園芸部類 | 観葉植物 |
形態 | 多年草 |
樹高・草丈 | 3~50cm ※品種により異なる |
花の色 | クリーム色 |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 普通 |
特性・用途 | 常緑性、カラーリーフ |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
万年青は日本古来から観賞目的で育てられてきた植物のひとつです。江戸時代には品種改良が進み、さまざまな種類が生まれました。そのため、品種改良が一種の芸として認められており、「葉芸」と呼ばれて品評会なども行われています。万年青は青々とした葉姿から、縁起のいい植物とされ、長寿・長命のシンボルとして大切にされてきました。また、引っ越しの際の贈り物としても重宝されています。
都ノ城(みやこのじょう)
参考価格: 4,800円
都ノ城(みやこのじょう)は、万年青の代表品種ともいえます。濃い緑色の肉厚の立ち葉型で、葉の輪郭に沿って白い縁取りが入っていることが特徴です。
レア度 | ★☆☆☆☆ |
---|---|
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
曙(あけぼの)
参考価格: 5,980円
曙(あけぼの)は、鹿児島県が原産地の大型の品種です。比較的光沢のある緑色の葉と、中央下部の乳白色の斑が特徴で、日光に当てれば当てるほど斑の入りが鮮やかになります。
レア度 | ★★☆☆☆ |
---|---|
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
剣舞(けんまい)
参考価格: 4,210円
剣舞(けんまい)は鋭い葉が特徴の万年青です。剣のように見える葉が四方八方に伸びるさまが、まるで舞を踊っているかのように見えることにちなんで名づけられました。生命力が強いので、初心者でも育てやすい品種のひとつです。
レア度 | ★★☆☆☆ |
---|---|
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
植え付け時期 | 4~5月、9~10月 |
種まきの時期 | 3~4月 |
剪定の時期 | 4~10月 |
花が咲く時期/開花時期 | 4~6月頃 |
万年青の植え付け時期は?
万年青は春か秋ごろの植え付けをおすすめします。真夏と真冬は株が傷みやすいので避けましょう。
万年青の開花時期は?
万年青の開花時期は4~5月です。乳白色の松かさに似た花を咲かせます。
万年青は鉢植え、庭植えどちらでも栽培が可能です。しかし、管理のしやすさを考えると、鉢植えで育てる方がよいでしょう。
万年青は室内・屋外どちらでも育てられます。
万年青を室内で育てる場合は、日光が入りやすい南向きの窓辺やベランダがおすすめです。屋外で育てる場合は午前中は日があたり、午後には日陰になる場所を選んで管理しましょう。
万年青は水はけのよい用土を好みます。自分で配合する場合は、赤玉土と腐葉土を混ぜ合わせた土がおすすめです。市販の東洋ラン用の用土を使用してもよく育ちます。
万年青の水やりは、季節による管理が大切です。気温の高い春~秋は、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。冬は成長が緩慢になるため、水やりの頻度を控えます。土の表面が乾いてから2~3日後に水を与えるとよいでしょう。
万年青は肥料を与えすぎると根腐れの原因や、葉焼け、徒長につながるため控えめに管理します。有機固形肥料を使用する場合は、2月と4月、9月に1~3個施しましょう。液体肥料の場合は希釈を2~3倍薄くし、1~2週間に一度、水やりの代わりとして施します。夏に肥料を施すのは避けて下さい。根腐れの原因となり、枯れてしまうことがあります。
万年青の主な害虫はカイガラムシ、アザミウマ、ハダニ、ダンゴムシがあげられます。株の蒸れにより発生しやすくなるため、風通しのよい場所で管理することが対策として有効です。特に外で管理している場合は被害にあいやすくなるため、注意しましょう。もし発生してしまった場合は、そのままにしておくと枯れにつながるため、速やかに駆除してください。
万年青の主な病気は赤星病です。葉の表面にオレンジ色の斑点があらわれる病気で、放置すると葉が枯れ落ちてしまいます。春と秋に発生するため、よく葉を点検しましょう。もし発病している場合は、発症している葉をすべて切り取りましょう。切り取った葉は土の上にそのまま放置すると、そこからまた健康な葉に感染して発病してしまいます。すぐに焼却処分してください。
万年青の花後に実をつけたい場合は、花が咲いている時期に手動で受粉させましょう。やわらかな筆などを使用し、花の表面を撫でるだけで実がつく可能性が高くなります。時期は梅雨前がおすすめです。
万年青の増やし方のひとつである種まきは、かなり難しいため、初心者の方にはあまりおすすめできません。しかし、万年青を交配したいという方や、じっくり種から育ててみたいという方はぜひ挑戦してみてください。
万年青の実は、10月以降に成熟し赤く色づきます。そのまま少し寒さにさらし、12月ごろに採取しましょう。採取するときは茎ごと切りとり紙袋に入れて、暖房の影響がなく温度が一定の場所で保管してください。温度が高い場所で保管すると、季節を誤認してしまうため発芽しにくくなります。また、密閉しすぎるとカビの発生を促してしまうため、ポリ袋などは使用しないようにしましょう。
実を採取して2~3か月ほど経ったら、実から種を取り出しましょう。水を張った洗面器などに実を浸し、30分ほど浸け込みます。赤い皮がふやけるので、丁寧に水洗いし皮を外していきましょう。
種床は万年青を育てる際の用土と同様のもので問題ありません。浅めの鉢に用土を敷き、種を等間隔で置いていきます。種の発芽点はとがりがあり、反対側には褐色の模様が入っています。その発芽点が真横になるように植えつけましょう。覆砂は3mm程度にし、15℃以上の場所で管理してください。
種まきが完了したら、水を鉢底から流れ出るまでたっぷりと与えます。種床は直射日光や雨に当たらない場所で管理し、湿度と温度を一定に保つように心がけましょう。ビニールハウスの中や、室内管理が望ましいです。万年青は種をまいてから発芽まで1~2か月半ほどかかります。気長に待ちましょう。
万年青の苗を購入するときは、カイガラムシなどの害虫被害にあっていないかしっかり確認してください。また、徒長しているものは株が弱い可能性があり、枯れやすいため避けたほうが無難です。葉がしっかりとしていて、みずみずしい苗を選びましょう。
万年青を鉢植えで育てる場合は1~2年に1度のペースで植え替えを行いましょう。3年以上同じ鉢で育ててしまうと、根詰まりを起こし枯れに繋がります。植え替えの時期は植え付け時と同様に、春と秋に行ってください。
万年青の剪定はほとんど必要ありません。しかし、変色した古い葉を取り除くと見栄えがよくなるので、見つけたら随時取り除きましょう。
万年青は夏場の直射日光に当てすぎると葉焼けするため、室内か日が直接当たらない場所で管理しましょう。
万年青は寒くなると成長が緩慢になるので、水やりを控えるようにしましょう。また、気温が-5℃を下回ると枯れてしまうため、室内管理が望ましいです。
万年青は株分けで増やせます。植え替えの際などに、株元をほぐし株分けを行いましょう。株分けをした鉢は新芽が出るまで直射日光の当たらない場所で管理します。
出典:写真AC