はじめに
桜でもなければ、蘭でもない、不思議な観葉植物サクララン(ホヤ)は、甘い香りでかわいい花を咲かせる観葉植物です。ぷっくりと多肉質な葉っぱは、品種によってさまざまなバリエーションが楽しめます。
サクララン(ホヤ)の特徴
特徴①葉を楽しむ観葉植物
葉っぱに水分を溜め込み、ぷっくりと多肉質な葉が、観葉植物サクララン(ホヤ)の特徴です。品種が多く葉色や形も、ハート型や丸型から針金のような細いものまで多様です。ついつい集めたくなってしまうほど、観葉植物マニアにも人気があります。
特徴②花も楽しめる観葉植物
サクララン(ホヤ)のポコポコしたつぼみはコンペイトウのようです。ツヤツヤした星型の小花が集まって咲く姿は、手毬のようなかわいらしさがあります。花色は品種によって違い、濃いピンクから薄いピンク、白、黄色、赤系などさまざまです。甘い香りも楽しめます。
特徴③育てやすい観葉植物
観葉植物のなかでも、病害虫に強く水やりも少ないため、サクララン(ホヤ)は手間のかからない植物といえます。水やりのポイントや植え替えのコツを押さえれば、ハンギングや鉢植えにして長く楽しめるでしょう。
サクララン(ホヤ)の基本情報
科名/属名 | キョウチクトウ科(ガガイモ科)/サクララン属(ホヤ属) |
原産地/分類 | 東南アジア・オーストラリア他 原産/つる性多年草 |
草丈 | 30㎝〜 |
開花 | 6〜9月 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑生 | 強い |
育てやすさ | ★★★☆☆ |
サクララン(ホヤ)の花言葉
サクララン(ホヤ)の花言葉は「人生の門出」「人生の出発」です。新しい生活を始める方への贈り物にピッタリですね。ホヤカーリーの花言葉は「幸福の訪れ」「幸福を告げる」で、こちらも大切な方へ贈りたくなる素敵な花言葉になっています。
サクララン(ホヤ)の育て方
「サクララン(ホヤ)が成長しない」「葉が落ちる」「花が咲かない」「植え替えの土は?」など、育て方に困っている方が多いようです。この記事を参考にしてくださいね。
資材メーカー(株)プロトリーフの動画サイト「プロトリーフチャンネル」から、サクラランの育て方・日常管理を簡単に紹介している動画を掲載します。こちらも参考にしてくださいね。
育て方①用土と肥料
用土の配合と選び方
サクララン(ホヤ)は根っこの加湿を嫌うため、水はけのよい土で植え込みましょう。ブレンドする場合は、赤玉土や鹿沼土の小粒〜中粒をメインに腐葉土・ピートモス・パーライトを加えます。市販の培養土では、観葉植物の土に多肉植物の土やサンセベリアの土を半分ほどブレンドすると、軽くてハンギング向きの土を作れます。意外なところでは、山野草の土もおすすめです。水はけがよく肥料分が控えめですが、やや重たいため鉢植え向きです。
肥料のやり方
肥料が必要な季節は、春〜秋の成長期です。株が小さいうちは観葉植物専用の肥料を、つるが伸びてきたら花の肥料を使います。液体肥料は1カ月に2〜3回を目安に、固形肥料は1〜2カ月効くタイプが多く使用量は規定の量を守って使いましょう。たくさんやったから早く伸びる、ということはありません。濃度の高い肥料は、サクララン(ホヤ)の根っこを傷める可能性があり、使用は控えたほうがよいでしょう。
育て方②水やりと葉水(霧吹き)
サクララン(ホヤ)は葉っぱに水分を溜め込む性質があるため、普段から水やりは控えめに行いましょう。根っこの加湿は嫌いますが、ぷっくりとした葉を保つには葉水(霧吹き)が必要です。春から秋の成長期には、葉の表と裏にもこまめに葉水(霧吹き)しましょう。冬場の水やりは間隔を空けて、量も控えめにします。葉の表面にシワがよるくらい、柔らかくなってからでも大丈夫です。耐寒性が弱く根を傷めないように、冬は午前中に水やりをします。
育て方③置き場所と日当たり
サクララン(ホヤ)は日光を好みます。レースのカーテン越しに日光が入る明るい場所で、きれいな葉色を保ちましょう。ただし、夏は直射日光で葉焼けしたり、冷気で傷んだりすることもあるため、夏と冬は窓の近くは避けます。日陰でもそれなりに成長しますが、葉色が悪くなり、ひょろひょろと間伸び(徒長)してしまいます。季節を問わず、明るい室内で育てましょう。
育て方④温度管理と冬越し
サクララン(ホヤ)は耐寒性が低い植物です。冬の室内が10℃を下回らないように、温度管理しましょう。急な冷え込みも危険なため、秋から冬の季節は明るく暖かい場所に早めに移動させてください。寒冷地では、特に冷え込みが厳しい季節には、夜間鉢ごと覆いをかけて保温するといった工夫が必要です。
サクララン(ホヤ)のつるの剪定
つるの剪定時期は秋の9月、サクララン(ホヤ)の花後の大事な手入れです。翌年も同じところに花芽をつけるため、花が咲いたつるは切らずに大切に扱いましょう。切り戻しして増やすのは、春がおすすめです。
サクララン(ホヤ)の品種を紹介!
