桜蘭は日本の南部から太平洋諸島、オーストラリアなどの温かい地域に分布するつる性の植物です。桜蘭は品種も多く個性的な花や葉が人気です。
園芸部類 | 熱帯植物 |
形態 | つる植物 |
樹高・草丈 | 30cm~100cm |
花の色 | 白、ピンク |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 普通 |
特性・用途 | 鉢植え、ハンギング |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
桜蘭はつるを長く伸ばし、その先で花を咲かせます。野生の桜蘭は樹木や岩に張り付いて成長します。花や葉の色や形は品種によってさまざまです。
「桜蘭」の名前は花が桜のようなピンク色をしていて、葉が蘭の葉のような形をしているところに由来します。また、桜蘭は別名ホヤ・カルノーサとも呼ばれますが、この「ホヤ」はイギリス人の園芸家の名前が由来です。
桜蘭と呼ばれるものはこのホヤ・カルノーサです。花の色は咲き始めは白く、時間の経過とともにピンク色に変わります。花の中心は紅色で芳香があり、多肉質で星型の小さな花が半球状にたくさん咲きます。葉も多肉質で光沢があり、斑入りの葉は観葉植物としても人気があります。
葉がハート形なのが特徴で別名「ラブラブハート」「バレンタインホヤ」「ハートホヤ」とも呼ばれます。東南アジアが原産で乾燥にも比較的強い品種です。花には芳香があり、その形から「恋が成就する」という個別の花言葉があります。
植え付け時期 | 4月~8月 |
植え替えの時期 | 4月~8月 |
成長の時期 | 4月~11月 |
花が咲く時期/開花時期 | 6月頃 |
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
植え付け 植え替え |
○ | ● | ● | ● | ○ | |||||||
開花期間 | ○ | ● | ● | ○ | ||||||||
肥料 | ○ | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ○ | ||||
成長期 | ○ | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ○ | ||||
休眠期 | ● | ● | ○ | ○ |
桜蘭の植え付けや植え替えの適期は4月~8月です。この時期よりも遅れても大丈夫ですが、桜蘭の耐寒性の低さを考えれば3月以前に植え替えをするのはおすすめできません。
桜蘭を育てる場合は鉢植えがおすすめです。桜蘭を庭植えすると土の中のセンチュウという害虫により枯れてしまうことがあります。初めて桜蘭を育てる場合は鉢植えとして仕立ててあるものや、花が咲いているものを購入すると早く花が楽しめるでしょう。
桜蘭は春~秋にかけてであれば屋外で管理しても問題ありません。耐寒性が弱いので外に出すのは4月以降にし、霜が降りる前に室内に入れましょう。
桜蘭は強い直射日光にあたると葉焼けするので半日陰で管理するのが基本です。室内のレースカーテン越しの光や、少し内側に入れた明るい日陰程度の光、午前中の柔らかな日光を好みます。
桜蘭の用土は清潔で水はけのよい土が適しています。センチュウがいる可能性があるので庭の土や他で使った土は使用しないでください。市販の草花用や観葉植物用の用土を使うと、管理も簡単なので初心者におすすめです。
桜蘭は葉が多肉質で水を蓄えるため、水やりは頻繁でなくてよいです。春~秋の成長期には鉢の土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。夏場には葉に直接霧吹きで水をかける「葉水(はみず)」も一日一回を目安に行いましょう。冬の休眠期には土の表面が乾いてから2~3日たってから水をたっぷり与えます。
桜蘭は基本的に肥料がなくても問題ありません。与える場合は、春~秋の成長期に緩効性の化成肥料を2ヵ月に1回のペースで与えましょう。休眠期である冬には肥料は与えません。
桜蘭の主な害虫予防は風通しをよくすることです。また屋外では防虫ネットで害虫を防ぎましょう。カイガラムシの幼虫やアブラムシは発生したら薬剤で駆除できますが、カイガラムシの成虫には薬剤がきかないので歯ブラシなどで取ってください。
桜蘭の病気は特にありませんが、害虫が病気を媒介することがあるので害虫対策をしっかり行いましょう。
花後にしなければならない管理は特にありません。花が咲いた場所を切らないようにするため、剪定は花後に行いましょう。
桜蘭の苗を購入するときに病害虫がついていると苗が枯れるばかりでなく他の植物も枯れることがあるので健康な苗かどうかをよく確認しましょう。
桜蘭の植え替えの適期は5月~7月です。雨の日は株が余計な湿度を吸ってしまうので晴れた日にしましょう。新しい鉢は前の鉢より一回り大きな鉢を用意します。他には鉢底ネット・鉢底石・新しい用土が必要です。手順は植え付けのときも同じで以下のとおりです。
桜蘭の花は1m以上伸びたつるの先に咲きます。そのためできるだけ剪定はしないほうがよいです。花は一度咲いた同じ場所に咲くので、その場所を切ってしまうと花は咲きません。枝が込み入ってくるなどどうしても剪定が必要であれば、花後に勢いが弱いつるを切る程度にしましょう。
桜蘭の夏越しのコツは直射日光を避けることです。遮光ネットを使って遮光したり、日陰に鉢を移動したりして直射日光による葉焼けを防ぎましょう。夏の水やりは朝昼に与えると鉢内の温度が上がって根が焼けてしまうので、夕方を過ぎてからにしてください。活力剤を1000倍に薄めて2~3回の水やりに1回程度与えると植物の夏バテ防止になります。
桜蘭は寒さに弱いので気温が15℃を下回るようになったら、屋外で管理しているものも室内に入れましょう。霜には当てないようにしてください。早春までは日当たりのよい窓辺で管理するのがおすすめですが、夜など気温が下がるときは窓辺から少し離して寒さに当てないようにしましょう。エアコンや暖房の風が直接当たらないようにしてください。
桜蘭の花が咲かない主な原因は、剪定のときに花が咲くところを切り取っていることと日照不足が考えられます。対処法は、できるだけ剪定をしないことと、日照時間をしっかり取ることです。そのためには葉焼けしない程度の柔らかな日差しに積極的にあてることが大切です。特に冬の間の日照は次の開花に影響するので、意識して日光に当てましょう。
桜蘭の一般的な増やし方は挿し木で、適期は5月~9月です。剪定にときに切ったつるを利用するのが効率のよい増やし方です。用意するものは、桜蘭のつる(枝)2節程度・コップなどの水を入れておけるもの・小さめの鉢・鉢底ネット・鉢底石・挿し木用の土です。手順は以下のとおりです。
出典:写真AC