エクメアはブラジルが原産の熱帯植物で、5月〜10月にかけて鮮やかなピンク色や赤色の花を咲かせるのが特徴です。常緑性のため、室内で観葉植物やインテリアグリーンとしても利用されています。
園芸部類 | 観葉植物、熱帯植物 |
形態 | 常緑性多年草 |
樹高・草丈 | 20cm~100cm |
花の色 | ピンク、赤、紫 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 常緑性、耐陰性がある、インテリアグリーン |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
エクメアは「シマサンゴアナナス」とも呼ばれている植物で、熱帯アフリカを中心に約180種類が分布しています。葉のふちに、ノコギリの刃のようなギザギザがあり、葉はロゼット状なのが特徴です。園芸店などで販売されているエクメアは、ほとんどが「エクメア・ファスキアタ」で、開花時期になるとピンク色の花を咲かせます。
名前の由来は?
エクメアは、ギリシャ語で「尖った」や「槍」という意味をもつ「aichme」という言葉を元につけられた名前です。別名の「縞珊瑚(シマサンゴ)アナナス」は葉に縞(しま)模様があり、花が珊瑚に似ているためにつけられました。「アナナス」は「パイナップル」を意味します。
花言葉は?
エクメアには「他人を思う気持ち」「思慕の情」という花言葉がついています。エクメアはいつでも美しい葉をつけており、葉の中心部分に赤色やピンク色の明るい花を咲かせるのが魅力です。素敵な花言葉がついているので、贈り物にも人気があります。
エクメア・フォスターズ・フェイバリット
参考価格: 3,600円
エクメア・フォスターズ・フェイバリットはあまり流通していないレア品種で、ワインレッドの葉が魅力的なエクメアです。穂状花序が垂れ下がるように成長していくのが特徴で、エキゾチックな雰囲気が楽しめます。
樹高 | 60cm〜80cm |
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葉色 | ワインレッド |
エクメア・ムルフォーディ・マルバ
参考価格: 12,626円
エクメア・ムルフォーディ・マルバは、白銀色に輝く葉が人気の品種です。90cm近くまで成長する大型の品種で、メタリックで独特な質感の葉をつけます。
樹高 | 80cm〜90cm |
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葉色 | 白銀色 |
植え付け時期 | 5月〜9月 |
植え替え時期 | 5月〜9月 |
肥料の時期 | 5月〜10月 |
剪定の時期 | 4月〜6月、10月〜11月 |
花が咲く時期/開花時期 | 5月〜10月 |
エクメアの栽培適期は?
エクメアは熱帯植物のため、屋外で管理する場合は5月上旬に植え付けをして、夏に花が咲くように管理すると、美しい咲き姿を長く楽しめます。耐寒性が弱く、寒冷地の場合は10月下旬に室内に取り込んでおくと安心です。
エクメアの開花時期は?
エクメアは、5月〜10月にかけて見応えのある立派な花を咲かせます。花は2日〜3日するとしぼみますが、苞(ほう)は長い間観賞できるのが特徴です。また、白色や赤色の葉をつける品種もあるため、美しい葉色や苞を一年中楽しめます。
エクメアは熱帯植物のため耐寒性が弱く、日本の環境で地植えのまま冬越しさせるのは難しいといわれています。そのため、基本的には植木鉢やプランターに植え付けて、季節ごとに置き場所を移動しながら育てましょう。
エクメアを上手に管理するには、季節ごとに室内や屋外に移動させるのがポイントです。春〜秋にかけては、屋外の適度に日光が当たる場所に置いて成長を促します。秋の終わりごろには、室内に移動させましょう。急激な温度変化を起こすと株が枯れたり弱ったりするため、室内に入れる場合は、徐々に室内の温度にならしていくのがポイントです。
室内で管理するコツは?
