アンゲロニアは中南米が原産の熱帯植物で、6月〜10月にかけて紫色やピンク色の花を咲かせるのが特徴です。耐暑性が強く、夏の花壇に欠かせない植物として、ガーデナーにも人気があります。
園芸部類 | 草花、熱帯植物 |
形態 | 常緑性多年草(一年草) |
樹高・草丈 | 30cm~100cm |
花の色 | 白、紫、ピンク、青、複色 |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 開花時期が長い、初心者向け、花壇の寄せ植え |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
アンゲロニアは開花時期が長く、初夏〜秋にかけて次々と花を咲かせます。品種によって草丈が異なるため、花壇の寄せ植えやプランター栽培など、自分好みの育て方ができるのが魅力です。花色が豊富で、夏の花壇を彩る植物としても利用されています。
名前の由来は?
アンゲロニアは、ギリシャ語で「天使」を意味する「Angelos」という言葉が元になってつけられました。アンゲロニアは、小花がたくさん集まって花穂をつくるのが特徴です。縦に伸びていく花穂の咲き姿が、天使のようにみえたのが由来しています。
花言葉は?
アンゲロニアには「過去の恋人」「無遠慮」「拒否」という花言葉がついています。アンゲロニアの咲き姿は天使に例えられていますが、一つひとつ小花をよく見ると、ガイコツが口をあけている姿にそっくりです。そのため「過去の恋人」という花言葉がついたといわれています。プレゼントには向かない花言葉がついており、贈り物にはおすすめできません。
種まきの時期 | 5月〜6月 |
植え付け時期 | 5月〜7月 |
肥料の時期 | 6月〜10月 |
剪定の時期 | 7月〜8月 |
花が咲く時期/開花時期 | 6月〜10月 |
アンゲロニアは地植えでも鉢植えでも育てられます。花壇の寄せ植えにする場合は、品種によって草丈が異なるため、草丈の低いものは花壇の全面に、100cmほどまで成長する品種はほかの植物の背景になるように植え付けましょう。鉢植えにする場合は、株間を20cm〜25cmほどあけて植え付けます。
アンゲロニアは、日当たりと風通しのよい場所で管理します。日光を好むので、半日以上は太陽の光が当たる場所で育ててください。また、乾燥が苦手なため、地植えの場合はやや湿り気のある場所を選ぶのがポイントです。葉が密に茂るため、風通しのよい場所で管理して病害虫被害を予防しましょう。室内で育てる場合は、レースのカーテン越しの窓辺がおすすめです。
アンゲロニアは、水はけと水もちのよさを兼ね備えた用土で育てます。市販されている「草花用培養土」や「山野草用培養土」を使用しても構いません。自分で配合する場合は、赤玉土の中粒と腐葉土を混ぜ込んでから、少量のピートモスを加えた用土を使用してください。
地植えにする場合の用土作りは?
アンゲロニアを地植えにする場所が粘土質の場合は、腐葉土や川砂をたっぷりとすき込み、排水性を高くしてから植え付けましょう。用土をよく耕しておくと、根が成長しやすくなり立派な株に成長します。
アンゲロニアを地植えで育てている場合は、完全に根付いてしまえば降雨のみで十分なため、水やりの必要はありません。しかし、雨が全く降らずに地面が乾燥しすぎているようならば、様子を見ながら水を与えてください。鉢植えの場合は、土の表面が乾いてから水やりをします。水の与えすぎは、根腐れを起こして枯れる原因となるため注意が必要です。
肥料は、開花時期と同じ6月〜10月にかけて、リン酸を多く含んだ液体肥料を適量施してください。植え付けの用土に元肥として、緩効性の化成肥料を混ぜ込んでおいても構いません。肥料切れを起こすと花付きが悪くなるため、2週間〜3週間に1回は追肥をするのがコツです。
アブラムシは年間を通して発生しやすい害虫です。集団で寄生し、アンゲロニアの栄養分を吸汁しながら成長します。数が少ない場合はガムテープなどに貼り付けて駆除しますが、大量発生している場合は殺虫剤を散布してください。光り物が苦手な性質を利用して、園芸用のシルバーテープを張り巡らせておくとアブラムシの発生を予防できます。
灰色カビ病は、カビの菌糸が原因で発生する病気です。感染した部分が灰色の楕円形状に変色するのが特徴で、放置すると腐敗が始まり悪臭を放つようになります。灰色カビ病に感染した部分は薬剤を散布しても治せないため、ほかの部分への感染を防ぐためにも、早めに切り取って処分しましょう。
アンゲロニアは、花後に花がらを放置するとカビが発生しやすくなります。カビが原因の病気に感染して枯れる恐れがあるため、花後はこまめに花がら摘みを行い株を清潔に保ちましょう。
アンゲロニアをポット苗の状態で購入する場合は、葉につやがあり、茎がまっすぐ上に伸びている苗を選びましょう。春に購入する場合は、花芽のたくさんついている苗がおすすめです。葉の裏側までしっかりとチェックして、病害虫被害を受けていない苗を購入してください。
アンゲロニアは日本では一年草に分類されていますが、温度を保てば冬越しができます。冬越しさせた鉢植えのアンゲロニアは、根詰まりを防ぐために5月〜7月に植え替えましょう。根を傷つけないように丁寧に掘り起こし、根についている古い用土を落としてください。ひと回り大きな鉢を用意し、新しい用土をたっぷりと入れてから植え替えます。
アンゲロニアの剪定は7月〜8月に行います。茎が伸びすぎている部分や、葉が込み入っている部分を剪定し、草姿を整えていきましょう。花が咲き終わった部分から重点的に剪定してください。わき芽の上を剪定し、草丈を半分程度の高さまで切り戻すと、新しい花芽がつきやすくなります。
アンゲロニアは耐寒性が強く、地植えでも夏越しが可能です。夏の暑さには強いですが、直射日光に長く当たると、葉焼けを起こして枯れる恐れがあります。地植えで日当たりがよすぎる場合は、遮光ネットや寒冷紗などを使用して30%〜40%ほど遮光しておくと安心です。
アンゲロニアは、原産地の中南米では冬越しできる「多年草」の植物です。しかし、熱帯植物のため、日本の環境では冬越しさせるのが難しく「一年草」に分類されています。温室や一日中暖房の効いた室内で管理すれば冬越しが可能です。屋外で地植えで育てている場合は、冬越しできないので注意してください。
アンゲロニアは花後に種子をつけるため、種まきで増やしていきましょう。種を採取する場合は、花後に立ち枯れるまでそのまま育てます。種子が黒くなり、完全に立ち枯れたら花茎から切り取ってください。種子を軽く振って中から種を取り出します。種まきに適した時期は5月〜6月のため、それまでは種を新聞紙などに包んで日陰で管理してください。
アンゲロニアは、6月〜7月にかけて挿し木でも増やせます。健康に育っている部分を選び、先端から2節ほどの部分で切り取ってください。切り口を水に浸して30分ほどたっぷりと水を吸わせるのがポイントです。水揚げしたら赤玉土などの挿し木用の用土に挿して、発根するまでは水切れを起こさないように、風通しのよい日陰で管理しましょう。
アンゲロニア
参考価格: 330円
アンゲロニアは育て方が簡単で、ガーデニング初心者にもおすすめの植物です。耐暑性が強いため、夏に花壇に植えっぱなしにしても次々と花芽をつけ、元気いっぱいに咲き続けます。
花色 | 紫、ピンク |
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おすすめ度 | ★★★★★ |
出典:写真AC