剪定とは?必要な理由と基本〜応用まで見本となる切り方の種類を解説!

剪定とは?必要な理由と基本〜応用まで見本となる切り方の種類を解説!

枝を切る、花を摘むなど庭木の手入れを楽しんでいますか?特に植木を植えると少なからず手入れが必要になります。ここでは初心者の方向けに、剪定をする意味や基本的な植木の伐採の仕方、季節の時期による手入れ剪定方法などを簡単に見ていきます。

記事の目次

  1. 1.剪定とは?
  2. 2.剪定が必要な理由
  3. 3.剪定の時期
  4. 4.剪定の種類
  5. 5.剪定の切り方(枝別)
  6. 6.剪定のコツ(落葉樹)
  7. 7.剪定のコツ(常緑樹)
  8. 8.まとめ

剪定とは?

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当初ガーデニングデザインとして好みの大きさの樹木を植えたとしても、種類によっては大きく成長したり葉が込み入ってきたりします。できればそのままの植木の大きさで維持したいとか、庭木全体の統一感が欲しいとか思いませんか?その手入れのひとつが剪定です。ここでは初心者向けに基本的な剪定の仕方についてまとめました。

剪定の意味

剪定をする意味は、樹木の無駄な枝などを切り、よりよく成長をうながしたり健康を保つためと、大きさや形を整える目的でおこなわれることが多く、特に庭木ではその家の庭の広さや使い方にあわせて整える方法です。また花をたくさん咲かせたいとか、実を大きくしたいなどの意味を込めておこなわれる剪定の仕方でもあります。

剪定と刈り込みの違い

庭木の手入れとして、植木の高さを一定に保ったり形を整えるときに、枝ぶりを整えながら1本1本自然に見せる手入れをしていくことが剪定です。また、庭木の特に低木で枝先を細かく密に仕立てたいときに、全体に伸びた枝や葉先をバリカンなどで一気にカットすることを刈り込みと言います。

剪定例

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剪定とは、風や光を受け入れやすく、植木の自然な形を崩さないように切り仕立てる方法です。なるべく植木の種類や特徴にあわせて切り整え、樹木自体のバランスをみながら、家や庭全体にあうように仕立てたものです。

刈り込み例

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西洋園芸で言うトピアリーに見られるような、枝先を均一に刈り取って植木を丸、四角、壁状に仕上げる方法です。庭木では、生垣の壁仕立てや花壇間仕切り、回廊壁などによく作られています。

剪定と伐採の違い

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伐採のイメージ

初心者の方は伐採と聞くと、街路樹などの高木の枝先をばさばさと切り落とすイメージではないでしょうか?確かに思い切り切ることを伐採と言う人もいます。

剪定は伐採に含まれる言葉

剪定とは木を生かしたまま枝などを切ることで、伐採は木の根本から切り倒し無駄枝なども切り捨て木材をとる意味で使われてきました。伐採とはもともと林業用語で木を切る作業全てを含む言葉で、その伐採技術のひとつに間伐とありますが、それがいわゆる間引き剪定のことです。

剪定が必要な理由

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剪定をしないと、庭木用植木とはいえ、もともと高木の種類の樹木は高さも伸び大きくなります。鉢植えやプランター栽培でない限り、根のはる広さに応じて成長します。また、低木の種類も枝が込みあい自ら内部を枯らし中からばらけていきます。植木を健康に、人々と共存できるように整えるには剪定が必要です。

剪定の時期

フリー写真素材ぱくたそ

剪定の時期は庭木の種類にもよりますが、大きく分けると春と秋になります。春は芽吹きや新枝の出る量や枝向きの手入れ、秋は伸びすぎた枝の整理と冬越しの手助けです。実際には植木の数だけ剪定のよい時期ややり方がありますが、初心者の方はだいたい春と秋と覚えてください。

