園芸部類 | 草花、ハーブ |
形態 | 多年草 |
草丈 | 60cm~180cm |
花の色 | 薄ピンク、赤紫 |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 強い |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
ウスベニアオイは、開花期間が春から夏にかけてと長く、薄ピンクや赤紫色に濃い紫色のラインが入った花を咲かせます。花の大きさは花径6cmほどで、5弁花を葉の付け根に1~4個つけるのが特徴です。葉は5~9裂の深い切り込みがあり、縁にはギザギザがあります。また、茎全体に荒い毛が生えているのも特徴のひとつです。
ウスベニアオイは、花や葉がハーブやサラダなどに利用されています。とくに花を使ったハーブティーはきれいなに青色になることから人気が高く、レモン汁を加えるとピンク色に変化するため「夜明けのハーブティー」とも呼ばれています。同じアオイ科のハイビスカスとブレンドしたハーブティーも人気です。
ゼニアオイとは、ウスベニアオイの変種とされています。ウスベニアオイとよく似ていて間違えやすい品種です。ゼニアオイの特徴は、花色が濃い紫で1つの花径に5~15個の花が付くこと、葉に深い切れ込みがなく丸みを帯びていること、茎に毛が生えないことなどで、ウスベニアオイと見分けるポイントです。
ジャコウアオイとは、ウスベニアオイと同じアオイ科ゼニアオイ属の植物です。別名「ムスクマロウ」とも呼ばれ、その名のとおり葉からほのかに麝香のような甘い匂いがするのが特徴の品種です。花色は薄いピンク色や白色で、葉は鹿の角のような形をしています。ヨーロッパ原産で、日本には明治時代に観賞用として持ち込まれました。
種まき | 3月~4月、9月~10月 |
苗植え付け | 4月~5月、9月~10月 |
株分け・挿し木 | 4月~6月、9月~10月 |
開花時期 | 5月~8月 |
ウスベニアオイは株がしっかり育った状態で冬を越すと花が咲きやすくなります。春から栽培を始めると冬までに株が大きくなるのでおすすめです。
ウスベニアオイは酸性の土を嫌うので、用土を弱アルカリ性にしておくことがポイントです。地植えの場合は庭土1㎡に100gほどの苦土石灰を植え付けの2週間前に混ぜておきます。鉢植えの場合は市販の花と野菜の土や、赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜた用土に大さじ1杯程度の苦土石灰を混ぜたものがおすすめです。
ウスベニアオイは1株が180cmほどにまで育つのでプランターよりも鉢で育てることをおすすめします。鉢の大きさは10号(直径30cm)のものを選び、植えるときには1鉢に1株がよいでしょう。
ウスベニアオイはの苗を選ぶときには、茎が太くて葉がたくさんついた元気なものを選びましょう。茎が細くて間延びしたものや葉が黄色くなっているものは育ちにくいので注意してください。
種まきをするときは、種が重ならないようにまいて薄く土を被せます。芽が出るまでは土が乾かないようにこまめに水やりをしましょう。ウスベニアオイは直根性で植え替えを嫌うので、種から育てる場合は直まきにして間引きするか、育成ポットにまいて本葉が4~5枚ほど出たら植え替えます。
苗を植え付るときは根が傷つかないように土ごと植え替えましょう。地植えの場合は、苗よりひと回り大きな穴を掘って植え付けます。隣の株とは80cmほど間隔をあけてください。鉢植えの場合は、鉢底石を敷いてから鉢の1/3くらいまで用土を入れ、中心に苗を置いたら周りに土を入れて固定します。植え付け後はたっぷり水をやりましょう。
ウスベニアオイは、日光を好む植物なので日当たりのよい場所に植えてください。また、湿気が多すぎると蒸れて病気や害虫の原因になったり根腐れを起こしたりするので、水はけと風通しのよい場所で育てるのが適切です。
ウスベニアオイを鉢で育てる場合も、1年中日当たりがよく風通しのよい場所で管理しましょう。しかし、雨が花に当たると花が溶けてしまうので、梅雨の時期には雨の当たらない場所に移動させてください。また冬は土が凍ると根が枯れてしまうので、軒下や室内などに置くとよいでしょう。
ウスベニアオイは比較的乾燥に強い植物なので、植え付けのあと根がしっかり張ったら地植えの場合はとくに水やりの必要はありません。鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら水やりをしましょう。ただし、水を与えすぎたり受け皿に水が残っていたりすると根腐れを起こすので注意してください。
ウスベニアオイは生育期の夏に水が足りないと元気がなくなってしまうので、地植えの場合は夏場は土が乾いたときにはたっぷり水を与えてください。鉢植えの場合も、夏場は水切れが起きやすいので朝夕2回水やりをしましょう。冬は地上部が枯れてしまいますが、根は生きているので土が乾いたら水やりをしてください。
肥料は、植え付けるときに緩効性化成肥料を用土に加えておきます。鉢植えの場合は、花が咲く時の5月~8月の間に2週間に1回程度、液体肥料を追肥すると花をたくさん咲かせます。
ウスベニアオイには、アブラムシが付きます。花や葉をハーブティーや食用にする場合は、綿棒でこまめに退治します。また、殺虫剤代わりに牛乳を水で薄めたものを霧吹きで吹きかける方法も有効です。食用にしない場合は、市販の殺虫剤を使って退治しましょう。また、風通しが悪いとうどんこ病にかかるので適度に剪定をしてください。
ウスベニアオイは根が傷つくと枯れてしまうため、植え替えを好まない植物です。しかし鉢で育てる場合、数年たち株が密集して花が小さくなってきたときには、株分けを兼ねて植え替えをします。植え替え作業は花後の秋に行うとよいでしょう。ただし植え替えをするときには、太い根が傷つかないように注意してください。
ウスベニアオイは成長して葉や茎が込み合ってくると、風通しが悪くなり湿気で蒸れて害虫が付いたり病気になったりします。株が込み入ってきたら適度に茎を切ってください。
咲き終わった花はそのままにしておくと株が弱ってしまうので、しぼんだ花はこまめに摘み取りましょう。摘み取るときは花の根元から摘み取ります。花後は花径を根元から切り戻しましょう。
ウスベニアオイは草丈が高くなるので、強い風が吹いたときに倒れないよう支柱を立てる必要があります。草丈が30cm以上になったら、株のそばに支柱を立てましょう。
ウスベニアオイの増やし方は種まき・挿し木・株分けです。挿し木の時期は春から秋が適しています。根元近くの脇芽を剪定し挿し枝にし、芽が出るまでは風通しのよい日陰で管理してください。株分けに適した時期は秋です。株を掘り上げて3~5芽つくようにハサミで分け、植え替え後は風通しがよく日当たりのよい場所で管理してください。