へデラは、ヨーロッパやアジアが原産の常緑性多年草です。暑さや寒さに強く、いつでも美しい葉が楽しめるため、花壇の寄せ植えだけでなく、グランドカバーや観葉植物としても人気があります。
園芸部類 | 観葉植物 |
形態 | つる性 |
樹高・草丈 | つるは10m以上伸びる |
耐陰性 | 強い |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 花壇の寄せ植え、ハンキング仕立て、グランドカバー |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
へデラは、つるを長く伸ばしながら成長するのが特徴です。ハンキング仕立てにして、垂れ下がるように茎が伸びる姿を楽しんだり、グランドカバーにしたりとさまざまな育て方ができます。支柱や針金を利用して、自分好みの形に誘引する育て方もおすすめです。
雪ほたるは、黄緑色の葉に白色の美しい斑が入る品種です。へデラの品種の中でも、葉が丸みを帯びているのが特徴で、真っ白なほたるが葉にとまっているようにみえる様子から「雪ほたる」と名付けられました。
へデラ・サークは、鮮やかな緑色の葉をたくさんつける品種です。ハート型の葉に、葉脈の模様がはっきりと出るのが特徴で「ハート・アイビー」とも呼ばれています。
植え付け時期 | 4月〜10月 |
植え替え時期 | 4月〜10月 |
肥料の時期 | 4月〜5月、9月〜10月 |
剪定の時期 | 4月〜11月 |
挿し木の時期 | 4月〜5月、9月〜10月 |
へデラは地植えでも鉢植えでも育てられます。耐陰性があり、他の植物が育ちにくいような半日陰でも成長できるのが魅力です。地植えで花壇の寄せ植えにする場合は、地面を這うように成長するので、ほかの植物より前面に植え付けましょう。鉢植えの場合は、茎が長く伸びる性質を利用して、ハンキング仕立てにするのも人気です。
へデラは比較的丈夫な植物のため、場所を選ばず育てられます。しかし、直射日光に長く当てると葉焼けを起こして枯れる恐れがあり、真夏日は半日陰で管理するのがおすすめです。また寒さに強いですが、雪や霜が当たると葉が傷んでしまうため、地植えの場合はマルチングをしてから冬越しさせましょう。
へデラは、水はけと水もちのよさを兼ね備えた用土で育てます。ホームセンターや園芸店で市販されている「草花用培養土」や「観葉植物用培養土」を使用しても構いません。自分で配合する場合は、赤玉土と腐葉土を混ぜ込んだ用土を使用してください。
へデラを地植えで育てている場合は、降雨のみで十分なため水やりの必要はありません。しかし、夏に雨が全く降らず地面が乾燥しすぎているようならば、様子を見ながら水を適量与えてください、鉢植えの場合は、土の表面が乾いてから、鉢底から水が流れ出る程度にたっぷりと水やりをします。へデラは水を好むため、定期的に葉水をするのもよいでしょう。
4月〜10月の成長期にかけて、肥料切れを起こさないように管理しましょう。規定の分量に薄めた液体肥料を1カ月に1回株元に与えてください。室内で観葉植物をして育てている場合は、観葉植物用の固形肥料や化成肥料を使うと、コバエの発生を予防できます。
アブラムシは年間を通して発生しやすい害虫です。へデラの成長に必要な栄養分を吸汁してしまうため、発見が遅れるとへデラが枯れる恐れがあります。光り物が苦手な性質を利用して、園芸用のシルバーテープを張り巡らせておくと予防が可能です。カイガラムシは殺虫剤が効きにくいので、見つけたらすぐに歯ブラシなどを使って払い落としてください。
炭そ病は、梅雨時期などにカビが原因で発生します。感染した部分が白色や褐色に変色するのが特徴で、光合成ができなくなり、へデラが枯れる病気です。放っておくと腐敗が始まり、悪臭を放つようになります。感染した部分は薬剤を散布しても治せないので、ほかの部分への感染を防ぐためにも早めに切り取って処分しましょう。
へデラをポット苗の状態で購入する場合は、葉がみずみずしく、新芽がたくさんついている苗がおすすめです。葉の裏側までしっかりとチェックして、病害虫被害を受けていない苗を選びましょう。
地植えでへデラを育てている場合は、植え替えの必要はありません。鉢植えやハンキング仕立てで育てている場合は、根詰まりを防ぐために2年〜3年に1回は植え替えます。根についている古い用土を落としてから、ひと回り大きな鉢に植え替えましょう。
成長期にあたる4月〜11月にかけて、こまめに剪定しながら育てましょう。伸びすぎている茎や、葉が込み入っている部分を切り戻し剪定してください。
へデラは挿し木で簡単に増やせます。挿し木に適した時期は4月〜5月か9月〜10月のため、剪定で切り落とした茎を使用するのも可能です。先端から10cmほどの長さで切り取り、赤玉土などの挿し木用の用土に挿していきましょう。また、へデラは水耕栽培も可能です。挿し穂を水に挿しておくと10日ほどで発根するので、そのまま育てても構いません。
出典:写真AC