ガイラルディアは暑さに強く、夏の花壇に彩りを添えてくれる植物として親しまれています。花壇の寄せ植えや鉢植えだけでなく、常緑性の性質をいかして、草丈の低い品種はグランドカバーとして育てるのもおすすめです。
園芸部類 | 草花 |
形態 | 一年草、多年草 |
樹高・草丈 | 15cm~80cm |
花の色 | 赤、黄、オレンジ、紫、赤紫、複色 |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 開花時期が長い、寄せ植え、グランドカバー、切り花 |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
ガイラルディアはアメリカが原産の植物で、グランドカバーにぴったりな矮性品種や、切り花に人気の高性品種があります。また、一重咲きや八重咲き、ポンポン咲きなど咲き姿もさまざまで、自分好みのガイラルディアを探すのも楽しみのひとつです。
一年草?多年草?
ガイラルディアは大きく2つに分類され、一年草と多年草の品種があります。オオテンニンギクとも呼ばれるガイラルディアは多年草、テンニンギクは一年草です。一般的に園芸店などで「ガイラルディア」として販売されているものは、この2つを掛け合わせた交配種が多く、新品種もたくさん出てきています。
花言葉は?
ガイラルディアには「協力」「団結」「明るい人柄」「きらびやか」という花言葉がついています。黄色やオレンジ色など、元気なイメージの花を咲かせる性質からつけられた花言葉です。ガイラルディアの花束は、大切な友人や仲間へのプレゼントにも利用されています。
ガイラルディア・ラズルダズル ミックス
参考価格: 176円
ラズルダズルは赤色や黄色、白色の花を咲かせる八重咲きの品種です。ボリューム感のある咲き姿が特徴で、花後の丸まった種子にはトゲがたくさんつくため、種取りをする場合の取り扱いには十分注意しましょう。
花色 | 赤、黄、白 |
---|---|
草丈 | 30cm〜60cm |
ガイラルディア・アリゾナ サン
参考価格: 330円
ガイラルディアのアリゾナシリーズは、10cmほどの花を咲かせる一重咲きの品種です。「アリゾナ・サン」は赤色と黄色のコントラストが楽しめます。ほかにも黄色とオレンジ色の花を咲かせる「アリゾナ・アプリコット」や、赤紫色の落ち着いた花が魅力的な「アリゾナ・レッドシャード」も人気です。
花色 | 赤、黄 |
---|---|
草丈 | 30cm~40cm |
植え付け時期 | 3月〜4月、9月〜10月 |
植え替え時期 | 3月〜4月、9月〜10月 |
肥料の時期 | 3月、9月 |
剪定の時期 | 6月〜7月 |
花が咲く時期/開花時期 | 6月〜10月 |
栽培適期は?
ガイラルディアは6月から開花が始まり、秋頃に返り咲きするのが特徴です。そのため、大幅な剪定を夏までに済ませておかないと、秋の開花が楽しめなくなります。春に暖かくなったら種まきや植え付けを早めに行い、開花時期が長くなるように育てましょう。
ガイラルディアは、地植えでも鉢植えでも育てられます。花壇の寄せ植えにする場合は、草丈によって花壇の前面に植え付けたり、背景として利用したりしましょう。草丈が高い品種の場合は、株が折れたり倒れたりしないように支柱を立てておくと安心です。また、重みのある鉢を使用して、鉢の転倒を防止してください。
株間は?
プランターでガイラルディアを育てる場合は、株間を15cm〜20cmほどあけて植え付けてください。基本的には1つのプランターに2株を植え付けるとよいでしょう。
ガイラルディアは、風通しと日当たりのよい場所で管理してください。日当たりの悪い場所で育てると、茎だけがヒョロヒョロと間延びして花付きが悪くなります。耐暑性が強く、日光を好む屋外向けの植物ですが、窓辺などのたっぷりと日光が差し込む場所ならば、室内での栽培も可能です。
ガイラルディアは湿度の高い環境を嫌うため、排水性の高い用土で育てましょう。市販されている「草花用培養土」を使用しても構いません。自分で配合する場合は、赤玉土の小粒と腐葉土をよく混ぜ込んだ用土を使用してください。
地植えにする場合は土作りは?
