園芸用土とは
園芸用土は単用土とも呼ばれ、人の生活に欠かせない衣服や寝具のように、植物の成長に大切な役割があります。赤玉土や鹿沼土など用土の名前を聞いたことがあっても、普段のガーデニングで何気なく使っている方も少なくないでしょう。用土の効果や使い方を理解すればもっと簡単に、楽しく植物が育てられるようになります。
培養土と園芸用土の違い
培養土は花や野菜など育てる植物の性質にあわせて、複数の用土を配合してさらに肥料が加えられたものです。園芸用土はその培養土の素になる単一の素材で、いくつかの種類をブレンドして使います。培養土はそのまま使えて便利ですが、余ってしまった場合やうまくいかなかったときに困ることがありますね。用土の役割を生かして、アレンジして上手に使いこなしましょう。
園芸用土の種類と使い方【基本編】
①赤玉土
市販の培養土のベースとしても、よく使われているのが赤玉土です。関東ローム層の火山灰土である赤土を、乾燥してふるいにかけて大きさを選別しています。粒の大きさで大粒・中粒・小粒・細粒・微粒があり、pHは5.0〜6.0で弱酸性の無機質な用土です。ほどよい保水性と通気性があり、水はけもよく植物の栽培に適しています。
焼赤玉
焼き赤玉は赤玉土とは違い、粘土を焼いたものです。ハイドロカルチャーに使うハイドロコーンやセラミスと似た多孔質の素材で、睡蓮鉢の底石としてもおすすめの用土です。
②鹿沼土
鹿沼土は栃木県鹿沼地域で採れる火山灰土で、軽石の一種でもあります。種類には大粒・中粒・小粒・細粒があります。pHは4.0〜5.0で酸性〜弱酸性の無機質な用土です。保水性と通気性があり水はけもよく、色が変わって土の乾き具合を知らせる役割もあります。
硬質鹿沼土・硬質赤玉土
硬質鹿沼や硬質赤玉は、自然乾燥ではなく焼成して選別したものです。高品質で形が崩れにくく、長く育てる多年草やバラにおすすめです。盆栽の土として海外からも注目されています。また鹿沼土や赤玉土の細粒や微粒は、挿し芽・挿し木・種まきに効果的です。
③腐葉土
腐葉土は堆肥の一種で、広葉樹の枯れ落ちた葉を腐熟させたものです。pH6.0〜7.0、弱酸性〜中性の有機質用土で、保水性と保肥性(肥料もち)がよく通気性があります。腐葉土の役割は微生物の働きで、土がフカフカにすることです。
④鉢底石
鉢植えに欠かせない用土が鉢底石です。鉢底石には火山性の天然の軽石と、発泡性の人工の軽石があります。水はけと通気性をよくして、植物の根腐れを防ぎます。水洗いして天日干しすれば繰り返し使えるため、砂利や石ころで代用するのは意味がありませんよ。
基本の用土の使い方
基本用土は水はけの悪い庭の土質改善や、使い終わったプランターの土の再生に効果的です。水はけが悪い土には赤玉土や鹿沼土を2〜3割加えます。プランターや菜園の土には、腐葉土を2〜3割プラスしましょう。観葉植物の土は草花やハーブに、草花の土は野菜や果樹に、用土や堆肥をブレンドして目的を変えて使うことで、連作障害や栄養素のかたよりを防げます。
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