ハートツリーは、6月〜7月にかけて小さな白色の花を咲かせます。花後に受粉すると、かわいらしいハート型の実をつける常緑性低木です。観葉植物ではないため、屋外で日光にたっぷりと当てて育てましょう。
園芸部類 | 低木 |
形態 | 常緑性 |
樹高・草丈 | 15cm〜20cm |
花の色 | 白 |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 常緑性、初心者向け、庭植え、鉢植え、盆栽 |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
ハートツリーは、名前のとおりハートの実をつけるのが特徴で「幸せを呼ぶ木」としても親しまれています。澤田農園で、ハリツルマサキをもとに品種改良を繰り返して作られた「HEART TREE」というオリジナルブランドです。地植えや鉢植えだけでなく、苔玉を使用すれば盆栽としても育てられます。
名前の由来は?
ハーツツリーは「ハート型の実をたくさんつける木」という性質が、そのまま名前の由来になっています。インターネットなどで購入する場合は、英名の「HEART TREE」と表記されている場合がほとんどです。
花言葉は?
ハートツリーには「小さな幸せ」という花言葉が付いています。人々が笑顔で幸せになれるようにという思いが込められており、贈り物やホワイトデーのお返しにもおすすめの植物です。
植え付け時期 | 3月〜5月 |
植え替え時期 | 3月〜5月 |
肥料の時期 | 3月、6月、10月 |
剪定の時期 | 3月〜5月 |
花が咲く時期/開花時期 | 6月〜7月 |
栽培適期は?
ハートツリーの実がなる観賞期は9月〜10月です。3月〜5月に植え付けると、6月〜7月に開花しますが、受粉をしないと実がなりません。屋外で育てている場合は、蝶や蜂などが受粉してくれる可能性がありますが、室内の場合は人工的に受粉しましょう。寒くなると実が終わってしまうので、開花したらすぐに受粉してください。
ハートツリーは地植えでも鉢植えでも育てられます。常緑性で小ぶりなサイズなため、観葉植物のようなイメージがありますが、花壇の寄せ植えや露地栽培が可能です。低木に分類され、樹高は15cm〜20cmほどまでしか成長しません。そのため、花壇の寄せ植えにする場合は、ほかの植物よりも前面に植え付けましょう。
ハートツリーは風通しと日当たりのよい場所で育ててください。日当たりの悪い場所で育てると、茎だけが間延びして花付きが悪くなります。葉が密に茂るため、風通しのよい場所で管理して、病害虫被害を予防しましょう。実が色付いた後は、室内でも管理できます。室内で育てる場合は、窓辺などの日光が優しく差し込む置き場所がおすすめです。
美しい実をつけるコツは?
ハートツリーの大きな魅力でもあるハートの実を真っ赤に色付かせるためには、日光にたっぷりと当てて育てるのがコツです。また、寒くなると赤みを増してくるので、屋外に置いて日光や寒さにしっかりと当てて育てましょう。
ハートツリーは水はけと水もちのよさを兼ね備えた用土で育てます。市販されている「草花用培養土」や「花木用培養土」を使用しても構いません。自分で配合する場合は、赤玉土の小粒と腐葉土をよく混ぜ込んだ用土を使用してください。用土をかわりに苔玉を使用し、こまめに剪定しながら管理すると、盆栽としても育てられます。
地植えにする場合の土作りは?
ハートツリーを地植えにする場所が粘土質な場合は、腐葉土や堆肥をすき込んでから植え付けます。根が成長しやすいように、用土をよく耕してふかふかにしておきましょう。
ハートツリーは乾燥が苦手なため、降雨だけでなくしっかりと水を与えながら育てましょう。地植えの場合も、1日に1回は必ず水を与えてください。鉢植えの場合は、土の表面が乾燥したら、鉢底から水が流れ出る程度にたっぷりと水やりをします。室内で育てる場合は、エアコンの風に当たると乾燥しやすくなるため、定期的に葉水を行うのもよいでしょう。
肥料は、3月と6月と10月に緩効性の化成肥料を施します。月に1回の割合で、株元に適量与えてください。肥料の与えすぎは、肥料やけを起こして枯れる原因となるので注意しましょう。
アブラムシは年間を通して発生しやすい害虫です。集団で寄生し、ハートツリーに必要な栄養分を吸汁しながら成長します。数が少ない場合は、ガムテープなどに貼り付けて駆除しますが、大量発生した場合は殺虫剤を散布して駆除しましょう。
灰色カビ病は、梅雨時期などの湿度が高い季節に発生しやすい病気です。感染した部分が、灰色の楕円形状に変色するのが特徴で、葉の光合成が妨げられます。放置すると腐敗が始まり、悪臭を放つようになるため、ほかの部分への感染を防ぐためにも、早めに切り取って処分してください。
ハートツリーに実をつけるには、花後に受粉が必要です。室内で育てている場合は、花が咲き始めたら屋外に移動させると、蜂や蝶が受粉してくれる可能性があります。受粉に成功すると7mmほどの実をつけ、実の中からは種の採取も可能です。
ハートツリーをポット苗の状態で購入する場合は、葉につやがあり、花芽のたくさんついている苗を選びましょう。アブラムシがつきやすいので、葉の裏側までしっかりとチェックして、病害虫被害を受けていない苗を購入してください。
植え替えは、植え付けと同じ3月〜5月に行います。根を傷つけないように丁寧に掘り起こし、根についている古い用土を落としてください。ひと回り大きな鉢を準備して、新しい用土を入れてから植え替えます。
植え替えは必要?
地植えでハートツリーを育てている場合は、植え替えの必要はありません。ハートツリーは根が大きく張るため、鉢植えの場合は根詰まりを防ぐために、1年〜2年に1回は植え替えましょう。
ハートツリーの剪定は3月〜5月に行います。この時期に花が咲いている場合もありますが、6月〜7月に咲く花にしか実がならないのが特徴です。枝が伸びすぎている部分や、葉が込み入っている部分を切り戻し剪定し、樹形を整えていきましょう。ハートツリーは比較的丈夫な植物のため、自分好みの形に剪定しても構いません。
ハートツリーは耐暑性が強く、直射日光に当てても枯れる心配はありません。地植えでも屋外で夏越しが可能ですが、暑さで土の表面が乾燥しやすくなります。ハートツリーは乾燥すると葉が落ちる恐れがあるため、夏場は朝と夕方の2回にわけて水やりをしても構いません。
ハートツリーの耐寒温度は0℃です。0℃を下回らない温暖地では地植えでも冬越しが可能ですが、葉に雪や霜が当たると株が弱ったり枯れたりします。そのため、ビニールやバークチップを利用してマルチングをしてから冬越しさせましょう。鉢植えの場合は、室内に取り込んでから冬越しさせると安心です。
ハートツリーは挿し木で増やしていきましょう。5月〜9月が適期のため、剪定で切り落とした枝を使用するのがおすすめです。若くて健康に育っている部分を7cm〜10cmほどの長さで切り取り、挿し穂を作ります。しっかりと水揚げしてから、赤玉土などの挿し木用の用土に挿してください。発根するまでは水切れに注意して、風通しのよい日陰で管理します。
出典:写真AC