はじめに
ナメクジ対策の鍵は「春」
梅雨や秋雨の時期、庭の茂みや濡れた道路の上など、粘液の跡を残しながら這い回るナメクジは不快害虫の代表格です。姿が見えていなくても、ナメクジの残した痕跡を見て嫌な気分になる人も多いでしょう。ナメクジの寿命は、数カ月から数年。その一生のほとんどを土の中で過ごします。
ナメクジは冬が苦手
ナメクジの発生時期は3〜11月です。土の中などでじっと冬を過ごし、春になると活動を始めます。繁殖期は5月頃ですが、その頃にナメクジを見かけても、植物に対してそれほどの被害はありません。しかし、その繁殖期を経て梅雨になるとナメクジは大きく成長し、大切に育てた野菜や花が被害を受けてしまいます。冬以外の時期であれば、ナメクジ駆除が可能です。早め早めの対策をしましょう。
ナメクジ対処法①大好物はビール
大量捕獲が可能
ナメクジはビールが大好物です。その習性を利用したビール酵母入りのナメクジ殺虫剤が多く販売されています。ナメクジが活発に活動する時期になったら、ナメクジを茂みから誘い出し、駆除してしまいましょう。
ナメクジは夜行性
1日のなかで、ナメクジが活動するのは、主に夜になってからです。昼間に見かけたとしても、数は少なめです。飲み残しのビールがあればそれを空き缶に入れ、ナメクジが発生しそうな場所に一晩放置してみてください。翌朝、空き缶の付近に徘徊していたナメクジが、缶の中で捕殺されているはずです。
ビールを使うときの注意点
飲み残しのビールが足りなければ、少しだけなら水を足しても大丈夫です。容器の中で溺死させるため、適度な水量を保っておくようにしましょう。ツナ缶サイズの容器の場合、多くて10匹前後を捕まえられます。しかし、容器の容量を超えるナメクジが来襲した場合には、ビールを飲むだけ飲んで逃げてしまうため要注意です。
ビール酵母自体に殺虫効果はありません。捕獲容器を設置した日は必ず翌朝に容器を確認し、ただちに処理してしまいましょう。ナメクジたちに美味しい思いだけさせて、くれぐれも飲み逃げされませんように…。ビールで誘引する方法は大変おすすめな駆除方法ですが「ビール酵母」が含まれない発泡酒などのアルコール類では効果がありません。
後処理注意
このビール誘引の方法では「自らナメクジを捨てる」という行為が必要です。気が滅入る行為ですが、殺虫剤とは異なり、植物にとっては薬害の負担の少ない方法です。大切な植物のためここは勇気を振り絞り、ささっと後片付けをしてしまいましょう。
容器のまま捨てられる方法
プラ容器を可燃ゴミとして出せる自治体にお住まいの方は、ペットボトルで容器を作ってもよいでしょう。ペットボトルの底を高さ10センチほどで切り取り、あとは空き缶と同様に使用します。設置した容器が倒れないように注意してください。新聞紙で包んで可燃ゴミと一緒に捨てられるため、ナメクジが苦手な方でも安心ですね。
市販の容器を使って
ナメクジの片付け作業に抵抗がない方には、以下のようなトラップもおすすめです。何度でも使えて、環境に優しい商品ですね。しかし、うっかり捨てるのを忘れると大変です。単なる給餌ケースになってしまうかもしれません。翌朝の見回りを忘れずに!
カタツムリのキャッチャートラップ
Beslands カタツムリのキャッチャートラップ カタツムリ 駆除 エコ カタツムリケージ カタツムリジントラップ 害虫駆除 家庭菜園用 ガーデン用品 5個入り
参考価格: 2,250円
ナメクジ対処法②大切な植木鉢を守るのは「銅」
銅のプラントタグ
ナメクジは銅を嫌うようです。ナメクジの発生が少ない冬や夏の時期にも、1年を通して利用できます。銅は経年で黒く変色したり緑青がついたりするなどと変化していきますが、銅の忌避剤としての効果は無くなりません。年数の経った緑青の銅は味わいもありますし、長く使い続けられます。
銅の鉢底ネット
プラントタグ以外に鉢底ネットなどの商品もあります。鉢底からの害虫の侵入を防止し、さらにナメクジに対しては忌避剤の効果もある心強いアイテムです。プラントタグとあわせて、場所や植物に応じて銅製品を使い分けるとよいですね。
GARDEN FRIENDS 鉢底アミ 防虫銅底アミ
GARDEN FRIENDS 鉢底アミ 防虫銅底アミ 小 角型 5枚入
参考価格: 608円
佐野機工 防虫銅底網(角型3種セット)
佐野機工 防虫銅底網(角型3種セット) 銅イオンの忌避効果でナメクジ・カタツムリを寄せ付けない N-44・N-60・N-78
参考価格: 1,705円
手作り銅線スティック
100均アイテムを活用
銅の効果としては、エナメルコーティングした銅線、いわゆる「エナメル線」でも十分に効果があります。銅線を植木鉢の周囲にぐるぐる巻いてもよいですし、すでに植物が植わっている鉢なら、手作りの銅線スティックを挿してもよいでしょう。加工しやすい太さの銅線を好きな形に折り曲げたり束ねたりして、土に刺さりやすい形状に加工すれば完成です。
大切な花鉢や食害されやすい観葉・多肉植物などに使ってみてはいかがでしょうか。環境にも優しく、予防効果が続きます。
出典:筆者撮影