ムシトリスミレの花言葉
花言葉は「幸福を告げる」と「嘆きの香り」です。「嘆きの香り」の方は香りで呼び寄せて虫を捕食してしまうことからきた花言葉です。「幸福を告げる」というのは、高山や山野の中で咲く、鮮やかで愛らしい姿はそこにいる人に安らぎを与えてくれるからでしょう。虫も人もこの可憐な姿に騙されてしまうのかもしれません。
食虫植物の世界
ムシトリスミレに捕まった羽虫
食虫植物とは、葉や茎などで虫を捕らえて消化吸収する植物です。食虫植物は光合成で栄養補給をしていますが、そのうえで捕らえた虫を栄養にし、足りない栄養分を補って生育します。窒素やリンなどの栄養分が不足している痩せた土地を生息地にしていることが多いため、虫から栄養分を補うのです。家庭で栽培するときは特に虫を与える必要はありません。ここでは、虫の捕らえ方で分類した4種類の食虫植物を紹介します。
ウツボカズラ
ウツボカズラは落とし穴式(ウツボカズラ科、サラセニア科)の代表です。袋のフタにあたる部分から甘い香りを出し虫を誘い込みます。捕虫袋の中はつるつるで虫は出られず、酸性の消化液で溶かされ消化吸収されます。開花時期は6月~7月です。花言葉は「甘い罠」と「からみつく視線」です。甘い香りで誘惑することや、つるをあちらこちらに伸ばして絡みつき、虫を捕らえてしまうところからきた花言葉です。
ハエトリグサ
はさみわな式(モウセンゴケ科ハエトリグサ属、ムジナモ属)の代表はハエトリグサです。葉の縁に葉のようなとげがあり、とげにある蜜腺から蜜を出して虫をおびきよせます。おびき寄せた虫を葉を閉じて捕まえます。虫は1週間ほどかけて徐々に溶かされ消化吸収されます。開花時期は5~6月です。花言葉は「嘘」「魔性の愛」です。甘い蜜の匂いにだまされてすべてを奪い取られてしまうことからできた花言葉です。
モウセンゴケ
粘着式(モウセンゴケ科モウセンゴケ属、タヌキモ科ムシトリスミレ属)の代表はモウセンゴケです。ムシトリスミレもこの仲間です。葉の表面に粘液を出す腺毛があります。甘い香りで虫をおびき寄せ、粘液で動けなくなった虫を徐々に消化吸収します。開花時期は6月です。花言葉は「詐欺」「不誠実」などです。これも甘い蜜で誘い込んで騙すという意味からきていますね。
ミミカキグサ
袋わな式(タヌキモ科タヌキモ属)の捕らえ方をするの代表はタヌキモやミミカキグサです。タヌキモは水辺に、ミミカキグサは湿地に生えます。これらは地下茎に捕虫のうという器官があり、水中のプランクトンなどを捕らえて消化吸収します。「夢より素敵な現実」です。湿原に咲いた花の美しさから連想されたものでしょう。
まとめ
今回はムシトリスミレについて詳しくご紹介しました。食虫植物という怖い名前がついていますが、虫を食べるのは痩せた土地で生き残ろうとする植物の知恵だったんですね。高山や山野で見かけるムシトリスミレの美しさは、ひとときの癒しを与えてくれることでしょう。ムシトリスミレの栽培は少し手がかかりますが、花が咲いたときの喜びはひときわ大きいはずです。ムシトリスミレの栽培にぜひ挑戦してみてくださいね。
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