スリット鉢にスリットがある理由は？メリットや植物への効果を徹底解説！

鉢底近くにスリットがつくられている鉢がスリット鉢です。「根はり鉢」と呼ばれているスリット鉢もあり、植物の根が元気に育つ構造をしています。さまざまな大きさのものがあり、形状も円形や角型、八角形のものなどいろいろです。なかには素焼きの商品もありますが、ほとんどがプラスチック製で軽く持ち運びにも適しています。

スリットが作られている理由は、水はけがよくなり新鮮な酸素も供給されるなど、植物にとって多くのメリットがあるためです。スリット鉢は植物によい影響をもたらす構造であるため、生産業者にもよく使われています。スリット鉢の一種「根はり鉢」に「とんでもないポット」と名付けられたものがあります。「とんでもないポット」は園芸愛好家の間ではよく知られており人気の商品です。

植木鉢やプランターなどでは、表土が乾いていても中心部分は湿っているということが多々あります。スリット鉢を利用すると、スリットから余分な水を排出することで、うまく水分をコントロールしてくれるため、鉢の内部は快適な環境に保たれます。

植木鉢の中で大きく成長した植物を、植え替えせずに育てていると、鉢内でいっぱいになった根が旋回しながら伸びる現象が起きます。鉢にあるスリットは、サークリング現象が起きるのを防ぐ役目をしてくれます。

サークリング現象とは、植物の根が酸素や水、伸びる場所などを求めて鉢内をらせん状に回りながら伸びてしまう現象のことです。長く伸びた根が固まってしまうと水分や栄養分を吸収しにくくなるなど、悪影響が出て枯れてしまうこともあります。

スリット鉢をつかうとサークリング現象を防げるため、通常の植木鉢よりも長期間の栽培が可能になり、鉢替えの回数が減少します。

スリット鉢で育てたものは根が密集していないため、鉢替え時に土を落としたり根をほぐしたりする際のダメージを少なくできます。根がかたまらないのは、スリット構造がサークリング現象を防いで根の状態を良好なものにしてくれるためです。

スリット鉢の構造は根が伸びる方向を下へ誘導するようにできているので、根の伸び方が自然の状態にとても近いものになります。そのため、植物が元気に成長します。

スリット鉢を利用した植物栽培では鉢底石を使いません。鉢底石を敷き詰めてしまうと、スリットのある箇所が鉢底石でふさがれてしまうからです。植木鉢の底に入れる鉢底石には通気性と排水性をよくする効果があります。鉢底石を入れることで底の部分に隙間ができて、空気や不要な水が通りやすくなるためです。スリット鉢の場合は、鉢そのものが通気性・排水性にすぐれた構造なので、鉢底石を使う必要がありません。

プラスチック製のスリット鉢であれば安価なので、まとめ買いをしてもそれほど高額になりません。バラで購入するよりもお得でおすすめです。また、鉢替えをする回数も少なくてよいため、同じ鉢を通常の植木鉢よりも長い期間利用できます。スリット鉢はコスパの点でもすぐれています。

スリット鉢の多くはプラスチック製でとても軽いため、鉢植えの移動なども軽々とできます。割れやすくて重い素焼き鉢などと比べると、とても扱いやすいです。

スリット鉢には、土の中にある酸素の入れ替わりを助ける働きがあります。水やりをすると、スリットから不要な水や土に残っていた古い水分などが排出されます。その際、土の中に新たな酸素も供給されるのです。水と一緒に新鮮な酸素も与えられるので、植物や根の成長がうながされます。

スリット構造がサークリング現象を防ぎ、植物の根を地植えしたような張り方に近づけてくれるため、成長に悪影響を与える根詰まりの予防に役立ちます。また、排水性にすぐれたスリット鉢を使用することにより根腐れも予防できます。

根が健全に発達し発根数も多くなり、それらすべてがしっかりと用土に入るため、土全体を効率よく利用できます。肥料の吸収もよくなり、花つきや実つきなどによい影響がもたらされる点もスリット鉢による効果です。