「誘引(ゆういん)」とは
誘引とは植物のつるや枝・茎を支柱などに結びつけて、成長する方向や全体の形を整えたり、日当たりをよくして花実の付きをよくしたりすることです。夏野菜などの実物野菜では、枝や茎が重さで折れたり裂けたりするのを防ぎます。誘引は植物の成長するタイミングに合わせて、繰り返し行う作業です。
目的①きれいに整える
枝や茎の間隔や方向を誘引することで、アーチやトレリスなどの資材にバランスよく這わせることができます。植物園や観光地では藤棚やバラのアーチなどが美しく整えられ、訪れた人を楽しませていますが、これも植物の成長に合わせた誘引作業のおかげです。手をかけた分だけきれいな花が楽しめますね。
目的②花実をつけやすくする
植物の枝や茎を誘引して間隔を整えると、葉にまんべんなく日が当たるようになります。しっかりと光合成ができて栄養も行き渡り、花や実をたくさんつけるのが利点です。また、風通しがよくなることで病気や害虫がつきにくくなり、早めに気づいて対処できるのも利点といえます。
目的②枝を支える
家庭菜園で人気の夏野菜や果樹にも、支柱立てと誘引が欠かせませんね。柔らかい茎を支柱で支えたり、実の重さを分散させたりすることで、日当たりもよくなり継続して収穫できる、という利点があるからです。特に成長の早いキュウリやグリーンカーテンは、早めの誘引作業をおすすめします。
誘引する植物とは
誘引作業が必要な植物にはどんな種類があるでしょう。植物の種類と最適な時期、おすすめの誘引資材や仕立て方などをまとめて紹介します。
バラやクレマチスなどの花
誘引して整える花といえば、つるバラ(クライミング ローズ)やクレマチス・朝顔や藤を思い浮かべる方が多いでしょう。剪定と誘引という2つの作業で、花芽を付ける数が違ってきますね。
品種 | 誘引資材と仕立て方 |
---|---|
つるバラ | パーゴラ・アーチ・オベリスク・トレリスなど |
クレマチス | オベリスクやトレリスなど |
木香バラ | ラティスやトレリスなど |
朝顔 | リング支柱、ネット |
藤 | パーゴラや棚 |
ツルニチニチソウ | トレリスなど |
マンデビラ | オベリスクやトレリスなど |
ブーゲンビレア | リング支柱など |
ハゴロモジャスミン | 地植えではトレリス、鉢植えではリング支柱など |
誘引の時期とやり方
上の動画は、つるバラの冬剪定と誘引をわかりやすく解説したものです。アーチ仕立てのバラを冬新芽が動き出す前のタイミングで剪定し、ワイヤーでバランスよく誘引し直しています。クレマチスの誘引はつるの成長に合わせて、しっかり日が当たるように枝の間隔を空けるのがポイントです。
人気のクレマチス・モンタナの育て方は、こちらの記事をどうぞ!
次は「ブドウやキウイなどの果樹」の場合について解説していきます。
出典:写真AC