アロニアは耐暑性・耐寒性ともに優れる植物で、中には-30℃に耐えられる品種もあります。手間がかからず日本の気候においても管理しやすいので、初めて果樹を栽培する人にもおすすめです。
園芸部類 | 庭木、果樹 |
形態 | 低木落葉樹 |
樹高・草丈 | 2~3m |
花の色 | ピンク、白 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 落葉する、初心者にも育てやすい |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
アロニアは北アメリカが原産の低木果樹です。4月頃に小さな花を咲かせ、10月頃には黒または赤色の果実が収穫できますが、とても苦みが強いため生食には向きません。ジュースやジャムに加工することで食べられます。そんなアロニアはアントシアニンや食物繊維を多く含んでいるといわれており、スーパーフードとして注目されています。
アロニアには、むせ返るほど果実に強い苦みがあることから、むせる意味を持つ「Choke」という名前がつけられました。和名の「セイヨウカマツカ」は、日本全国に自生するカマツカの木に似ていることが由来です。
アルブティフォリアは赤い果実が特徴的で、全体的に産毛が生えています。和名にある「セイヨウカマツカ」は、アルブティフォリアのことをさします。オータムベリーやレッドチョコベリーの別名があり、食用よりも鑑賞用としての人気が高い品種です。
メラノカルパは黒い果実が特徴的なアロニアの品種です。果実の色が黒いことから、チョコベリーと呼ばれることもあります。アロニアというとこちらをさすことが多く、ジャムやジュースなどの加工品として親しまれています。
植え付け時期 | 12~2月 |
植え替えの時期 | 12~2月 |
収穫の時期 | 10~11月 |
剪定の時期 | 12~2月 |
花が咲く時期/開花時期 | 4月頃 |
アロニアは夏に成長期を迎えるため、植え付けや植え替えは休眠期にあたる12~2月の間に行いましょう。剪定も、成長が落ち着く休眠期が適期です。落葉するため樹形がわかりやすく、失敗もありませんよ。
アロニアは、地植え・鉢植えどちらでも栽培できます。アロニアを鉢植えで栽培する場合は、2年に1回植え替えて、根が詰まらないように管理しましょう。
アロニアは日当たりのよいところで管理します。耐陰性に優れており、明るい日陰でもOKです。また高温多湿を嫌うため風通しがよいことが重要ですが、風による乾燥も苦手です。とくに強風には注意してください。
アロニアは、水はけと水持ちのよい土質を好みます。地植えの場合は、植え付けの2週間前に赤玉土6割に、腐葉土とピートモスを3割程度混ぜて用土作りをしておきましょう。鉢植えの場合には、野菜用の培養土が便利でおすすめです。
地植えの場合は、根が定着するまでは乾燥に気をつけて水やりをしてください。根が定着するには、およそ2年ほどかかります。根が定着したら、天候に任せて管理します。鉢植えの場合は、土の表面が乾いてきたらたっぷり水やりをしましょう。乾燥しやすい夏時期は、朝と夕の2回水やりをします。
アロニアは、苗を植え付けるときに元肥を施したら追肥がなくても問題ありません。しかし果実の収穫が終わった12月頃に有機質の肥料を与えると、次の実がつきやすくなります。
アロニアは、アブラムシやコガネムシなどの害虫がつくことがあります。これらの害虫は、病気を媒介する可能性があるため、見つけたら早めに駆除しましょう。また、風通しが悪いと害虫がつきやすいです。栽培環境を見直すことも大切ですね。
アロニアは病気に強い特性を持っていますが、まれにうどんこ病にかかることがあります。うどんこ病にかかると光合成ができなくなり、枯れる原因になってしまいます。病気が広がらないうちに対策しましょう。
開花後は受粉をして果実を実らせるので、花がらを摘み取るなどの作業は必要ありません。
アロニアは種を入手するのが難しいので、苗木から育てるのが一般的です。苗は、葉の色があざやかで全体的に元気があるものを選んでください。アロニアには赤い実をつけるものと、黒い実をつけるものがあります。間違わないように、商品タグを確認しましょう。
アロニアを鉢植えで栽培している場合は、2年に1回植え替えてください。根が詰まると枯れる原因になります。休眠期にあたる12~2月の間に植え替えましょう。
アロニアはまとまりよく成長するため、剪定は必要ありません。しかし、枝が伸びすぎていたり風通しが悪かったりするときは剪定してください。外側に広がらないように仕立てるのがポイントです。
アロニアを小さく育てたい場合は、1年に1回、枝の先を切っていくと小さくまとまります。バッサリ切るのではなく、高さを調整しながら少しずつ切っていきましょう。
夏は、アロニアが旺盛に成長する時期です。多湿にならないように気をつけますが、水が足りないと枯れる可能性があります。こまめに水やりをして管理してください。
冬は休眠するため、成長がゆるやかになる時期です。水やりは1週間に1回程度に控えて管理してください。耐寒性が強いので、室内に取り込む必要はありません。
ボタニ子
アロニアの増やし方は、挿し木が簡単です。剪定した枝を6月頃に植え付けと同様の土に挿したら、根が出るまで乾燥に気をつけて管理してください。
冬は落葉するけど、枯れてるわけではないから安心してね!