ガイラルディアを地植えにする場所が粘土質の場合は、腐葉土や川砂をすき込んでから植え付けましょう。肥沃な用土を好むため、堆肥を混ぜ込んでおくのもおすすめです。
ガイラルディアを地植えで育てている場合は降雨のみで十分なため、水やりの必要はありません。鉢植えの場合は、土の表面が乾燥してから水やりをします。水の与えすぎは根腐れを起こし、下葉から枯れ込んでくる原因となるので注意しましょう。
肥料は3月と9月にかけて、1カ月に2回〜3回の割合で規定の分量に薄めた液体肥料を与えます。ガイラルディアは比較的丈夫な植物のため、肥料を与えなくても十分に育ちますが、花数を増やしたい場合や、成長が滞っている場合は肥料を与えましょう。また、植え付けの用土に元肥として、緩効性の化成肥料を混ぜ込んでおいても構いません。
アブラムシは、年間を通して発生しやすい害虫です。集団で寄生し、ガイラルディアに必要な栄養分を吸汁しながら成長します。発見が遅れると大量発生する恐れがあるため、数が少ないうちにガムテープなどに貼り付けて駆除しましょう。
灰色カビ病は、雨が続いてジメジメしている時期に発生しやすい病気です。感染した部分が灰色の楕円形状に変色するのが特徴で、葉の光合成が妨げられ、ガイラルディアが弱ったり枯れたりします。放置すると腐敗が始まり悪臭を放つようになるため、ほかの部分への感染を防ぐためにも、早めに切り取って処分しましょう。
ガイラルディアをポット苗の状態で購入する場合は、葉が鮮やかな緑色をしており、つぼみがたくさんついている苗を選びましょう。葉の裏側までしっかりとチェックして、病害虫被害を受けていない健康な苗を購入してください。
植え替えは、植え付けと同じ3月〜4月か9月〜10月にしましょう。根を傷つけないように丁寧に掘り起こし、根についている古い用土を落としていきます。ひと回り大きな鉢に新しい用土を入れてから植え替えてください。完全に根付くまでは、水切れを起こさないように管理します。
植え替えは必要?
ガイラルディアを地植えで育てている場合は、植え替えの必用はありません。鉢植えの場合は、根詰まり防ぐために2年〜3年に1回は植え替えてください。
一年草品種の場合は、冬が来る前に枯れてしまうため、冬越しの必要はありません。多年草品種の場合は、10月〜11月に地上部を刈り込み、冬越しの準備をします。葉に雪や霜が当たると株が傷む恐れがあるため、ビニールやバークチップを利用してマルチングをしておくと安心です。
多年草品種の場合は、大きく成長した株を利用して株分けで増やしていきましょう。3月〜4月に株を掘り上げ、根を手でほぐして簡単に分かれる部分で株分けします。あまり小さく株分けしすぎないように、2芽〜3芽残して株分けするのがポイントです。
ガイラルディアの挿し木は、4月〜5月に行います。健康に育っている若い芽のついた茎を選び、先端から15cm〜20cmほどの長さで切り取ってください。切り口を水につけて、しっかりと水を吸わせておきます。赤玉土などの挿し木用の用土に挿して、水切れを起こさないように発根をまちましょう。
一年草品種は花後に種を採取して、種まきで増やしていきましょう。花後に立ち枯れるまでそのまま育て、茶色くなったら花茎から切り取ります。種子を軽く振って中から種を採取してください。種まきに適した時期は3月か9月のため、それまでは種を新聞紙などに包み、風通しのよい日陰で保管してください。
出典:写真AC