ブルーサルビアは、サルビアと同じシソ科サルビア属の仲間です。青や青紫色の花を咲かせる北米原産のサルビア・ファリナセアのことをいいます。日本には昭和初期に伝わり、化粧サルビアと呼ばれていました。一見ラベンダーのように見えますが、ラベンダーより少しだけ日本の高温多湿に耐えやすく、初夏から秋にかけて涼しげな花色を楽しませてくれます。
園芸部類 | 草花 |
形態 | 多年草 |
樹高・草丈 | 30cm~70cm |
花の色 | 青、青紫、白、複色 |
耐寒性 | 霜に弱い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 花壇、寄せ植え |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
ブルーサルビアの花の付き方は、浅紫色の長く伸びた茎の上部に小花が密集する輪散花序です。花の形は上下に分かれた唇形で、萼(がく)はフェルト状の毛でおおわれ、白い粉をふいたように見えます。葉は対生に付き、下の方ほど幅広の楕円形で縁にゆるやかなギザギザが入ります(ギザギザのない個体もあります)。
ブルーサルビアは冬に地上部が枯れ、根茎で冬越しする多年草です。半耐寒性で、霜に当たり続けると越冬できないことがあるため、寒冷地では一年草として扱われがちです。
サルビアはラテン語で「健康」を意味する「salvus」が語源といわれています。英語化するとセージで、ブルーセージまたはメリー・ブルーセージとも呼ばれます。
ファリナセアは「粉をふく」、メリー(mealy)は「粉状」の意味です。これらの名前は、萼(がく)部分が粉のように白いことに由来します。日本で化粧サルビアの名が付いたのも同じ理由です。
サルビア・ファリナセア・ビクトリアブルーは、端正な立ち姿と濃い青色が美しい人気品種です。やや高性で、花壇の後方に植えると映えます。
サルビア・ファリナセア・ストラータは、白と青の複色が特徴です。ブルーサルビアと呼ばれますが、ファリナセアには白色やバイカラー品種もあり、夏の花壇に清涼感をもたらしてくれます。
植え付け時期 | 5月 |
剪定の時期 | 8月 |
開花時期 | 6月~11月 |
ブルーサルビアは、桜の季節が終わって暖かくなってから植え付け作業を始めるのが適しています。暖地なら4月中旬、その他の地域は5月頃が適期です。
ブルーサルビアは鉢植え・庭植え、どちらでも育ちます。寒冷地では、鉢植えのほうが冬越ししやすいです。大きなプランターに植えて、草丈の低い花との寄せ植えも可能です。単体で植えるなら、摘心して横に広く育てましょう。
庭植えは、スペースがあれば異なる花色のサルビアと植え合わせても素敵です。赤いサルビア・スプレンデンスや水色のサルビア・アズレアなどとひと固まりずつ、あるいは列ごとに植えると見映えがします。また、青系と白でまとめると涼しげです。
ブルーサルビアは日当たりと風通しのよいところで育てましょう。日差しがあると花芽がよく付きます。できれば、西日を避けられる場所が望ましいです。
ブルーサルビアは、水はけのよい土地に植えてください。土地が硬ければよく耕して腐葉土を混ぜて調整します。鉢植えには、ハーブ用培養土か草花用培養土を使うのもよいでしょう。赤玉土と腐葉土を6:4程度に混ぜ合わせた土でもかまいません。
鉢植えは、土の表面が乾いたら水やりします。庭植えは、基本的には水やり不要ですが、しばらく雨が降らないときは水やりしてください。夏場は、涼しい時間帯に水を与えましょう。
植え付け時に、元肥として緩効性化成肥料を施しておきます。追肥は、生育~開花期に、月に1回ほど置き肥します。鉢植えには液肥を与えてもかまいません。その場合は、薄めの液肥を月に3回が目安です。夏場は追肥しないようにします。
害虫はそれほど寄ってきませんが、乾燥が続くとハダニがわくことがあります。乾燥させないように、霧吹きスプレーなどで葉水して予防しましょう。
かかりやすい病気は特にありません。夏場に弱らせないように気をつけましょう。
花後は、枯れた花がこぼれてひょろっとした茎が残ります。下の葉のあたりで切り戻すと、新しい芽が育ってきます。
育苗ポットに種をまき、軽く覆土して水やりします。サルビアの種は好光性なので、土をかけすぎないようにします。発芽するまで乾かさないように管理し、本葉が7枚ほど出てから植え付けてください。
苗から育てる場合は、葉の色が濃く、茎のしっかりした苗を選んでください。春先にポット苗が出回ります。
鉢植えは、根詰まりを避けるために1~2年に1回植え替えてください。古い土をふるい落とし、新しい用土で植え替えます。庭植えは、植え替える必要はありません。
ブルーサルビアは比較的暑さに強いですが、高温が続くと弱って花芽が付きにくくなります。夏前に半分ほどの位置で切り戻して株を休ませ、秋に再び開花させましょう。
開花時期が終わると、葉が枯れてきます。枯れ終わったら株元から5cmほどの位置で剪定しましょう。暖地はそのままで冬越しできます。霜が頻繁に降りる地域では、落ち葉や腐葉土、バークチップなどでおおって冬越しします。寒冷地では、カバーをかけるか掘り起こして鉢上げしましょう。鉢植えは、霜の当たらない軒下などに取り込んでください。
増やし方は、挿し木(挿し芽)がおすすめです。花後に切り戻した茎を使ってもかまいません。元気のよい茎で挿し穂を作ります。小玉赤玉土か市販の種まき・挿し木用土に挿しましょう。
出典:写真AC