ヤブランは8月〜10月にかけて、藤色や白色の花を咲かせる多年草です。常緑性のため、いつでも美しい葉を楽しめるのが魅力で、花壇の寄せ植えやグランドカバーなどに利用されています。
園芸部類 | 草花 |
形態 | 多年草 |
樹高・草丈 | 10~40cm |
花の色 | 藤色、青、紫、白 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 常緑性、耐陰性がある、初心者向け |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
ヤブランは、葉が蘭(ラン)の形に似ているため「藪蘭(ヤブラン)」と呼ばれています。葉が密に茂り、ほぼ一年中立派な草姿を鑑賞できるのが魅力です。耐陰性があり、ほかの植物が育ちにくい半日陰でも栽培できます。
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ヒメヤブランは、北海道〜沖縄まで日本中に広く自生している品種です。淡い紫色の小さな花を咲かせるのが特徴で、花後に黒色や紫色の種子をつけます。
花色 | 淡紫 |
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草丈 | 10cm〜20cm |
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コヤブランは、ヤブランの品種の中でも葉が細く、花がまばらに咲くのが特徴です。白色や薄紫色のさわやかな花を咲かせるため、花壇に涼しげな印象を与えてくれます。
花色 | 白、薄紫 |
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草丈 | 20cm〜40cm |
植え付け時期 | 3月〜6月、9月〜11月 |
植え替え時期 | 3月〜6月、9月〜11月 |
肥料の時期 | 3月〜4月、10月〜11月 |
剪定の時期 | 6月〜7月、11月 |
花が咲く時期/開花時期 | 8月〜10月 |
ヤブランは、地植えでも鉢植えでも育てられます。グランドカバーとして育てる場合は、放任で育てるとどんどん広がっていくのが特徴です。ヤブランが生えてほしくない場所には、ブロックやレンガなどで仕切りを作っておきましょう。鉢植えにする場合は、株間を15cm〜20cmほどあけて植え付けてください。
ヤブランは比較的丈夫な植物のため、置き場所はとくに選びません。日当たりのよい場所で管理すると葉がよく茂り、大株に育ちます。半日陰で育てると、葉がまばらに生え、花数が少なく控えめに咲くのが特徴です。
葉が黄色く変色する原因は?
耐陰性はありますが、全く日光が当たらない場所で育てると、葉が黄色く変色したり、茎だけが間延びしたりします。そのため、室内で育てる場合でも、優しく日光の差し込むような窓辺で育てるのがポイントです。
ヤブランは、排水性の高い用土で育てます。市販されている、草花用の培養土を使用しても構いません。自分で配合する場合は、赤玉土の小粒に腐葉土をたっぷりと混ぜ込んだ用土を使用してください。地植えにする場合は、腐葉土や堆肥をすき込んでから植え付けると、株が大きく成長します。
ヤブランを地植えで育てている場合は、降雨のみで十分です。鉢植えの場合は、土の表面が乾燥してから水やりをします。乾燥に強く、1週間程度なら水やりを怠っても枯れる心配はありません。新芽が出る春と、つぼみが膨らみ始める初夏に水をしっかりと与えると、株が美しく育ちます。
ヤブランは元肥として緩効性の化成肥料を混ぜ込んでおけば、基本的には追肥の必要はありません。しかし、株を大きくしたい場合や、花付きが悪いようならば、3月〜4月と10月〜11月にかけて、油かすなどの固形肥料を株元に適量施してください。
ナメクジは梅雨時期に発生しやすい害虫です。ヤブランの茎や葉を這うように移動し、食害しながら成長します。ナメクジが通った部分は、白くてネバネバした液体が残るのが特徴です。ナメクジには塩をかけるイメージがあるかもしれませんが、塩をかけても小さくなるだけで駆除はできません。殺虫剤を散布して、ヤブランが枯れてしまう前に駆除してください。
炭そ病は、湿度の高い時期に発生しやすいカビが原因の病気です。葉や茎の部分に感染し、灰色や褐色の斑点状に変色します。感染した部分がどんどん枯れ込んでいき、そのまま放置すると腐敗がはじまり、悪臭を放つようになります。
ヤブランをポット苗の状態で購入する場合は、葉につやがあり、病害虫被害を受けていない苗を選びましょう。
植え替えは、植え付けと同じ3月〜6月か9月〜11月に行います。根についている古い用土を落としてから、ひと回り大きな鉢に植え替えていきましょう。
植え替えは必要?
地植えの場合は植え替えの必要はありません。鉢植えの場合は、根詰まりを防ぐために2年〜3年に1回は植え替えをしましょう。
ヤブランは花後に剪定を行いながら育てます。伸びすぎている茎や、葉が込み入っている部分を剪定し、草姿を整えていきましょう。
ヤブランは耐寒性が強いですが、雪や霜に当たると株が傷む恐れがあります。ビニールやバークチップを利用して、マルチングをしてから冬越しさせましょう。
ヤブランは、3月〜4月か10月〜11月に株分けで増やしていきましょう。大きく育っている株を選び、根を傷つけないように優しく掘り起こします。根が込み入っている部分を手でほぐして、簡単に分かれる部分で株分けしてください。新しい用土に植え付け、根付くまでは水切れを起こさないように注意して、風通しのよい日陰で管理します。
出典:写真AC