サンシュユとは?
春に黄色く輝く花が目を引くサンシュユは、江戸時代に中国から伝わった庭木です。秋になる実が生薬や漢方に利用できるため、元々は薬用植物として栽培を始めました。今では庭を華やかに彩る、観賞価値の高い庭木としても人気があります。サンシュユとはどのような庭木なのか、詳しくみていきましょう。
基本情報
学名 | Cornus officinalis |
科名 | ミズキ科 |
属名 | ミズキ属 |
分類 | 落葉小高木 |
原産地 | 中国・朝鮮半島 |
樹高 | 5~8m |
開花期 | 3~4月 |
耐暑性 | 強い |
耐寒性 | 普通 |
サンシュユは日本全国に分布し、庭木としてだけでなく、公園樹や街路樹としても植えられています。また、花の時期には切り花にも人気です。
花言葉
「耐久」「持続」「剛健」「気丈な愛」「成熟した精神」「尊敬」
サンシュユの花言葉は、「耐久」「持続」「剛健」「気丈な愛」「成熟した精神」「尊敬」です。これはサンシュユの実が、生薬など薬の用途に利用されることから、「健康」に関する言葉が花言葉になったとされています。また、「気丈な愛」や「成熟した精神」などの花言葉も、身体と心のバランスがとれている状態を表したものです。
ボタニ子
元気になりそうな花言葉ばかりですね。気合いが入ってきました!
種類
薬の用途で栽培されていたサンシュユですが、今では花や実、紅葉など鑑賞目的のための庭木として人気です。品種改良された種類やよく似た種類をご紹介します。
金時
金時は、サンシュユの中でも、特に実がつきやすいものを選抜した品種です。
ショリコ
ショリコは食用に特化された品種です。通常よりも3倍ほど大きな実をつけます。通常の実よりも甘みが強く、生食用として味がよくなっています。
ショリコは、サンシュユと同属の近縁種「セイヨウサンシュユ」が改良されたものです。セイヨウサンシュユは、ヨーロッパや西アジアが原産地です。
ボタ爺
花色や実の利用用途などは、サンシュユと同じじゃよ。
サンシュユの特徴
サンシュユは、「山のグミ」を意味する中国名、「山茱萸」を音読みした名前です。サンシュユの魅力には、どのようなものがあるでしょうか。サンシュユの特徴をご紹介します。
サンシュユの花
サンシュユは、3~4月に若葉が開く前に黄色い花を咲かせます。短い枝の先に、4枚の花びらをつけた5mmほどの小さな花が集まり、2~3cmほどの花房を作ります。木全体に黄色の花をまとった姿は、とても華やかに春を告げてくれるでしょう。開花した姿が黄金色に光り輝いて見えることから、「春黄金花(ハルコガネバナ)」という別名がつけられています。
ボタニ子
1つ1つの花はとても小さいですが、木全体に咲くから黄色く輝いて見えるんですね。春のスタートとして元気をもらえそうです!
ボタ爺
黄色は人を明るく元気にしてくれるポジティブカラーじゃ!サンシュユの花色は黄色のみなんじゃよ。
サンシュユの実
秋にグミに似た赤い実がなります。この赤く熟した実がサンゴに似ていることから、サンシュユは「アキサンゴ」とも呼ばれます。実にはビタミンCが豊富に含まれ、食用として利用できます。
ボタ爺
完全に熟した実は甘酸っぱい味がするが、完全に熟していないと酸味が強く渋い味なんじゃ。
生薬
種を取り除き、乾燥させた実は生薬としても使用されています。効能は、「滋養強壮」「止血」「鎮静」「抗アレルギー」「利尿」などです。かすみ目や腰痛、頻尿などの老化に伴った症状にも効果があります。また、糖尿病や高血圧、全身の倦怠感にも効果が期待できるでしょう。
生薬の効能
- 滋養強壮
- 止血
- 鎮静
- 抗アレルギー
- 利尿
ボタ爺
滋養強壮効果や、アンチエイジング効果が高いんじゃ。わし向きじゃな。
漢方
サンシュユの生薬が含まれた漢方には、「八味地黄丸(はちみじおうがん)」「六味地黄丸(ろくみじおうがん)」「牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)」があります。
サンシュユの葉
サンシュユの葉は、4~8cmほどの大きさで、先が鋭く尖った楕円形です。葉の表面は、葉脈がくっきりと見えて美しく、葉の裏面は薄茶色の毛が生えています。枝に対生し、夏にかけて大きく成長します。秋になれば赤く紅葉するため、季節ごとに楽しめるでしょう。
ボタニ子
同じミズキ科の「ハナミズキ」や「ヤマボウシ」と、よく似た葉をしています。
出典:写真AC