ハニーサックルの育て方!剪定と誘引で枯れない華やかな庭づくり | 植物図鑑

学名Lonicera periclymenum
和名スイカズラ(吸葛)
別名金銀花、吸い花、蜜花、忍冬(にんどう)、ロニセラ
英名Honeysuckle、Woodbine
科・属名スイカズラ科スイカズラ属
原産地北半球の温帯
花言葉愛の絆、献身的な愛、友愛

ハニーサックルの概要

基本情報

園芸部類 常緑(半常緑)性低木
形態 つる植物
樹高・草丈 3~5m
花の色 白、黄色、ピンク、オレンジなど
耐寒性 強い
耐暑性 強い
特性・用途 鑑賞用、フェンス、アーチなど
栽培難易度 ★☆☆☆☆

特徴

ハニーサックル(吸葛)は名前のとおり、花に甘い蜜のあるつる植物です。暖地では冬でも枯れずに葉をつけ続けることから、忍冬(にんどう)とも呼ばれます。個性的な花姿も魅力的ですが、甘い香りが強いので香水やアロマでも人気です。また、花や茎葉は薬用や食用に用いられます。山野に自生するほど生育旺盛で、フェンスやアーチに絡めてボリュームたっぷりに育てられます。

ハニーサックルの代表品種・種類

①金銀花

日本で自生しているのは、主にこの金銀花です。咲き始めは白く、徐々に黄色へと変化していきます。ジャパニーズ・ハニーサックルとして、日本国内よりも海外で人気があるようです。

②ゴールドフレーム

ゴールドフレームはハニーサックルの仲間の中ではコンパクトサイズで、香りも弱めですが、花の数が多いのが特徴です。外側が濃いピンク、内側がオレンジ色の鮮やかな花が咲きます。

ハニーサックルの育て方①時期

植え付けから開花までの時期

植え付け時期 3~4月、9~10月頃
種まきの時期 3~4月、9~10月頃
挿し木の時期 6~8月頃
強剪定の時期 11~2月頃
開花時期 4~8月頃

栽培スケジュールカレンダー

時期1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
植え付け
植え替え
肥料
開花時期
種まき
挿し木

栽培適期は?

サニーサックルは花後の10月頃にまいた種を育苗し、3月頃に植え付けると春夏にどんどん成長します。根詰まりしてしまうので、鉢の植え替えは毎年、植え付けの1年後にしましょう。

ハニーサックルの育て方②栽培環境

栽培方法

ハニーサックルの植え付けは、春か秋に行います。鉢植えの場合は苗より一回り大きいサイズの鉢に、地植えの場合は苗より一回り大きい穴を掘って、根鉢を崩さずに植え付けます。ハニーサックルはつる性なので、初めから支柱を立てて誘引しやすくしておきましょう。

育てる場所

室内・屋外

小さく切り詰めて盆栽のように仕立てる場合もありますが、ハニーサックルは生育旺盛なので、屋外でのびのび育てたほうが向いています。

置き場所・日当たり

ハニーサックルは日陰でも育ちますが、日当たりのよいほうが花付きがよくなります。西日にも耐えられるほど丈夫です。風通しと水はけがよい場所で、冬の強風と夏の乾燥に気を付けて育てましょう。

用土

ハニーサックルは用土を選びません。しかし、水はけがよいほうが育てやすいので、地植え・鉢植えともに、土や培養土に腐葉土や堆肥を少し混ぜるとよいでしょう。

ハニーサックルの育て方③管理のポイント

水やり

根が定着した後の水やりは、降雨のみで十分です。鉢植えの場合は表面の土が乾いたとき、地植えの場合は暑く乾燥が続くときに、涼しい時間帯にたっぷり水やりをしましょう。

肥料

地植えの場合、肥料はほぼ必要ありません。鉢植えの場合は、2~3月に緩効性肥料を施します。様子を見て必要ならば、生育期に薄めた液体肥料を与えましょう。

病気対策

ハニーサックルは丈夫なため、特に心配する病気はありません。

害虫対策

ハニーサックルにはつきやすい害虫はいません。しかしアブラムシやハダニがつく可能性もあるため、注意しましょう。

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ハニーサックルの育て方④詳しい栽培方法

種まき

9~10月頃に市販のハニーサックルの種、または黒く熟した実からとった種を育苗箱にまきます。発芽するまで水やりを欠かさず、日陰で管理しましょう。芽吹いたら間引きし、春に元気な苗を鉢に移して育てます。

苗の選び方

ハニーサックルは苗から育てることが多い植物です。市販の苗は根元がしっかりして、葉も色が濃く元気なものを選びましょう。

育苗

ハニーサックルは苗が大きくならないと開花しません。植え付け後2~3年は株をしっかりと成長させましょう。

植え替え

鉢植えで育てる場合、成長とともに根が混んできます。春か秋に一回り大きな鉢に植え替えします。

誘引

ハニーサックルは生育旺盛に伸びていくため、フェンスやアーチなどを使って、仕立てたい形に誘引が必要です。生育初期は、あまり自分で絡みません。麻ひもやビニールタイなどで、つるを固定しましょう。成長するとフェンスなどに、つるで自然に絡むようになります。鉢植えの場合は朝顔のような、あんどん仕立てがおすすめです。

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剪定

生育期の剪定

ハニーサックルを誘引とともに形よく仕上げるには、剪定も必要です。開花前の春先から開花後の秋口までどんどん伸びてくるため、適宜不要な枝を落とし、風通しもよくしましょう。伸ばしたい枝先を切ると脇芽が芽生え、また次々と開花します。

強剪定

全体的な強剪定の時期は、樹勢の落ち着いた秋から冬です。鉢植えの場合は根元から20~30cm残して、地植えの場合は全体の半分の長さまで切り落とします。強剪定をすることで、株元が密になり、花数も増えます。

夏越し

ハニーサックルは夏の日よけに使われるほど暑い日差しにも強い植物で、特に夏越しの管理はありません。ただし、日照りが続くときは涼しい時間帯にしっかり水やりをしてください。

冬越し

ハニーサックルは地域や品種により、落葉または半落葉して冬を越します。忍冬とよばれるほど寒さにも強いのですが、株元が凍るような場合はわらなどでマルチングしましょう。

増やし方

挿し木

ハニーサックルの主な増やし方は挿し木です。6~8月ごろ、その年に伸びた枝を2~3節目で切ります。下部の葉を取り除き、水に数時間付けてから挿し木用土に挿します。風通しのよい日陰で1~1カ月半ほど、発根まで水やりを欠かさずに待ちましょう。

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