エクメアを室内で管理する場合は、エアコンの風が直接当たらない場所を選びましょう。置き場所は、優しく日光が差し込むようなレースのカーテン越しの窓辺がおすすめです。
エクメアは、日当たりと風通しのよい場所で管理しましょう。耐陰性があるため、ほかの植物が育ちにくいような半日陰でも栽培できますが、日光が全く当たらないと下葉から枯れ込んできます。葉が重なるように生えており、風通しが悪いと株が蒸れて病害虫被害を受けやすくなるため注意しましょう。
エクメアは「着生植物」のため、用土ではなく水苔やヤシ殻を使用して植え付けます。購入したばかりの水苔は、乾燥していたり圧縮されていたりするので、しっかりと水で戻しておきましょう。
着生植物とは?
着生植物とは土に根を伸ばさず、岩場や木の根元などに根を絡ませながら成長していく植物をさします。エクメアは着生植物に分類されているため、一般的な草花用培養土などでは育てられません。水苔やヤシ殻に根を巻きつけるようにして植え付けていきましょう。
エクメアは季節によって水やりの方法が異なるのが特徴です。春〜秋にかけては、エクメアの上部から雨を降らせるように水を与えましょう。エクメアは用土に水を与えるのではなく、筒状の葉に水をためておくように管理します。冬は筒を逆さにして水を抜き、定期的に葉水を行うのみにして、やや乾燥気味に管理してください。
エクメアは比較的丈夫な植物のため、肥料を与えなくても問題なく育ちます。しかし、株を大きくしたい場合や成長が滞っている場合は、5月〜10月にかけて緩効性の化成肥料を株元に適量施してください。観葉植物やインテリアグリーンとして育てている場合は「有機質肥料」よりも「化成肥料」を使用すると肥料独特の臭いが気にならず、コバエの発生も予防できます。
カイガラムシは、名前のとおり貝殻のように硬い甲羅に守られている害虫です。集団で寄生して、エクメアの栄養分を吸汁しながら成長するため、エクメアが弱ったり枯れたりします。殺虫剤が効きにくいので、歯ブラシなどで直接払い落として駆除してください。カイガラムシは多湿の環境を好むため、風通しのよい場所で管理して発生を予防しましょう。
斑点病はカビの菌糸が原因で発生する病気です。感染した部分に、茶色や黒色の斑点が現れる病気で、葉の光合成が妨げられて株が枯れる恐れがあります。感染した部分は薬剤を散布しても治せないため、ほかの部分への感染を防ぐためにも、早めに切り取って処分しましょう。
エクメアは、花後に花がらを放置するとカビが発生しやすくなります。カビの菌糸が原因で発生する「灰色カビ病」に感染する恐れがあるため、剪定もかねてこまめに花がら摘みを行い、株を清潔に保ちましょう。
エクメアをポット苗の状態で購入する場合は、葉につやがあり、適度に潤いを保っている状態の苗を選びましょう。葉の裏側までしっかりとチェックして、病害虫被害を受けていない苗を購入してください。開花時期が近い場合は、花芽のたくさんついている苗がおすすめです。
エクメアは耐暑性が強いですが、夏の直射日光に長く当たると、葉焼けを起こして枯れる恐れがあります。株が弱っている場合は、軒下や室内に移動させましょう。
エクメアは熱帯植物のため耐寒性が弱いのが特徴です。秋の終わり頃から室内に取り込み、寒さをしのげる場所で冬越しさせましょう。昼間は日当たりのよい窓辺で管理しますが、夜は冷え込むため窓から離しておくのがおすすめです。暖房器具に近づけすぎないように注意してください。
エクメアは5月〜6月にかけて、株分けで増やしていきましょう。子株の葉がたくさんついている部分を選び、親株から遠い場所で切り落としてください。大きく育っている部分を切り取ると、中心部分が筒状になり上手に着生しない場合があります。切り離した子株は水苔などに植え付けて、筒状になった葉に水をためておきましょう。
出典:写真AC