ブルーデージーは、デージーの青花品種ではなく、キク科のフェリシアの仲間です。およそ80種類あるといわれるフェリシア属の花のなかで、ブルーデージーと呼ばれるのはフェリシア・アメロイデスとフェリシア・アモエナなどの系統で、花の中心が黄色いのが特徴です。
一般に日本の園芸市場では、花芯が黄色い多年草のフェリシアが「ブルーデージー」、秋まきの一年草フェリシア・ヘテロフィラが「フェリシア」の名で流通しています。
園芸部類 | 草花 |
形態 | 多年草(本来は低木) |
樹高・草丈 | 20cm~50cm |
花の色 | 青、水色、白、薄赤紫など |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 高温多湿にやや弱い |
特性・用途 | カラーリーフ、鉢植え、花壇、寄せ植え |
栽培難易度 | ★★★☆☆ |
ブルーデージーは、中心の黄色い管状花と水色の舌状花(花びら)の配色がさわやかな花です。花色は青、水色、淡い藤色などがあり、白い品種も存在します。葉はやや肉厚の小さな楕円形で、斑入りの種類が寄せ植えなどで人気です。茎はよく分枝し、長く伸びた花茎の先に花が咲きます。
アズールブルー(写真出典:楽天)
参考価格: 328円
アズールブルーは、薄青色の花が爽やかで、たくさんの花がつく人気品種です。耐寒性・耐暑性ともに、やや強めに改良されているため、初めて栽培する人にも育てやすいでしょう。
花色 | 水色 |
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葉の色 | 緑 |
苗の種類 | ポット苗 |
草花の苗 キンセイ
参考価格: 466円
キンセイは、葉に黄色い斑が入っています。斑入り葉品種は、花が咲かない季節もカラーリーフとして楽しめるので人気です。強烈な西日を避け、適度な日当たりのもとで育てると、きれいな斑入りを長く保てます。
花の色 | 水色 |
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葉の色 | 黄色い斑入り |
苗の種類 | 2.5号ポット苗 |
ハニーブルー(写真出典:楽天)
参考価格: 1,098円
ハニーブルーは、日本で育種された品種で、ライムグリーン~イエローのグラデーションや、青い花とのコントラストが魅力です。夏の高温で一時的に葉の緑色が強くなることがありますが、涼しくなれば再び黄金色が戻ってきます。
花の色 | ブルー |
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葉の色 | ライムグリーン |
苗の種類 | 4.5号鉢植え |
フェリシア・エキナータも、ブルーデージーと呼ばれる種類の一つです。茎がほとんど分枝せず、松葉のような葉が特徴的です。エキナータは、種ができにくいブルーデージーのなかでは種がとれやすく、種で増やせます。
植え付け時期 | 3~4月、9月 |
剪定の時期 | 5~6月頃 |
開花時期 | 3月~5月、10月~11月 |
ブルーデージーは霜や多湿にやや弱いため、季節ごとに置き場所を替えられる鉢植え栽培のほうが管理しやすいです。単植でブルーの花をたくさん咲かせられるほか、寄せ植えにも適していて、斑入り葉の品種はほかの花も引き立ててくれるでしょう。暖地では庭植えも可能です。
春と秋は、日当たりのよい場所に置くと花芽がつきやすくなります。夏は、直射日光を避けて風通しのよい半日陰に置き、冬は霜に当たらない場所に置きましょう。梅雨時も、雨を避けて軒下などに移したほうがベターです。庭植えは夏の西日が避けられ、冬の寒風が吹きこみにくい場所に植えてください。できれば一段高くした花壇に植えると水はけがよくなります。
ブルーデージーには、水はけのよい用土が適しています。市販の草花用培養土か、赤玉土と腐葉土、川砂(またはパーライト)を6:3:1の割合で混ぜて使いましょう。庭植えは、腐葉土を加えてよく耕しておいてください。
鉢植えには、土の表面が乾いたら、たっぷり水やりします。ブルーデージーは水を与えすぎると根腐れで枯れることがあるので、土が乾いているかチェックしてから水やりしてください。庭植えは、降雨のみで育ちます。
肥料は、植え付け時に緩効性肥料を与えます。鉢植えには、開花時に2週間に1回くらいを目安に置き肥しましょう。庭植えは、花が咲き始めたときに1回置き肥すれば、以降は追肥しなくてもよく育ちますが、葉や花が小さくなったときは化成肥料を与えてください。
気を付けたい害虫はアブラムシです。春から秋にかけて、新芽や葉裏に発生します。早めに見つけると手や水で除くことができ、薬剤を使わずにすみます。
ブルーデージーは多湿にやや弱く、梅雨時に風通しが悪いと灰色かび病を発症することがあります。茎や葉、花にかびが発生して、腐って枯れる病気です。花がらや株の内側の枯れた葉をこまめに取り除き、風通しをよくして予防しましょう。
ブルーデージーの花びらが、日差しをあびても外側にくるりと反り返ったままになったら、咲き終わりです。花後は、花がらを長い花茎ごと摘んで風通しをよくしましょう。痛んだ葉や枯れた葉があれば、適時取り除いてください。
ブルーデージーは種ができにくく、苗から育てるのが一般的です。春先にポット苗が出回るので、葉が多く茎がしっかりしている株を選んでください。
鉢植えは、根が回りやすいため、できれば毎年植え替えてください。植え替え前に、株の丈を半分ほどに切り戻して、内側の枯れた葉を取り除いておきましょう。
植え替えの時期はいつですか?
適期は3月~6月上旬と9月頃ですが、根を崩さないようにすれば、夏と冬以外はいつでも植え替え可能です。花がひとしきり咲き終わって、切り戻しをしたときに植え替えてもかまいません。
摘心は、茎の先端を切り取る作業です。茎が伸びてきた頃に摘心すると、脇から芽がでてきてボール状にこんもり繁り、花数を増やせます。
6月頃、ひとしきり花が咲き終えたら、株を1/2程度に切り戻します。風通しをよくして、夏越ししやすくするためです。新芽が伸び、秋に再び開花します。
夏の前に、株を切り戻して風通しをよくしておきましょう。ブルーデージーは蒸れると根腐れをおこしやすいので、夏場は半日陰に置き、涼しい時間帯に水やりしてください。
冬は霜に連続して当たらないように気をつけてください。軒下や玄関ポーチなどに置くのがおすすめです。室内では、暖かすぎると蒸れることがあるので、暖房の温風に直接あてないようにしましょう。
ブルーデージーは、挿し木で増やせます。先端の茎を5cmほど切り取って挿し穂を作り、水を吸わせてから小粒赤玉土か挿し木用土に挿します。発根まで3~4週間かかるので、乾かさないように管理しましょう。
挿し木に適した時期はいつですか?
挿し木の適期は、春か秋です。切り戻したときに、挿し穂を作って作業してもよいですね。
ブルーデージーは長年育てていると茎が木質化してくるため、ときおり挿し木で増やして、新しい株に更新するとよいでしょう。
ブルーデージーの苗は、春先に(店によっては秋にも)ポット苗が園芸店やホームセンターで入手できます。また、フラワーショップに鉢植えが並ぶこともあります。ネットショップに出回ることもありますが、すぐに売り切れがちなため、まめにチェックしてみてください。
出典:写真AC