マツバギクは低木状に育つ品種や、地面を這うように成長する品種など、約180種類の園芸品種があります。花壇の寄せ植えやグランドカバー、ハンキング仕立てやロックガーデンなど、自分好みの育て方ができるのも魅力の1つです。
園芸部類 | 草花 |
形態 | 多年草 |
樹高・草丈 | 10cm~100cm |
花の色 | 赤、紫、ピンク、白、黄、オレンジ |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 常緑性、開花時期が長い、グランドカバー、寄せ植え |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
マツバギクは、ピンク色や白色の花を咲かせる、南アフリカが原産の多年草です。多肉植物のため、葉や茎に水分が蓄えられており、暑さに強いのが特徴です。咲き姿が菊に似ているので、名前に「菊」と入っていますが、キク科ではなく「ハマミズナ科」に分類されます。
麗晃(レイコウ)は、鮮やかなピンク色の花を咲かせるのが特徴で、マツバギクの代表的品種ともいわれています。草丈が低く、横に這うように成長していくため、グランドカバーにもおすすめの品種です。
白花マツバギクは名前のとおり、透き通るように美しい白色の花を咲かせる品種です。マツバギクの品種の中でも耐暑性が強く、夏の花壇に涼しげな印象を与えてくれます。
植え付け時期 | 3月〜5月、9月〜11月 |
植え替え時期 | 3月〜5月、9月〜11月 |
肥料の時期 | 4月、10月 |
剪定の時期 | 5月〜11月 |
花が咲く時期/開花時期 | 4月〜10月 |
マツバギクは、地植えでも鉢植えでも育てられます。茎を伸ばしてどんどん株が大きくなるため、地植えにする場合は十分なスペースを確保してから植え付けましょう。大きくなりすぎて困る場合は、レンガやブロックで仕切っておくと安心です。鉢植えの場合は、株間を15cm〜20cmほどあけて植え付けてください。
マツバギクは、日当たりと水はけのよい場所で管理します。多湿が苦手で、ジメジメとした風通しの悪い環境で育てると、株が弱ったり、葉が黄色く枯れ込んだりするので注意しましょう。耐暑性が強く、直射日光で多少の葉焼けを起こしても枯れる心配はありません。
マツバギクは排水性の高い用土で育てましょう。市販されている「草花用培養土」や「サボテン用培養土」を使用しても構いません。自分で配合する場合は、赤玉土と腐葉土をよく混ぜ込んだ用土を使用してください。地植えにする場所が粘土質な場合は、川砂や腐葉土をすき込み、水はけをよくしてから植え付けるのがポイントです。
地植えでマツバギクを育てている場合は、降雨のみで十分です。鉢植えの場合は、土の表面が乾いてから水やりをします。水を与えすぎると根腐れを起こし枯れる恐れがあるため、やや乾燥気味に管理しましょう。
マツバギクは比較的丈夫な植物で、肥料を与えなくても問題なく育ちます。しかし株を大きくしたい場合や、花付きが悪い場合には、4月と10月に緩効性の液体肥料を株元に適量施してください。
カイガラムシは、貝殻のように硬い甲羅をもつ害虫です。甲羅に守られており、殺虫剤が効きにくいため、発見したら歯ブラシなどを使用して払い落とすように駆除します。
べと病はジメジメとした時期に発生しやすい病気です。葉や茎の部分に、黄色や褐色の斑点模様が出るのが特徴で、葉の光合成が妨げられ、マツバギクが枯れる原因になります。風通しのよい場所で育てたり、適度に剪定をしたりして予防しましょう。
花後に花がらを放置するとカビが発生しやすくなります。そのため、開花時期には、こまめに花がら摘みを行ってください。
マツバギクは葉が柔らかく、花芽のたくさんついている苗を購入しましょう。株元までしっかりと葉が茂っており、茎の太い苗がおすすめです。
植え替えは、3月〜5月か9月〜11月に行います。根を傷つけないように丁寧に掘り起こし、根についている古い用土を落としてから、新しい用土に植え替えてください。しっかりと根付くまでは、水切れを起こさないように注意しましょう。
植え替えは必要?
地植えでマツバギクを育てている場合は、植え替えの必要はありません。鉢植えの場合は、根詰まりを防ぐために1年〜2年に1回は、ひと回り大きな鉢に植え替えてください。
マツバギクは放任で育てると、茎が伸びて草姿が乱れてきます。開花が終わった茎を株元から切り戻し、草姿を整えながら育てましょう。剪定で切り取った茎は、挿し木にも使用できます。
マツバギクは耐寒性が強く、-20℃まで耐えられるのが特徴です。しかし雪や霜に当たると株が弱ってしまうため、寒冷地の場合はビニールやバークチップを利用して、マルチングをしてから冬越しさせましょう。
マツバギクは4月〜6月か9月〜11月にかけて、挿し木で増やしていきましょう。健康に育っている若い茎を15cm〜20cmほどの長さで切り取り、挿し穂を作ります。赤玉土などの挿し木用の用土に挿し、発根するまでは水切れに注意して、風通しのよい日陰で管理してください。