バコパはステラとも呼ばれる南アフリカ原産の草花です。いろいろな品種のものがあり小さなかわいい花をほぼ1年中咲かせるので、鉢植えや寄せ植え、ハンキングなどに人気があります。丈夫でよく育ち、初心者にもおすすめです。
園芸部類 | 草花 |
形態 | 多年草・一年草 |
樹高・草丈 | 10cm~20cmほど |
花の色 | 白・ピンク・紫・複色 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | やや弱い |
特性・用途 | 開花時期が長い、グランドカバーや寄せ植え向き |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
バコパとは、花径2cmほどの花を秋~春にかけて長期間咲かせるのが特徴の多年草です。花の色は白やピンクや紫で、1枚の花びらが5つに裂けています。葉の形は楕円形で縁にギザギザがあり、葉や茎には細かい毛が生えています。茎が柔らかく地面を這うように伸びるのも特徴の1つです。
「バコパ」は旧属名で現在の属名は「ステラ」ですが、流通名としてはどちらも使われています。属名である「ステラ」は、ラテン語の「星」を意味する「stella(ステラ)」が由来です。花の形が星のように見えることから付けられたとされています。
バコパ・スノートピアは、花径1cmほどの白やブルーの小さな花を咲かせる品種です。発芽数が多いので寄せ植えや単独のハンキングに適しています。
バコパ・スコーピアは、従来のバコパよりも一回り大きな花を咲かせるのが特徴の品種です。花の色は白や薄いピンク、紫などで、中心に濃い色のスポットが入るものもあります。
植え付け時期 | 3月~5月、9月~10月 |
種まきの時期 | 3月~5月 |
肥料の時期 | 3月~11月 |
剪定の時期 | 6月、9月 |
花が咲く時期/開花時期 | 11月~4月頃 |
植え付けに適した時期は、3月~5月と9月~10月です。バコパは春と秋に成長期を迎えるので、この時期に植え付けるとしっかり根付いて、その後もスムーズに育ちます。
バコパは地植えと鉢植えどちらでも育てられます。バコパは暑さや霜に弱いので、地植えするときは西日や霜の当たらない風通しのよい場所を選びましょう。植えるときは苗よりも一回り大きな穴を掘ってそこに植え付けます。複数植える場合は、15cm~20cmほど間隔をあけてください。水やりや肥料は、植え付け後はとくに必要ありません。
寒冷地でバコパを育てる場合は、日当たりや霜よけのため移動のできる鉢植えがおすすめです。鉢植えの場合は、苗よりも一回り大きな鉢を選んで植え付けましょう。植え付け後は水やりや肥料を適度に与え、年に1回植え替えます。
バコパは日光を好む植物です。春と秋は日当たりのよい場所で育てましょう。しかし暑さに弱いので、夏の間は西日が当たらず風通しのよい場所で育てるようにしてください。寒さには比較的強く、日当たりのよい場所なら屋外でも問題ありません。霜が当たると枯れるので、冬は屋内の明るい場所や軒下などに移動しましょう。
バコパは水はけのよい土を好むので、市販の草花用の土や赤玉土(小粒)6と腐葉土4を混ぜたものなどを使います。植え付ける前に、元肥として緩効性化成肥料を適量混ぜておきましょう。
鉢植えの場合は、土が乾いたらたっぷりと水を与えます。ただし、水を与えすぎると根腐れを起こしてしまうので注意してください。地植えの場合は自然の降雨だけで育ちます。水やりの必要はありません。また、上から水をかけると株元が蒸れるため、葉を持ち上げて直接土にかけるようにしましょう。
バコパを植え付けた2週間後に緩効性化成肥料を追肥してください。またバコパは開花時期が長いのでスタミナ切れさせないために、花が咲いている11月~4月の間は、10日に1回液体肥料を与えます。もしくは月1回の置肥を与えるのもおすすめです。
バコパにはアブラムシが発生することがあります。秋~春にかけて新芽につきやすく、養分を吸い取るのでついた部分が枯れることがあります。アブラムシがついたときには、薬剤を使って駆除しましょう。また、アブラムシは湿気が多いと発生しやすいので、風通しのよい場所で管理してください。
気温が20℃~24℃くらいの時期には、オンシツコナジラミという害虫が発生しやすいです。葉の汁を吸うため葉がぐったりし、ときには株ごと枯れる場合もあります。また排せつ物が葉に付着してススがついたように黒くなり、光合成を阻害するため株が弱ってしまいます。オンシツコナジラミがついたら、薬剤などで駆除しましょう。
バコパは丈夫で病気にかかりにくいので特に必要ありません。
花後は花がらをそのままにしておくと、害虫がついたり種を作るために栄養を取られたりして、その後の花付きが悪くなります。枯れた花はこまめに摘み取りましょう。
バコパの種まきに適した時期は、3月~5月です。バコパの種はとても小さく、覆土をすると芽が出にくくなります。そのため、ピートモスやバーミキュライトを入れた育成ポットに種をまき、そのあとはそのままにしておきましょう。水やりも種が流れないよう、受け皿に水をためて与えます。本葉が2~3枚になったら庭や鉢に植え付けましょう。
バコパの苗を選ぶときは、株の大きさや株元や株の中心が蒸れていないかをチェックしてください。株元が蒸れていると弱っている可能性があるので注意しましょう。株が大きなものは根が十分育っており、植え替え後もよく育ちます。バコパは花が次々に咲くので、花がらはついていても問題ありません。
バコパは成長の早い植物で、鉢で育てる場合、そのままにしておくと根詰まりを起こします。根詰まりを予防するため、1年に1回、3月~5月または9月~10月に一回り大きな鉢に植え替えてください。
バコパは切り戻すことで根元から新しい芽が出てきて、さらに大きく育ちます。根元が混み合ってきたら切り戻しましょう。切り戻しに適した時期は6月と9月です。鉢の縁からはみ出した部分と混み合っている部分を剪定します。こんもりとした形に整えると、再び伸びてきたときに形よく育つのでおすすめです。
バコパの草丈が5cm~10cmほどになったら、摘心(茎の先にある新芽を摘み取る作業)を行いましょう。摘心をすると脇芽が左右に生えてきて花数が増え、株も大きく成長します。
バコパは高温多湿に弱いので、夏前に全体の半分くらいまで切り戻し、西日の当たらない風通しのよい場所に移動します。水やりをするときには、上からかけずに葉を持ち上げて根元の土に水をかけるようにしましょう。また、早朝もしくは夕方の涼しい時間帯に水やりしてください。
バコパは比較的寒さに強いので、とくに防寒は必要ありません。ただし、霜や冷たい風に直接当たったり土が凍ったりすると弱ってしまいます。鉢植えの場合は霜や風が当たらず日当たりのよい屋内や軒下に鉢を移動して管理しましょう。
バコパは挿し木(挿し芽)で増やせます。挿し木に適した時期は3月~6月と9月~10月です。株元に近い硬くなっている茎を3cm~4cm切り挿し穂をつくります。赤玉土(小粒)や市販の挿し木用の土を入れた育成ポット挿し穂を挿し、土が乾かないようこまめに水やりをしましょう。根がしっかりと張ってきたら植え替えてください。
バコパのもう1つの増やし方は株分けです。大きくなった株を掘り起こし、茎が均等になるようにナイフで切り分けます。株分けに使用するナイフは切り口から菌が入らないように、きれいに消毒しておきましょう。分けた株は新しい用土に植え付けてたっぷりと水やりして、その後は今までと同じように管理してください。