ラークスパーの育て方!管理のコツや気をつけたい病気をわかりやすく解説 | 植物図鑑

学名Consolida ajacis
和名千鳥草(ちどりそう)
別名飛燕草(ひえんそう)
英名larkspur
科・属名キンポウゲ科・ヒエンソウ属(コンソリダ属)
原産地南ヨーロッパ
花言葉陽気・快活

ラークスパーの概要

ラークスパーは5月〜6月に花を咲かせる、秋まきの一年草です。本来は多年草ですが、暑さに弱いため日本では一年草とされています。こぼれ種でも発芽し、連作や加湿に気をつけ病気を予防すれば、丈夫で育てやすく初心者でも栽培できます。

基本情報

園芸部類 草花
形態 多年草(日本では一年草扱い)
樹丈・草丈 80〜100cm
花の色 青、紫、ピンク、白
耐寒性 普通
耐暑性 弱い
特性・用途 観賞用
栽培難易度 ★★☆☆☆

特徴

ラークスパーの葉はコスモスの葉に似た形をしており、花の後方には距(きょ)という筒が伸びているのが特徴です。青、紫、ピンク、白など花色も豊富です。豪華な花で水もちもよいため、切り花としても人気を集めています。

名前の由来

ラークスパーという呼び名は、距の形が鳥の蹴爪に似ていることから付けられました。ラークスパーには、「ひばりの蹴爪」という意味があります。また、花の形が鳥が飛んでいる姿に似ていることから、別名「千鳥草」とも呼ばれています。

ラークスパーの代表品種・種類

Photo bySylwiaAptacy

ラークスパーには大きく分けて、穂咲きとスプレー咲きの2つの種類があります。穂咲きには、一重咲きと八重咲きがあり、スプレー咲きは全て一重咲きです。

カンヌシリーズ

ラークスパー カンヌディープブルー

参考価格: 330円

出典: 楽天
楽天330円

カンヌシリーズのディープブルーは、八重〜半八重咲きのゴージャスな穂咲き大輪種です。病気に強く育てやすいのが魅力で、花穂に色鮮やかな花を密生して咲かせます。

花色濃い紫
草丈80〜100cm

ラークスパーの育て方①時期

出典:写真AC

種まきから開花までの時間

種まきの時期 10月〜11月
植え付けの時期 11月〜12月
摘芯の時期 3月〜4月
肥料の時期 3月〜6月
開花期 5月〜6月

栽培スケジュールカレンダー

時期10月11月12月1月2月3月4月5月6月
種まき
植え付け
摘芯
肥料
開花

育て方②栽培環境

Photo byLolame

栽培方法

ラークスパーは地植えや鉢、プランターで育てます。直根性のため、鉢やプランターは深さのあるものを選ぶのがポイントです。植え替えを嫌うので、地植えの場合はきちんと場所を決めてから植え付けましょう。

育てる場所

ラークスパーの栽培には、日当たり、風通し、水はけのよい場所が適しています。連作障害が出やすいため、一度ラークスパーを育てた場所では1年以上間隔をあけて栽培するか、土壌消毒してください。

用土

ラークスパーは、市販の栽培用土で栽培できます。完熟腐葉土を1割混ぜると水はけがよくなり、さらに育てやすくなるでしょう。自分で配合する場合、赤玉土小粒と完熟腐葉土を6:4の割合で混ぜ、元肥として緩効性化成肥料も混ぜます。ラークスパーは酸性土壌を嫌うため、地植えの場合はあらかじめ苦土石灰をまき、土壌を中和しておきます。緩効性化成肥料と完熟腐葉土もすきこんでください。

育て方③管理のポイント

水やり

発芽までは土が乾かないよう注意し、しっかり水やりしましょう。発芽後は土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えてください。多湿は苦手なので、あげすぎには注意しましょう。植え付け後、株が育てば自然の雨だけで問題ありません。ただし乾燥が続く場合は、水を与えてください。

肥料

3月〜4月、暖かくなり株の成長が早まりだしたら、追肥します。株元に緩効性化成肥料を置き肥しましょう。5月〜6月の開花中は液肥を施します。株の様子を見ながら2週間に1回程度与えてください。

害虫対策

ラークスパーに害虫がつく心配は少ないですが、雨が少なく乾燥が続くとハダニが発生することがあります。予防には葉水が効果的です。葉の裏側にも水をかけましょう。ハダニを見つけたときは、薬剤を散布します。少ない場合は、テープで取り除くこともできます。ハダニはあっという間に増殖するため、毎日観察し、早期発見を心がけましょう。

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病気対策

ラークスパーの栽培で、気をつけたいのが立枯病です。連作や加湿で起こりやすくなるため、育苗には必ず清潔な用土を使いましょう。同じ場所での栽培は1年以上間隔を空けるか、土壌消毒をして予防します。密植を避け、水やりの頻度にも気をつけましょう。立枯病は発生後の対処は難しいため、しっかり予防してください。

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花後の管理

咲き終わった花をそのままにしておくと、灰色カビ病など、病気の原因となることがあります。開花を終えた花はこまめに取り除きましょう。花後の管理きちんとしていると、きれいな花を長く楽しめ、病気の予防にもなりますよ。

ラークスパー育て方④詳しい栽培方法

出典:写真AC

種まき

種まきの適期は10月〜11月です。発芽温度は15℃前後で、25℃を超えると発芽率が下がります。早まきしないよう注意しましょう。嫌光性のため、タネが隠れるよう、土は5mm程度かぶせてください。

寒冷地の種まきの時期は?

寒冷地の種まきの適期は3月〜4月です。早生の品種は春にまいた種が、夏に花を咲かせます。晩生の品種では、翌年の初夏に開花するものもあるので、種を購入するときは、袋などの裏面をよく見て開花期を確かめましょう。

間引き

本葉が3〜4枚になったら、間引きます。生育のよいものを残しましょう。1ポットに1本になるよう間引きます。元気な芽がたくさん出て、間引くのがもったいないときは、根を傷めないよう丁寧に株を別のポットに分けるのもよいでしょう。

植え付け

ラークスパーの定植は、11月〜12月が適期です。本葉が5〜6枚になったら、好みの場所に植え付けましょう。葉が混み合うと病気がでやすくなるため、株間は25〜30cmあけてください。根鉢をくずさないよう気をつけます。株が小さいうちに植え付けないと根が傷むため、タイミングを逃さないようにしましょう。

冬越し

ラークスパーは寒さに強い植物で、冬の間も成長します。しかし霜に当たると葉が傷むこともあり、寒さ対策をするのがベターです。不織布やビニールで苗を覆い、生育を助けましょう。鉢植えは、軒下などに移動してください。

摘芯・支柱立て

摘心は春に行います。草丈が10cm程度になった時点で、本葉を10枚ほど残して芯を切りましょう。その後、わき枝が伸びてきます。強い枝を6~8本残すように整理すると、ボリュームのある株に育ちます。ラークスパーは、草丈が伸びてくると倒れやすいので、成長に応じて支柱も立てましょう。

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種の収穫

花が終わると、種ができます。サヤが茶色くなったら種が熟しているので、収穫しましょう。種は乾燥させ、乾燥剤とともに密閉容器に入れて、冷蔵庫で保管しておきましょう。

増やし方

ラークスパーは種まきで増やします。採取した種を10~11月にまきましょう。こぼれ種で芽が出たときは、苗が小さいうちに別の場所へ移動してあげると、病気の心配なく育ちます。

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