サンシュユの育て方!実の利用方法や剪定のポイントについて解説 | 植物図鑑

学名Cornus officinalis
和名サンシュユ
別名ハルコガネバナ、アキサンゴ、ヤマグミ
英名Cornelian cherries
科・属名ミズキ科サンシュユ属
原産地中国、朝鮮半島
花言葉尊敬、耐久、持続、強健、気丈な愛、成熟した精神

サンシュユの概要

出典:写真AC

サンシュユは春に黄金色に輝く花を咲かせる花木です。中国や朝鮮半島に自生している落葉中高木で、日本には江戸時代に薬用植物として伝わりました。秋には葉が紅葉し、赤い実がなります。この実は、薬用として利用されるだけでなく、果実酒やジャムなど食用としても親しまれています。四季をとおして観賞価値が高く、庭や公園に植栽する花木として人気です。

基本情報

園芸部類 花木、庭木
形態 落葉中高木
樹高・草丈 5~8m
花の色 黄色
耐寒性 普通
耐暑性 強い
特性・用途 庭木、切り花、盆栽
栽培難易度 ★☆☆☆☆

名前の由来

サンシュユは中国名で、漢字では「山茱萸」と書きます。これは秋になる実を「山のグミ」として例えた名前です。この音読みである「サンシュユ」がそのまま和名として名付けられました。また別名として「ヤマグミ」や、赤く熟した実がサンゴに見立てられ「アキサンゴ」と呼ばれることもあります。

特徴

サンシュユは、3~4月に葉より先に花が咲きます。花は5mmほどの大きさで、短い枝の先に花が30個ほど集まって2~3cmの花房を作ります。色は鮮やかな黄色で、とても華やかです。また、秋になる実には滋養強壮など健康を保つ効果があるとされ、古くから生薬や漢方に利用され薬局などで販売されています。

実の食べ方

実にはビタミンCが豊富に含まれています。完全に熟していない実は、渋みや酸味が強いため生で食べるのには向きません。完熟した実は甘酸っぱくなり、生でもおいしく味わえます。生で食べるだけでなく、お茶や果実酒、ジャムなど加工して食べるのがおすすめです。

サンシュユの代表品種・種類

①ショリコ

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ショリコは、ヨーロッパ原産の品種です。家庭果樹として改良されたため、果実は通常のものより2~3倍ほど大きく、味も甘みが強くなっています。果実だけでなく、花も通常よりも大きいのが特徴です。

②金時

金時は、実付きがよい品種です。たくさんの実を食用として利用したい人に適しています。真っ赤な実が鈴なりにつく姿はとても愛らしく、秋の趣があります。

サンシュユの育て方①時期

出典:写真AC

植え付けから開花までの時期

植え付け時期 11~12月、3月
実がなる時期 10~12月
肥料の時期 1~2月
剪定の時期 11~3月
花が咲く時期/開花時期 3~4月頃

栽培スケジュールカレンダー

時期1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
植え付け
植え替え
肥料
剪定
開花時期
実がなる時期

栽培適期は?

サンシュユは3月になると活動を始めるため、その前の落葉期に植え付けをしておくのがおすすめです。寒さが厳しい地域では春植えをしてください。

サンシュユの育て方②栽培環境

栽培方法

サンシュユの栽培方法は、鉢植えと庭植えです。庭植えは、北海道以外であれば栽培可能です。樹高が高く枝を広げて成長するため、シンボルツリーとして庭植えで育てると見栄えがするでしょう。自然樹形を楽しむためには、ある程度スペースがある場所に植える必要があります。樹形を整えてコンパクトに育てる場合は、狭いスペースに植えてもかまいません。

育てる場所

置き場所・日当たり

サンシュユは日当たりのよい環境で育てます。日当たりがよいと、それだけ花色や花付きがよくなります。耐陰性もあるため、半日陰のような場所でも十分育てられます。

用土

用土は、肥沃な土が適しています。庭植えは、掘り上げた土に腐葉土を混ぜて植え付けるとよいでしょう。鉢植えは、赤玉土と腐葉土を等量か、6:4の割合で混ぜて使うのがおすすめです。どちらの場合も、根腐れして枯れないように水はけをよくしておきます。庭植えで水はけが悪い土壌の場合は、高植えにして水はけをよくしましょう。

