ムシトリナデシコとは?特徴・花言葉や育て方をご紹介!食虫植物なの?

ムシトリナデシコとは?特徴・花言葉や育て方をご紹介!食虫植物なの?

ムシトリナデシコ(虫取り撫子)は夏の季節にピンク色の花を咲かせる、とても身近な野草です。「虫取り」と名が付く通り茎のべたべたした部分で小虫を捕まえる特徴があるムシトリナデシコ。食虫植物の仲間なのでしょうか。特徴や花言葉、育て方とあわせて詳しくご紹介します。

記事の目次

  1. 1.ムシトリナデシコって?
  2. 2.ムシトリナデシコの特徴
  3. 3.ムシトリナデシコは食虫植物なの?
  4. 4.ムシトリナデシコの仲間
  5. 5.ムシトリナデシコの育て方
  6. 6.まとめ

ムシトリナデシコって?

ムシトリナデシコの花期は初夏

出典:写真AC

ムシトリナデシコ(虫取り撫子)は5月から7月の夏の時期に、濃いピンク色の花を咲かせる野草です。南ヨーロッパ原産のナデシコ科マンテマ属の一年草で、種で増えます。濃いピンクの花が主流ですが、白花もあり、世界中の温暖な地域のあちこちに分布しています。日本でもほぼ全域に生育し、耐寒性があるため寒い地域でも栽培可能でとても育てやすい植物です。

ムシトリナデシコの基本情報

名前(学名) ムシトリナデシコ(Silene armeria)
原産地 ヨーロッパ南西部
分類 ナデシコ科マンテマ属
分布 日本全土、ヨーロッパ、アメリカ
開花時期 5月から7月

白花も増えてきている

出典:写真AC

こぼれ種で増える野草のムシトリナデシコは繁殖力が旺盛です。海岸や河原、荒れ地でも生育しています。育て方も簡単なので、近年では白花もあちこちで見られるようになってきました。ムシトリナデシコの白花は純白というよりも、薄いピンクが入り混じった白花でやわらかい印象があり、夏の季節にぴったりです。

ムシトリナデシコの別名

Photo by peganum

ムシトリナデシコ(虫取り撫子)の別名はコマチソウ(小町草)、ハエトリナデシコ(ハエ取り撫子)、ムシトリバナ(虫取り花)です。英語の名前はCatchfly(キャッチフライ)で日本名と同じ意味合いですね。学名のSilene armeria(シレネ アルメリア)から、シレネという園芸品種名で流通しているものもあります。

コマチソウの名の由来

「小町」は美人や可愛らしい女性につく名称です。ムシトリナデシコの花は芝桜のようなはっきりした形と、鮮やかな色をあわせもっているので、小町という名がついたのでしょう。江戸時代にヨーロッパから入ってきたものが、野生化して道ばたや川原などあちこちで見られるようになりました。

ボタニ子

ボタニ子

可愛い女性に対して、昔はなんとか小町って呼んでたのよ!

シレネの名の由来

Photo by yto

南ヨーロッパが原産のムシトリナデシコの属名シレネは、ギリシャ神話の神である「シレーノス」から由来しています。シレーノスは酒好きの酔っ払いで、いつも発泡酒の泡にまみれていたそう。ムシトリナデシコの粘着部についた虫が、のたうち回る様子が酔っぱらいに似ていたことからイメージされました。

ムシトリナデシコはせっけん花?

出典:写真AC

ムシトリナデシコを「せっけん花」と呼ぶ人もいます。それはムシトリナデシコの葉や花を、水といっしょにごしごしすると、泡立つ特性があるからなんです。ギリシャ神話のシレーノスの泡だらけな様子を連想させますね。実は同じナデシコ科の野草で、もっと泡立つ種類もあります。昔懐かしい遊びのひとつです。

ボタニ子

ボタニ子

昔、川原でおばあちゃんと泡立てて遊んだことがあるわ!

ムシトリナデシコの花言葉

出典:写真AC

ムシトリナデシコの花言葉は「未練」「しつこさ」「罠」「欺瞞」です。ねばねばの粘液を分泌する特徴と虫取りの特性からついたこの花言葉。花は可憐ですが、花言葉はネガティブな意味が多く、白花のムシトリナデシコには「裏切り」という花言葉もあります。

ピンク色のムシトリナデシコには「青春の恋」という花言葉も

「青春の恋」というさわやかな花言葉もあるピンクのムシトリナデシコですが、青春時代の恋は悪い相手に簡単にひっかかってしまうという隠れた意味合いもあるようです。ムシトリナデシコは見映えもよく鮮やかですが、プレゼントとしては考えたほうがよさそうです。

ムシトリナデシコの特徴

出典:写真AC

原産国がヨーロッパの地中海地方であるムシトリナデシコは乾燥にも耐え、耐寒性もあります。花や葉の特徴について詳しく見ていきましょう。

花の特徴

枝分かれした茎の先に、ピンク色をした1cmほどの小さい花をたくさんつけるムシトリナデシコ。花びらは5枚で、3本のめしべとそれを囲う10本のおしべからできています。花びらの付け根から下のガクは、筒状に伸びているのが特徴です。蝶などの長いストロー状の口をもつ昆虫が、効率的に受粉してくれるような形になっています。

茎と葉の特徴

出典:写真AC

ムシトリナデシコは草丈60cmほどの野草です。葉は楕円形で対になってつき、柔らかくすべすべしています。茎の上方の節にべたべたする茶色い粘液をつけるのが特徴的です。粘液は1センチくらいの長さで、茎にぐるっと一周、分泌されます。葉や茎の表面には白っぽい粉がかかっていてさらさらした手触りです。

ムシトリナデシコは食虫植物なの?

Photo byTkmisaw

食虫植物ではない

虫取り、と名が付く通り茎の粘液でハエやアブラムシなどの小さい虫をつかまえますが、食虫植物ではありません。食虫植物のように虫をつかまえ消化吸収して、栄養を摂取することがないからです。

べたべたの粘液は何のため?

ムシトリナデシコの粘液はアリが花に到達しないようにするため、と考えられています。アリは受粉を効果的に助ける虫ではなく、花を食べてしまったり蜜を盗んでいくだけだったりするので、その妨害をしているのです。地面から上ってくるアリに対してのバリケードの役割を果たしているんですね。

ボタニ子

ボタニ子

ムシトリナデシコの長いガクは蝶に蜜を吸ってもらいたいからなのかも!

そもそも食虫植物って?

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写真:ハエトリソウ

食虫植物は虫を誘い出し、捕まえた虫を消化吸収することで自分のエネルギーに変えている植物のことです。ウツボカズラのように、袋状になった部分に虫を落として消化液で溶かすものや、ムシトリスミレのように葉で挟んで動けなくするものなど多種多様です。ムシトリナデシコは消化吸収しているわけではないので、食虫植物にはあてはまりません。

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ムシトリナデシコの仲間

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