スリット鉢の使い方
スリット部の通気を妨げ植物に悪影響が出るため、植え付け時に鉢底石は使用しないといったように、スリット鉢と通常の植木鉢とでは使い方にいくつか違いがあります。
使い方のポイント①網目が細かいネットの利用
スリット鉢では、スリットから虫などが侵入し、卵を産みつけたり新芽などを食べられたりすることがあります。防止するには、土を詰める前の鉢底部に網目の細かいネットを敷くとよいでしょう。
使い方のポイント②土を保水性の高いものにする
排水性・通気性に優れたスリット鉢は、一般的な植木鉢よりも用土が乾燥します。そのため、スリット鉢を利用した植物栽培をするのであれば、保水性の高い土を使うのがおすすめです。大きめの鉢にするのも保水性を高めるのにはよい方法です。
使い方のポイント③土の詰め方を工夫する
鉢の側面や底に近い箇所に、細いすきまがあるスリット鉢では、土を詰めるときに土がこぼれ落ちてしまいます。それを防ぐためには、鉢底にやや大粒の土を入れる方法などがおすすめです。また、水分を含ませた土をしっかり詰めるようにすることでも漏れにくくなります。
使い方のポイント④置き場所に注意
植え付けを終えた鉢は土の上に置かないようにします。土の上に置いてしまうと、スリットから出た根の成長が止まらずに土の中に向かって伸びてしまうことがあるためです。フラワースタンドやポットフィートの利用などがおすすめですが、コンクリートやレンガなどの上に置いてもよいでしょう。
ボタニ子
使い方のポイント⑤水やりは丁寧に
スリット鉢を利用した植物栽培では、水やりの仕方にも注意が必要です。水やりは土の乾き具合を確かめながら丁寧に行いましょう。水を勢いよくかけ過ぎると、スリットから土が流れてしまう恐れがあります。さらに、スリット鉢は、通気性・排水性ともに優れているため、一般的な植木鉢よりも土の乾燥に気を配らなければなりません。水切れの影響が、すぐには出にくい果樹の場合では特に注意が必要です。
使い方のポイント⑥鉢カバーを使わない
プラスチック鉢の見栄えをよくするために、鉢カバーを使いたくなるかも知れませんが、鉢カバーは使わないほうがよいです。鉢カバーで周囲をおおってしまうと、スリットの効果をいかせなくなります。
使い方のポイント⑦強風対策が必要
プラスチックの軽さはメリットでもあるのですが、鉢が転倒しやすくなるので気をつけなければなりません。高く成長した植物の場合では特に注意しましょう。風が強い日は、テラコッタ鉢のようなものをまわりに寄せておいたり、重石になるようなものを根元にのせたりするとよいでしょう。転倒防止対策をする際にも、スリット部分をふさがないよう配慮が必要です。
スリット鉢での栽培に適した植物は?
スリット鉢を利用すると、草花や観葉植物はもちろん、果樹や深根性のバラなども元気に育ちます。また、蒸れやすく外気温の影響も受けやすい通常のプラスチック鉢では、暑い時期の根腐れが心配ですが、スリット鉢であれば乾燥を好む植物の栽培も可能です。排水性や通気性に優れた構造が、植物の根の張り方を理想的な形に近づけてくれるため、スリット鉢は、あらゆる植物の栽培に適しています。
スリット鉢で植物を育ててみよう!
プロの生産者にも利用されているスリット鉢は、野菜や草花、果樹や多肉植物などいろいろな植物の栽培に適しています。コスパもよいので、植物を栽培する予定があるのであれば、ぜひ活用してみてください。
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ポットフィートとは、鉢をのせるために置く小さな足台です