アスパラガスは、レースのように細くて繊細な葉が魅力的な植物です。耐陰性があり、ほかの植物が育ちにくい半日陰でも気軽に育てられます。アスパラガスは常緑性のため、室内で観葉植物やインテリアグリーンとして育てるのもおすすめです。
園芸部類 | 観葉植物 |
形態 | 多年草、常緑性低木 |
樹高・草丈 | 10cm~200cm |
花の色 | 白 |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 初心者向け、花壇の寄せ植え、ハンギングバスケット |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
アスパラガスの葉に見える部分は「葉状茎(ようじょうけい)」という、茎が平たくなったものです。葉状茎には水分を蓄えておけるのが特徴で、葉と同様に光合成もできます。耐暑性が強く、6月〜7月にかけて白色の小さな花を次々と咲かせるのが特徴です。原産地の南アフリカでは、約120種類のアスパラガスが自生しています。
アスパラガスの名前の由来は?
アスパラガスの名前は、古代ギリシア語の「アスパロガス」という言葉が語源です。アスパロガスには「とげのある」や「細かく裂ける」という意味があり、アスパラガスの葉の形に由来してつけられた名前です。
アスパラガスの花言葉は?
アスパラガスには「何も変わらない」という花言葉がついています。常緑性のため、いつでも美しい葉をつけている様子からつけられた花言葉です。また、雑草に負けないくらい葉がよく茂る性質から「我が勝利」や「私が勝つ」という花言葉がついたといわれています。
アスパラガス ナナス 観葉植物
参考価格: 1,110円
アスパラガス・ナナスは、アスパラガスのなかでも代表的な品種で「アスパラガス・プルモーサス・ナヌス」という別名でも流通しています。細かくて繊細な葉が魅力で、観賞用としても人気の品種です。しかし、葉に小さなトゲがあるため、取り扱いには十分注意してください。
草丈 | 10cm〜80cm |
---|---|
おすすめ度 | ★★★★☆ |
アスパラガス スプレンゲリー
参考価格: 3,500円
アスパラガス・スプレンゲリーは、茎が垂れ下がるように成長するのが特徴です。高さのある鉢や、ハンギングバスケットに植え付けると、美しい咲き姿を楽しめます。また、葉が細くて優しい印象を与えてくれるため、切り花の添え葉やブーケにも利用されている品種です。
草丈 | 30cm〜100cm |
---|---|
おすすめ度 | ★★★★★ |
植え付け時期 | 5月〜9月 |
植え替え時期 | 5月〜9月 |
肥料の時期 | 4月〜6月、9月〜11月 |
剪定の時期 | 4月〜10月 |
花が咲く時期/開花時期 | 6月〜7月 |
アスパラガスは、地植えでも鉢植えでも育てられます。花壇の寄せ植えにする場合は、株が横に大きく広がるため、十分なスペースを確保してから植え付けてください。鉢植えの場合は、1つの鉢に1株ずつ植え付けるのが基本です。プランターの場合は、株間を20cm〜25cmほどあけて植え付けましょう。
アスパラガスは、適度な日当たりと風通しのよい場所で管理します。日当たりが悪いと、茎だけがヒョロヒョロと間延びして、草姿が悪くなるので注意しましょう。夏場の直射日光に長く当たると、葉焼けを起こして枯れる原因となります。室内で育てる場合は、優しく日光の差し込むレースのカーテン越しの窓辺に置くのがおすすめです。
葉が黄色くなる原因は?
アスパラガスには耐陰性がありますが、全く日光の当たらない場所で育てると、葉が黄変したり下葉から枯れ込んだりします。屋外の場合は、ほかの植物や建物の陰になっていないか確認してください。半日以上、日光が当たらないようならば、置き場所を移動させましょう。
アスパラガスは排水性の高い用土で育てます。市販されている「観葉植物用培養土」や「草花用培養土」を使用しても構いません。自分で配合する場合は、赤玉土小粒と腐葉土を混ぜ込んでから、少量の軽石小粒を加えた用土を使用してください。
地植えにする場合の用土作りは?
アスパラガスを地植えにする場所が粘土質の場合は、根が上手に成長できず、株が枯れ込んでくる可能性があります。そのため、腐葉土や川砂をたっぷりとすき込んでから植え付けるのがポイントです。
アスパラガスを地植えで育てている場合は、水やりの必要はありません。鉢植えの場合は、土の表面が乾燥してから水やりをします。多湿の環境で育てると、根腐れを起こして枯れる可能性があるので、水の与えすぎには注意しましょう。受け皿に溜まった水はすぐに捨てて、用土が乾きやすい環境を整えてください。
肥料は4月〜6月と9月〜11月に、緩効性の液体肥料を適量施しましょう。肥料の濃度が濃かったり、分量が多かったりすると、肥料やけを起こして枯れる恐れがあります。室内で育てている場合は「有機肥料」ではなく「化成肥料」を使用すると、コバエの発生を防止できます。
アブラムシは、年間を通して発生しやすい害虫です。集団で寄生し、アスパラガスの栄養分を吸汁しながら成長します。数が少ない場合はガムテープに貼り付けて駆除しますが、大量発生した場合は殺虫剤を散布して駆除しましょう。アブラムシは光り物が苦手なため、園芸用のシルバーテープを張り巡らせておくと発生を予防できます。
炭そ病はカビの菌糸が原因で発生する病気で、感染した部分が茶色や褐色の斑点状に変色します。放置すると腐敗が始まり、悪臭を放つようになるのが特徴です。葉が穴だらけになり、光合成が妨げられるため、株が弱ったり枯れたりします。感染した部分は薬剤を散布しても治せないため、早めに切り取って処分しましょう。
アスパラガスをポット苗の状態で購入する場合は、葉につやがあり、下葉までしっかりとついている苗を選びましょう。葉の裏側までチェックして、病害虫被害を受けていない苗を購入してください。
鉢植えでアスパラガスを育てている場合は、根詰まりを防ぐために2年〜3年に1回は植え替えが必要です。根についている古い用土を落とし、腐っている根を切り取りましょう。ひと回り大きな鉢を用意して、新しい用土を入れてから植え替えてください。
アスパラガスの剪定は、成長期にあたる4月〜10月に行います。茎が伸びすぎている部分や、葉が込み入っている部分を剪定し、草姿を整えてください。成長スピードが速いので、株元ギリギリまで切り戻しても構いません。切り戻した部分から新芽が出てくるため、自分の思い描く形に剪定するのもおすすめです。
アスパラガスの耐寒温度は5℃のため、鉢植えの場合は寒さをしのげる軒下や室内に取り込んでから冬越しさせましょう。地植えの場合は、ビニールやバークチップを利用してマルチングをしてください。
葉を緑色の状態で冬越しさせるには?
葉を美しい状態で保ちたい場合は、7℃〜8℃は必要です。5℃まで気温が下がると、株は生き残りますが、葉が黄変する恐れがあります。
アスパラガスは花後に種子をつけるため、種を採取すれば種まきで増やせます。種を採取する場合は花がら摘みを行わずにそのまま育ててください。種子が茶色くなり完全に立ち枯れたら、花茎から切り取り軽く振って種を採取します。種まきに適した時期は3月〜4月のため、それまでは種を新聞紙などに包み、日陰に保管しておきましょう。
株分けを行うのは、5月〜6月か9月下旬が適期です。大きく成長した株を選び、根を傷つけないように丁寧に掘り起こします。根を手でほぐして、簡単に分かれる部分で株分けしたら、新しい用土に植え付けてください。完全に根付くまでは水切れを起こさないように、風通しのよい日陰で管理しましょう。
出典:写真AC