剪定の種類

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弱剪定

弱剪定とは弱めに切るという意味で、春からの芽吹き新葉の量調整や脇から出る枝の整理など、こまめに全体的に枝ぶりをそろえる剪定のことです。真冬以外の時期関係なくこまめに切る作業のことです。

強剪定

強剪定とは、樹木の大きさをある一定の大きさに保つために、秋から冬にかけて無駄な枝を思い切り切り取るやり方で、全体に大幅な間引きや切り戻しをおこなうことです。

切り戻し

切り戻しとは、来季も花が咲くように花終わりに枝先を切りそろえたり、実を取るために枝先を3分の1ほどつめて切ることです。初心者の方は、伸びた枝をもとの長さぐらいに切り戻すと覚えるとよいでしょう。

剪定の切り方(枝別)

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太い枝の切り方

太い枝を切る道具

直径10cmを超える枝を切る場合、多くはのこぎりを使います。手動でも電動でもかまいませんが、体力があるならチェンソーは早く切れます。ただ、高いところでの作業は脚立などを登りバランスをとるのも難しいので、注意してください。

太い枝を切る方法

切る方法としては、冬前にまずは枝が分岐している膨らみやギザギザの筋(成長線)を見つけます。太い枝をきれいに切るには、2回に分けてていねいに切り取ってください。最初は枝に垂直に切り取り、続けて成長線より少し外側を切ります。このやり方ですと、その後の切り口の巻込みがきれいに仕上がります。

中ぐらいの枝の切り方

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中ぐらいの枝を切る道具

直径5cm前後の枝の場合、小型のこぎりがよいでしょう。また高ばさみの枝切りばさみとのこぎりがついている物があると、脚立を使わず便利です。

中ぐらいの枝の切る方法

中ぐらいの枝は枝の生え際が入り組んでいる場合が多いので、面倒でも手動でていねいに切り間引きます。強制剪定をしなければならないときは、切り方としては太い枝と同じように、木の成長線を切断しないように切り取ります。

細い枝の切り方

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細い枝を切る道具

細い枝の場合は、剪定ばさみを使います。葉物専用の仕上げばさみから直径3cmぐらいまで切れる刃の強い枝切りばさみもあります。切りたい部分によって使い分けをしましょう。バリカンは刈り込み専用です。

細い枝は種類が多く、切り方もいろいろ

枝先切り、刈り込み、間引きといろいろな種類の剪定のほとんどの作業は、細かい枝の剪定です。無駄な脇枝や下向き、交差、重なりのある枝を主枝に沿って切り取ります。根本から出た枝も根分岐で切り取ります。

その他の切り方

手折り

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もみじなどの細い枝を手で折り曲げ切り取ります。昔は折りだめしてふっくら仕上げ秋の紅葉を楽しむ方法もありました。

古葉落し

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松などの細い針状の込み入った葉を手で間引く作業です。切るわけではなくつまみ抜くのですが、これも剪定と言います。無駄な葉を取り除くことで枝ぶりを強調し、すっきりと爽やかな表情を楽しむことができます。

しだれ枝

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枝先がしだれ風になびくようにするには、花物は花後、葉物は葉が枯れる頃枝先をつまみ固く折りたまるところで切ります。高さの欲しい柳などは基本を見守りで時々間引き、高さを決めたら分岐点で強剪定します。

つる植物、伸び枝

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フェンスなどにからませたいときは柔らかい春に支柱などに巻き、分岐させたいところで一度切ります。切り口から枝がたくさん出るので2本選び育て、また分岐させたいところで切ることを繰り返しおこない、ある程度の大きさに仕立てます。秋には3分の2切り戻します。

空洞枝

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竹など節の真上で切ると水が入りません、たくさん横に枝が出るので好みで間引きします。間仕切りや和風庭園では一定の高さで切り詰めます。

その他

枝を切るとその分根も枯れるようで、定期的に剪定をすることでその植木の大きさが決まるとも言います。基本剪定だけでも3〜5年続けるだけで、希望の樹形ができてくると言われています。

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剪定のコツ(落葉樹)

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