フィカス・ウンベラータはハート型の大きな葉っぱが特徴的な、人気の高い観葉植物です。明るい葉色がナチュラルな雰囲気のインテリアによくあいます。家庭で育てるなら、バランスのよい4〜10号鉢がおすすめです。
園芸部類 | 観葉植物 |
形態 | 半常緑性高木 |
樹高・草丈 | 30cm〜2m |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 普通 |
特性・用途 | 葉が大きく薄い |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
フィカス・ウンベラータは大きな葉が特徴です。ゴムの木の仲間ですが、葉脈が光に透けて見えるほど薄く、明るい色をしています。まれに幹に小さな緑色の、イチジクのような花をつけることがあります。
植え付け時期 | 4月下旬〜10上旬(真夏を除く) |
植え替え時期 | 5〜7月上旬、9月 |
肥料の時期 | 春と秋 |
剪定の時期 | 春と秋 |
休眠時期 | 11月中旬〜3月中旬 |
フィカス・ウンベラータの植え付け時期は?
フィカス・ウンベラータの植え付けは、真夏を除く成長期の時期ならいつでも可能です。根鉢(鉢から抜いて根と土がまとまった状態)を崩さない鉢替えも同様です。
フィカス・ウンベラータの植え替え時期は?
根鉢を崩して古い用土を入れ替える植え替えは、5〜7月上旬の梅雨明け前か、9月のお彼岸ごろが最適です。1〜2年に1回のタイミングで植え替えします。
フィカス・ウンベラータの栽培適期は春〜秋です。植え付けや植え替えできる期間に幅があり、温暖地ではどちらも適しますが寒冷地では夏前に済ませるとよいでしょう。肥料は剪定したあとや生理落葉で新芽を出したいときなど、タイミングよく与えると効果を発揮します。
フィカス・ウンベラータを大きく充実させるコツ
フィカス・ウンベラータの栽培は、鉢植えです。小さなサイズならハイドロカルチャーや、観葉植物の寄せ植えにしても育てられます。根の成長が早いので、用土がしっかりと入る鉢を選びます。
フィカス・ウンベラータを育てるのは、室内のレースのカーテン越しに日が当たる、明るい場所が最適です。春と秋には屋外での管理も向いています。適度な遮光(20〜40%)で葉焼けを防いで、きれいな葉をたくさんつくりましょう。
成長期のフィカス・ウンベラータは、毎日半日以上日が当たる場所に置きます。日当たりが悪いと葉が黄色くなって枯れ落ちてしまうことがあります。一枚一枚の葉が大きくなるので時々鉢を回して、まんべんなく日が当たるようにするのがポイントです。
どうすれば黄色くなった葉が元に戻るの?
フィカス・ウンベラータの葉が一度黄色くなってしまうと、元に戻ることはありません。原因は日照不足、肥料過多、低温障害などが考えられます。問題を解消してしばらく様子を見ましょう。
フィカス・ウンベラータを育てる用土は、市販の観葉植物の土が最適です。用土を配合する場合は、赤玉土の小〜中粒3:鹿沼土3:pH調整済みピートモス3:パーライト1の割合をおすすめします。土質を水はけと通気性がよくて、ほどよく水持ちのよい、中性に近い弱酸性に整えましょう。
鉢からコバエが湧いてきたらどうすればいい?
長く植え替えせずに育てていたり、土を湿らせ気味に管理していると、コバエが湧いて困ることがありますね。まずは殺虫剤をスプレーしましょう。ガスで植物が傷んで枯れてしまわないように、枝や葉にはかけず土の表面にだけかけます。週に1回のペースでコバエがでなくまるまで、2〜3回続けます。室内で長く管理する観葉植物には、高温で殺菌処理された品質のよい用土を使うのがおすすめです。
フィカス・ウンベラータの苗の選び方のポイントは、葉の色ツヤがよく葉の数が出揃っていることです。苗に病気や害虫の発生がないかも、よく確認しておきましょう。
フィカス・ウンベラータの水やりは、用土がしっかりと乾いてから、たっぷりと与えます。水やり後は受け皿の水を捨てて、通気性を保つのがポイントです。1年を通して葉に霧吹きする葉水をしましょう。ミネラルを含んだ活力液を加えた水で、葉裏にも霧吹きするのがおすすめですよ。葉水はハダニなどの害虫予防にも効果があります。
フィカス・ウンベラータの肥料は、観葉植物の肥料を与えます。固形肥料は春と秋に、液体肥料や活力液は春〜秋に1週間〜10日間に1回のタイミングです。春の肥料は新芽をたくさんつくり、秋の肥料は生理落葉を防ぎます。肥料にはないミネラル類を含む活力液は、葉の色ツヤをキープするのに効果的です。
フィカス・ウンベラータの栽培で気をつけたい病気は、特にありません。アブラムシなどの害虫が媒介するウイルス性の病気に気をつけましょう。
フィカス・ウンベラータの栽培で気をつけたい害虫は、アブラムシ・ハダニ・カイガラムシです。購入するときに新芽や葉裏をよく確認しましょう。見つけたら早めに捕殺して、殺虫殺菌剤を散布すると駆除と予防が同時にできます。室内〜屋外に移動するときに、スプレーしておくと安心ですね。
フィカスウンベラータの植え替えは5〜6月が最適です。暖かい地域では9月でも問題ありません。1〜2年に1回のタイミングで行います。
なんとなく元気がなくなってきたら、植え替えしたほうがいいの?
株の状態がよくないときに植え替えをするのは、間違いです。まずは元気がない状態になった原因を、解消してあげましょう。日照不足・肥料の過不足・水のやりすぎ・根詰まり・温度の低下など、原因はひとつではないこともあります。もし根詰まりしていても、適期以外の植え替えはやめて、一回り大きくする鉢増し程度にして様子を見ましょう。
成長点を切って高く伸びるのを抑えるのが摘心で、混み合った枝を切って整理するのが剪定です。日当たりや管理のしやすさから、室内では2mまでで摘心しましょう。摘心や剪定すると切ったわきから枝数が増えていきます。春の植え替え時期に剪定して、バランスよく整えます。
フィカス・ウンベラータはゴムの木の仲間で、剪定すると白い樹液が出ます。肌につくとかゆみやかぶれ、インテリアや衣類はシミになるので、葉や枝を剪定するときにはビニール手袋を付けて、子どもやペットが口にしないように注意が必要です。
フィカス・ウンベラータの冬越しは、室温を10℃以上に保って昼間は日が当たる場所に置きます。屋外で管理している場合には、気温が20℃を下回るころに室内に取り込みます。寒さで葉が枯れ落ちてしまっても、春に新芽が出てくるのでそのまま管理を続けて大丈夫です。室温が高く冬も新芽が出る場合には、液体肥料を与えます。
フィカス・ウンベラータの増やし方は、挿し木です。時期は6月ごろが最適です。剪定した枝を活用して、ミニ観葉作りが楽しめますね。
挿し木以外の増やし方が、環状剥皮による取り木です。時期は6月ごろが最適です。徒長してしまった株を、バランスよく仕立て直せます。
出典:写真AC