松葉菊の育て方!切り戻し剪定のやり方や挿し木で増やす方法など!

松葉菊の育て方!切り戻し剪定のやり方や挿し木で増やす方法など!

松葉菊は鮮やかな色の菊のような美しい花が低く広がって咲く植物です。育て方はかんたんで、初心者の方や、忙しくて手間をかけられない方にも難なく育てられます。そんな松葉菊の育て方や挿し芽での増やし方、気になる切り戻し剪定や、水やりのコツなどをご紹介します!

記事の目次

  1. 1.松葉菊とは?
  2. 2.松葉菊の種類
  3. 3.松葉菊の育て方
  4. 4.松葉菊の育て方①栽培環境
  5. 5.松葉菊の育て方②水やり
  6. 6.松葉菊の育て方③用土
  7. 7.松葉菊の育て方④肥料
  8. 8.松葉菊の育て方⑤植え付け
  9. 9.松葉菊の育て方⑥植え替え
  10. 10.松葉菊の育て方⑦切り戻し剪定
  11. 11.松葉菊の育て方⑧病気・害虫
  12. 12.松葉菊の増やし方
  13. 13.まとめ

松葉菊とは?

出典:写真AC

南アフリカ原産の菊にそっくりな花をつける植物です。種類によって耐寒性や花期にちがいがありますが、性質はとても強く、ほとんど手間をかけなくてもどんどん成長するため、グラウンドカバーやロックガーデンなどによく利用されています。つややかな花びらは日光を浴びるときらきらと輝き、あざやかな花色がとても印象的な植物です。

基本データ

学名 Lampranthus spectabilis
英名 Fig marigold
別名 サボテンギク
科名 ハマミズナ科
原産地 南アフリカ
分類 多年草、低木
樹高・草丈 10~100cm
開花時期 4~5月(ランプランサス)
6~10月(デロスペルマ)
花色 ピンク、紫、赤、白、黄色

名前の由来

出典:写真AC

「松葉菊」は、松のような形の葉を持ち、菊にそっくりな花をつけることに由来します。学名の「Lampranthus」は、ギリシャ語の「lampros(輝く)」と「anthos(花)」を合わせたもので、花びらにきらきらとしたつやがあるため名づけられました。また、英名の「Fig marigold」は、マリーゴールドの花に似ていることからきています。

松葉菊の種類

出典:写真AC

現在販売されている松葉菊には、「ランプランサス属」と「デロスペルマ属」があります。もともとランプランサス属のことを松葉菊と呼んでいましたが、耐寒性に優れよく似た姿のデロスペルマ属も「耐寒マツバギク」という名前で販売されるようになりました。ここではこの2種類の特徴をご紹介します。

ランプランサス属

もともと松葉菊と呼ばれていたランプランサス属の植物は、あまり寒さに強くない半耐寒性多年草です。耐寒温度は-5℃程度ですが、暑さや潮に強い性質があります。4~5月頃に咲く花は花色が豊富で、枝分かれしながら上に向かって育ちます。

デロスペルマ属

-15℃の寒さに耐え、「耐寒マツバギク」と呼ばれる耐寒性多年草です。夏の暑さにも強く、花期が6~10月頃と長いため、現在ではデロスペルマ属の方が主流となりつつあります。カーペット状に横に広がって育つので、グラウンドカバーやロックガーデンに向く種類です。よく見かける赤紫の花の「麗晃(レイコウ)」もこちらに分類されます。

松葉菊の育て方

出典:写真AC

「よく目にする丈夫な植物」としてときには放置されがちですが、手をかけて大切に育てたときの美しさは格別です。ここでは健康に、より美しく咲かせるための育て方のポイントや、増やし方などをご紹介します。

松葉菊の育て方①栽培環境

Photo bypdjch66

日光が当たると花が開く性質があるので、半日以上は日の当たる場所を選びます。乾燥を好むので、水はけがよいことも大切な条件です。また、冬はランプランサス属は-5℃以下にならないよう注意し、鉢植えなら室内の日当たりのよい場所に移動させましょう。デロスペルマ属は-20℃程度まで耐えられるので、寒冷地でも地植えできます。

松葉菊の育て方②水やり

Photo byMonikas_Wunderwelt

地植えの場合は自然に降る雨水だけで十分です。鉢植えでは土の表面が乾いた翌日以降に、鉢底から流れるくらいしっかりと水やりします。過湿に弱い松葉菊は、水を与えすぎると葉がぶよぶよになり、枯らしてしまうこともあるため注意が必要です。しかし、極端に乾燥しても成長が止まってしまうので、土や葉の状態をよく観察して水やりしましょう。

