アンゲロニアとは
アンゲロニアとは熱帯から亜熱帯地域に30種類ほど分布する熱帯植物で、日本には比較的新しく入ってきた品種です。色数が多く小さい花が次々にたくさん咲き、立ち性や這い性などがあります。草丈も大きいものから小さいものまで種類があるので、ガーデニング向きです。原産国では多年草ですが、5℃を下回ると枯れてしまうので、日本では1年草扱いされています。
基本情報
学名 | Angelonia salicariifolia Humb.et.Bonpl. |
科属 | ゴマノハグサ科(オオバコ科)アンゲロニア属 |
原産国 | 中央アメリカ、南アメリカ、西インド諸島 |
形態 | 多年宿根草(日本では1年草扱い) |
草丈 | 20cm~60cm(原産国では)100cm |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
耐乾性 | 弱い |
別名 | アンゲローニア、アンゲロンソウ、ヤナギバアンゲローニア |
開花時期 | 6月~11月 |
アンゲロニアの特徴
寒さに弱い特徴があるので、寒冷地では鉢植えがおすすめです。アンゲロニアの花は見る人によって様子が違うようで、名前の由来がラテン語で天使を意味する「angelos(アンゲロス)」なことから天使に見えたり、金魚や、骸骨が大きな口を開けているように見えたりします。熱帯植物なので高温多湿に強く、日本の夏でも元気に花を咲かせるのが特徴です。
開花時期
アンゲロニアの開花時期は初夏~晩秋です。6月ころから次々と開花し、成長しながら花を咲かせ続けます。寒さに弱いので5℃を下回ると枯れてしまいますが、肥料と水やりをし、温度の高い室内へ移動すれば12月まで開花することもあるようです。温暖な地域では地植えでも晩秋まで開花しますし、寒冷地でも鉢植えで管理すれば開花時期を延ばすことができます。
アンゲロニアの花言葉
アンゲロニアの花言葉は特徴的で、言葉にこだわる方への贈り物としてはあまり向きません。「過去の恋人、無遠慮、拒否、片思いの恋」だからです。名前の由来が天使なのに、大口をあけた骸骨に見えることがあるからこのような不名誉な花言葉がつけられたようです。誕生花にも選ばれていないことからすると、見た目が要因になっているのでしょう。
アンゲロニアの種類
アンゲロニアには30もの種類があります。一般的に流通しているのが、サリカリフォリア種とアングスティフォリア種です。どちらも区別なく店頭にあり交配種もあります。サリカリフォリア種は花が大きく茎も長く育ちますが、花数は少なめで耐寒性がありません。多く出回っているアングスティフォリア種は花数も多く耐寒性があるので、園芸品種として種類が多いです。
種類が多いアングスティフォリア種からいくつかご紹介しますね。「エンジェルラベンダー」と言う名前で出回っていることもありますが、ラベンダーの仲間ではありません。
アークエンジェル
アークエンジェルはアングスティフォリア種の中で最も大きな花を咲かせるのが特徴です。立ち性で40cm~50cmと茎もよく伸びるので、花の重さで倒れないように早めに支柱をたてます。花の直径は3cmで、色は淡いピンク、白、チェリーレッド、ラベンダー、紫、ブルーバイカラーなどです。高さがあるので他の花に埋もれてしまわずに存在感があります。
セレナ
セレナはやや小型の立ち性で25cm~30cmくらいまで成長します。花の大きさは1cm程度で数を多くつけます。アンゲロニアは大型になると上のほうに多く花がつく傾向がありますが、セレナは枝分かれがよくまとまりがありバランスよいので、剪定しなくてもよい品種です。花がこんもりと咲きます。色は白、スカイブルー青、紫、ラベンダーなどがあります。
セレニータ
セレニータはアングスティフォリア種の中では一番小型のアンゲロニアで、20cm~30cmに成長します。花数が多い這い性で草丈が低いので、植木鉢やプランター、コンテナなどで育てると入れ物を覆うくらいに枝分かれして存在感は抜群です。色は白、ピンク、ラズベリー、ラベンダー、紫、スカイブルーなどがあります。耐病性も強いです。
エンジェルフェイス
エンジェルフェイスは60cmくらいまで育つ、草丈では一番大型のアンゲロニアで分枝力が強いのが特徴です。枝が多い分花数も多く、2cm~2.5cmの大きく華やかな花を咲かせます。色は白、ピンク、ラベンダー、スノーブルーなどです。エンジェルフェイスシリーズのなかでもウェッジウッドブルーは白とラベンダーブルーが入り混じり清涼感があります。
カリータ
カリータシリーズはニーハイプラントと呼ばれ、膝丈の30cm~40cmまで成長する種類です。這い性で大きくなりすぎないので、ガーデニングでは中盤の色どりとして植えるとよいでしょう。色は紫、濃紫、濃紅、白、ラズベリーなどがあります。他のアンゲロニアと同じく耐暑性が強く、丈夫なので夏の暑さにも負けず、よく花を咲かせます。
続いて、育て方や管理方法、増やし方などをご紹介しますね。
出典:flickr