サクララン(ホヤ)の品種は200種を超えるといわれ、葉色も花色も姿もさまざまです。同じ品種とは思えないかもしれません。かわいいハートホヤから超レアものまで、厳選して14種をご紹介します。レアな品種をお求めの方は、4〜6月ごろ園芸店やネットで探すのがおすすめです。
ホヤカーリー(ハートホヤ)
「ラブラブハート」として、バレンタインやホワイトデーに見かけたことがある人も多いでしょう。多肉ではなくハートホヤを葉挿ししたものです。節がないものは、このままの状態で伸びることはありません。大きくて肉厚な葉がホヤカーリーの特徴です。つるも太くて固めで、誘引は成長期の春〜秋がおすすめです。
ホヤカーリー(ハートホヤ)斑入り
ホヤカーリーの斑入りで、グリーンにイエローが鮮やかな印象を与えます。小さなトレリスやリング支柱に巻きつけても楽しめます。
ホヤカルノーサ
グリーンにアイボリーの斑入りがきれいな品種です。園芸店やネットショップでもよく見かける、もっとも育てやすい代表的なタイプです。
ホヤカルノーサリップカラー
斑入りのカルノーサに濃いピンクの縁取りがリップカラーの特徴です。特に新芽のピンクの発色は見事です。
ホヤカルノーサコンパクタ
ねじれたような葉とギュッと詰まった葉が特徴です。その名のとおりコンパクトな、成長がゆっくりな品種です。
ホヤベラ(セブンスター)
明るいグリーンの葉色と、セブンスター=7輪(もう少し多いことも)咲きの白にピンクの星が入る花を咲かせるのが特徴です。人気の高い品種の1つです。
ボタニ子
次のページでは、ちょっとレアな品種をご紹介しちゃいます!併せて「花が咲かない理由」や「おしゃれな仕立て方」、さらに「増やし方」と「植え替えのコツ」もご紹介しますね!
ホヤマチルダ
ホヤカルノーサとホヤセルペンスを交配した品種です。丸葉が特徴で、花は薄いピンクに赤みの星が入ります。
ホヤセルペンス
ディスキディアのようにも見えますが、ホヤセルペンスという希少品種です。肉厚な小ぶりの丸葉が特徴で、花色はクリームイエローです。
ホヤリネアリス
いんげんのような細長い葉が特徴です。ライトグリーンの葉にクリーム色の花が優しい印象ですね。
ホヤレツーサ
別名「スパイダー」という針金のような細い葉が特徴です。クールな名前とは対照的に、白にエンジの星が入るかわいい花をつけます。
ホヤムルティフローラ(ムルティフロラ)
天の川「ひこ星」やシューティングスターという別名もある、つるにならない低木品種です。
ホヤラクノーサ
刃先がやや鋭く尖った品種です。鮮やかなグリーンの葉色に白花がとても映える希少品種で人気を集めています。
ホヤカーティシー
深いグリーンにシルバーの迷彩柄が特徴の希少品種です。細かな葉がたくさんついて、見応えもある品種といえます。
ホヤロンギフォリア
ホヤロンギフォリアは「チャイナビーンズ」とも呼ばれています。豆のさやのような葉に黒いリップ(縁取り)が特徴の希少品種です。
ボタニ子
「どうして花が咲かないの?」気になる疑問を解消しましょう!
出典:写真AC