サンシュユの育て方③管理のポイント

水やり

庭植えは、株がまだ若い間はたっぷりと水を与えます。株が根付いて成長してきたら、降雨のみでかまいません。日照りが続くようなときは水やりをしてください。鉢植えは表面が乾いたら水を与えます。水切れして枯らさないように注意しましょう。落葉する冬の間は、乾かし気味に管理してください。

肥料

サンシュユには、1~2月に寒肥を与えます。緩効性の肥料を株元の周りに埋めましょう。油かすと骨粉を混ぜた有機質肥料などが適しています。また、花後にお礼肥として同様の肥料を与えてもよいでしょう。肥料を与えなくても枯れることはありません。肥料は適量を守って与えてください。

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害虫対策

アオイラガ

サンシュユに発生する害虫は、アオイラガです。初夏にアオイラガの幼虫が葉の裏側を食害することがあります。放っておくと大部分の葉を食害されてしまうため、見つけたら殺虫剤などですぐに駆除してください。イラガの幼虫は、毒針をもっています。刺されると強い痛みを感じ腫れてくるので、捕獲の際は注意が必要です。

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病気対策

サンシュユは、病気には強い花木ですが、風通しが悪いとうどんこ病にかかります。うどんこ病は、うどん粉のような白いカビが発生する病気です。うどんこ病にかかると、葉は光合成ができなくなり枯れてしまうことがあります。剪定をして風通しをよくし、事前に薬剤をまくなどして予防しましょう。

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花後の管理

秋になると枝に実がなります。もしも実が必要なければ、花後に剪定してもよいでしょう。花芽が6~7月にかけて作られるため、それまでに剪定をすませてください。実を楽しみたい場合は、花後の管理は特に必要ありません。

サンシュユの育て方④詳しい栽培方法

出典:写真AC

苗の選び方

サンシュユの苗木は枝葉が多く、幹が太くてしっかりとしたものが元気に育つためおすすめです。また、葉は色が濃くツヤのあるものを選びましょう。苗木が病害虫の被害を受けていないかも、よく観察して選んでください。

植え替え

植え替えは、寒さが厳しい1~2月をのぞいた落葉期が適しています。丈夫な花木で寒い時期を除いた以時期に植え替えても枯れることはありません。植え替えは、2~3年に1回が目安です。古い土を落とし、根先を1/3ほど切り詰めてください。鉢底に元肥として有機質肥料や化成肥料を施します。苗を入れたら、ぐらつかないようにしっかりと支柱で固定してください。

剪定

剪定は落葉期に行いましょう。落葉期は花芽が確認できるため、初心者でも剪定しやすいでしょう。剪定方法は、混みあった枝や余分な枝を間引いて風通しをよくする「透かし剪定」です。長く伸びすぎた枝や、ほかの枝の成長を妨げている枝を切ります。またサンシュユは株元からひこばえが生えやすいため、見つけたらすぐに株元から切りましょう。

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夏越し・冬越し

サンシュユは耐暑性が強く、夏越しに向けての対策は特に必要ありません。また、耐寒性もあるため冬越しも同様です。霜が降りるような地域では、鉢を軒下に移動させて管理するとよいでしょう。

増やし方

挿し木

サンシュユの増やし方は挿し木がおすすめです。6~7月に、勢いのよい枝を2~3節の長さに切り挿し穂にします。下葉は取り除いておきましょう。2時間ほど水揚げをした後、赤玉土や挿し木用用土に挿してください。明るい日陰で管理し、用土が完全に乾かないように注意します。空気の通り穴をあけたビニール袋をかぶせておくと、湿度が保て発芽に効果的です。

種まき

サンシュユは種まきでも増やせます。11~12月に熟した実を収穫し、果肉をつぶして種を採ります。種を乾燥させないように、湿らせた砂と一緒にビニール袋に入れ、春まで冷蔵庫で保管してください。種まきの時期は3~4月です。種を洗って清潔な用土にまきます。1cmほど土をかぶせ、乾かさないように管理しましょう。発芽から開花までには数年かかります。

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