリー |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
ナツツバキは「シャラノキ」や「シャラソウジュ」という別名でも親しまれています。葉は10cmほどの楕円形状で、表面にシワがあるのが特徴です。開花時期は6月〜7月で、花は1日で咲き終わり、花後は花茎から丸ごと落ちます。
ナツツバキの花言葉は?
ナツツバキの花言葉は「愛らしさ」「愛らしい人」「はかない美しさ」「哀愁」です。朝に開花して、夕方には花を落としてしまう性質から「はかない美しさ」や「哀愁」という花言葉がついたといわれています。
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ヒメシャラは、ナツツバキの中でも小ぶりの品種です。樹高が低いため、花壇の寄せ植えや切り花にも利用されています。
花色 | 白 |
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樹高 | 3m〜5m |
庭木・植木:ピンクシャラの木(桃花夏椿)シャラノキ 桃花
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桃花夏椿は、白色の花弁に薄いピンク色の斑点が入る品種です。「ピンクシャラ」とも呼ばれており、樹高は120cmほどまで成長します。
花色 | 白にピンクの斑入り |
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樹高 | 120cm |
植え付け時期 | 1月〜3月 |
植え替え時期 | 2月〜3月 |
肥料の時期 | 2月〜3月、6月〜7月 |
剪定の時期 | 2月〜3月、12月 |
花が咲く時期/開花時期 | 6月〜7月 |
ナツツバキは、地植えでも鉢植えでも育てられます。地植えで育てる場合は、樹高が15mほどまで大きく成長するため、広いスペースを確保してから植え付けてください。小さく剪定しながら育てれば、鉢植えにして室内での栽培も可能です。鉢が倒れてしまわないように、重みのある鉢を使用しましょう。
ナツツバキは、日当たりと風通しのよい場所で管理しましょう。日当たりの悪い場所で育てると、枝だけがヒョロヒョロと間延びして、樹形が悪くなります。しかし強い西日に当てると株が弱ったり、葉が枯れ込んできたりするので避けてください。室内で管理する場合は、レースのカーテン越しの窓辺に置くのがおすすめです。
ナツツバキは、水はけと水もちのよさを兼ね備えた用土を使用して育てます。市販されている花木用の培養土を使用しても構いません。自分で配合する場合は、赤玉土の中粒と鹿沼土、腐葉土をよく混ぜ込んだ用土を使用してください。
地植えにする場合の用土は?
ナツツバキを地植えで育てる場合は、腐葉土や堆肥をたっぷりとすき込んでから植え付けましょう。用土をよく耕してから植え付けるのがポイントです。
地植えでナツツバキを育てている場合は、完全に根付いてしまえば降雨のみで十分です。根付く前や鉢植えの場合は、土の表面が乾いてから水やりをします。水切れを起こすと、株元から枯れ込んだり、葉が反り返ったりするので注意しましょう。
2月〜3月に、寒肥として油かすや鶏糞などの有機肥料を与えます。また、6月〜7月には花後のお礼肥として、緩効性の化成肥料を与えましょう。
カイガラムシは、名前のとおり貝殻のように硬い甲羅をまとっているのが特徴です。甲羅に守られているため殺虫剤が効きにくく、駆除するには歯ブラシなどを使用して、直接払い落とす必要があります。
灰色カビ病は、カビの菌糸が原因で発生する病気です。感染した部分が灰色の楕円形状に変色し、腐敗が始まると悪臭を放つようになります。光合成が妨げられてナツツバキが枯れてくるため、早めに切り取って処分しましょう。
ナツツバキの苗木は、幹が太く、下葉までしっかりとついているものを選びます。葉の裏側までチェックして、病害虫被害を受けていない苗を購入しましょう。
ナツツバキは、花後に剪定を行います。葉が込み入っている部分や、枝が伸びすぎている部分を切り戻し、樹形を整えていきましょう。
ナツツバキは耐寒性があまり強くないため、地植えの場合は寒さで枯れないように、ビニールやバークチップを利用して、マルチングをしてから冬越しさせます。鉢植えの場合は、冬がくる前に、寒さをしのげる軒下や室内に移動させましょう。
ナツツバキの挿し木は6月〜7月に行います。若くて健康に育っている枝を選び、先端から15cm〜20cmほどの長さで切り取ってください。下についている余分な葉を取り除き、赤玉土などの挿し木用の用土に挿して発根をまちます。
ナツツバキは花後に種子をつけるため、種を採取する場合は立ち枯れるまでそのまま育てます。種子が茶色く熟したら、軽く振って種を採取してください。種は保管せず、採り蒔きすると発芽率が上がります。発芽するまでは、水切れに注意ながら管理しましょう。
「 採り蒔き」とは?
採り蒔き(とりまき)は、種を採取してからすぐに種まきをすることです。やや湿った状態のほうが発芽しやすいため、種が乾燥する前に種まきをしましょう。
出典:写真AC