松葉菊の育て方③用土

Photo bywalkersalmanac

松葉菊に最適なのは水はけがよい用土です。自分で配合するなら赤玉土6:腐葉土2:パーライト2の割合でよく混ぜ合わせます。パーライトを川砂に代えてもよいでしょう。また、市販のサボテン用培養土や、山野草用培養土も手軽でおすすめです。地植えの場合は庭土に腐葉土や川砂をよく混ぜ込んで、水はけのよい土にします。

松葉菊の育て方④肥料

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痩せた土でもよく育つので、地植えの場合はほとんど必要ありません。鉢植えの場合、3~5月頃と、9~10月頃に1000倍に薄めた液体肥料を月に1度与えてください。また、固形の緩効性肥料なら春と秋に1回ずつ施します。肥料の与えすぎは枯らせる原因にもなるので、少なめを心がけましょう。

松葉菊の育て方⑤植え付け

出典:写真AC

3~5月か9~11月が適期ですが、真夏と真冬を除けばいつでも可能です。地植えでいくつか植える場合は、20~30cmほどの間隔をとって植え付けましょう。鉢植えの場合は、やや小さめの鉢に植えることで土が乾きやすくなり、根腐れを防げます。

松葉菊の育て方⑥植え替え

出典:写真AC

土が劣化したり根詰まりを起こすと花つきが悪くなるので、数年に1度か、根がきゅうくつになったら植え替えます。適期は春か秋で、一回り大きな鉢を用意しましょう。急に大きな鉢に植え替えると、土が乾くまでに時間がかかり、根腐れを起こし枯らせてしまう原因にもなるので注意が必要です。

松葉菊の育て方⑦切り戻し剪定

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ランプランサス属は、花が終わった6月頃に切り戻し剪定を行い、草丈や株の形を整えます。デロスペルマ属はカーペット状に横に広がって成長するので、伸びすぎた部分を切り戻し剪定しましょう。どちらも、すべての葉を切り落とすと枯らせてしまうので、ほどほどに葉を残すことが大切です。また、何年も植えっぱなしで株が衰えてしてしまったら、挿し芽(挿し木)で新しい株を増やして植え替えます。

松葉菊の育て方⑧病気・害虫

病気

出典:写真AC

丈夫で病気や害虫にも強く、適切な環境で育てていればほとんど心配ありませんが、まれに過湿や蒸れが原因で「べと病」にかかることがあります。葉に汚れのような薄黄色の模様があらわれ、だんだん広がり薄茶色に変わっていく病気です。湿度が高いとべとべとになることからべと病と呼ばれます。雨や風で伝染するので、見つけ次第病気の葉を取り除き、薬剤を散布しましょう。

害虫

出典:写真AC

害虫の心配もあまりありませんが、注意するものといえばアブラムシやカイガラムシです。アブラムシに吸汁されると生育が衰え、放置するとウイルスを媒介したり、すす病を誘発することがあるので早めに対処します。また、カイガラムシは成長すると固い殻やロウ質の綿に守られ、薬剤が効きにくくなる厄介な害虫です。排泄物ですす病などを誘発するので、すぐに歯ブラシなどでこすり落とし、薬剤を散布します。

松葉菊の増やし方

出典:写真AC

増やし方は簡単で、初心者の方でも心配ありません。適期は4~6月か9~10月頃で、若い茎を4~5cmほどの長さに切り取り、肥料分を含まない赤玉土や、パーライト、バーミキュライトなどに挿し、明るい日陰で管理します。1か月ほどで発根してどんどん茎が伸びるので、摘心を繰り返して形のよい締まった株に育てましょう。

挿し芽と挿し木の違い

  • 「挿し芽」は草に使うことば。
  • 「挿し木」は樹木に使うことば。
  • 「天挿し(てんざし)」は枝や茎の先端を挿すこと。
  • 「管挿し(くだざし)」は枝や茎の中間部分を挿すこと。

まとめ

出典:写真AC

松葉菊は環境さえ整えてあげれば、どんどん成長してくれるたくましい植物です。あざやかでかわいらしい花が一面に咲き広がれば、見る人に元気を与えてくれるでしょう。たくさん手をかけて咲かせる花も魅力的ですが、ときには、少しのお手入れで楽しめる松葉菊に癒されるのもいいものですね。

melon7
ライター

melon7

植物と虫が共存する健康な庭を目指してます。

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