アマドコロは日本や中国、朝鮮半島が原産の落葉性多年草です。日本全国の山や野原に自生しており、4月〜5月にかけてスズランによく似た白色の花を咲かせます。
園芸部類 | 草花、山野草 |
形態 | 多年草 |
樹高・草丈 | 30cm~60cm |
花の色 | 白 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 球根植物、落葉性、切り花、初心者向け |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
アマドコロは日本全国の山野に広く自生しており、耐寒性や耐暑性が強く、ガーデニング初心者でも育てやすい植物です。春の新芽は山菜として利用できるのが魅力で、天ぷらやおひたしにするとおいしく食べられます。根茎部分に甘みがあり、煮物やかき揚げにするのもおすすめです。
アマドコロは新芽や根茎が食べられる魅力的な植物です。しかし、花後につける紫色の実は、毒成分を含んでいるため食べられません。ブルーベリーのような見た目をしていますが、大量に食べると吐き気や腹痛を引き起こす恐れがあるので注意してください。
名前の由来は?
アマドコロは漢字で「甘野老」と表記されます。アマドコロの根茎部分が、ヤマノイモ科の「野老(トコロ)」に似ており、食べると甘みがあるので「甘野老(アマドコロ)」と名付けられました。
花言葉は?
アマドコロの花言葉は「元気を出して」「心の痛みの分かる人」「小さな思い出」です。アマドコロの根茎を乾燥させたものが、漢方や生薬として利用されているため「元気を出して」という花言葉がついています。
覆輪アマドコロ
参考価格: 820円
覆輪アマドコロは、葉の外側にクリーム色の斑が入っているのが特徴です。アマドコロの品種の中でも開花時期が長く、4月下旬〜6月上旬まで開花が楽しめます。フラワーアレンジメントや切り花のアクセントなどにも利用されている品種です。
草丈 | 40cm〜60cm |
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開花時期 | 4月〜6月 |
白縞斑アマドコロ
参考価格: 872円
白縞斑(しろしまふ)アマドコロは、葉全体に白色のラインが入る品種です。花壇に爽やかな印象を与えてくれるのが魅力で、寄せ植えにも人気があります。
草丈 | 30cm〜40cm |
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開花時期 | 5月 |
植え付け時期 | 3月、11月〜12月 |
植え替え時期 | 3月、11月〜12月 |
肥料の時期 | 3月〜6月、9月 |
剪定の時期 | 4月〜5月、12月 |
花が咲く時期/開花時期 | 4月〜5月 |
アマドコロは、地植えでも鉢植えでも育てられます。地植えにする場合は、根茎が大きく成長するため、広いスペースを確保してから植え付けてください。プランターの場合は、株間を20cm以上余裕をもってあけておくのがおすすめです。鉢植えの場合は5号~6号程度の鉢を使用して、1つの鉢に1株ずつ植え付けましょう。
アマドコロは、日当たりと風通しのよい場所で管理してください。室内で育てる場合は、レースのカーテン越しの窓辺など、優しく日光の差し込む場所がおすすめです。葉が密に茂るので、風通しのよい場所で管理して病害虫被害を予防しましょう。
葉が黄色く変色する場合は?
アマドコロは耐陰性があるため、ほかの植物が育ちにくいような半日陰でも育てられます。しかし、日光が全く当たらないと茎だけが間延びしたり、葉が黄色く変色したりして、下葉から枯れ込んでくる恐れがあるので注意してください。
アマドコロは排水性の高い用土で育ててください。市販されている「草花用培養土」や「山野草用培養土」を使用しても構いません。自分で配合する場合は、赤玉土の小粒と腐葉土をよく混ぜ込んだ用土を使用してください。
地植えにする場合の用土作りは?
アマドコロを地植えで育てる場合は、腐葉土をたっぷりとすき込んでおくのがポイントです。地植えにする場所が粘土質だと、球根が腐って枯れる恐れがあるため、川砂やバーミキュライト、パーライトなどを混ぜ込み、水はけをよくしておきましょう。用土をしっかりと耕してふかふかの状態にしておくと、根が成長しやすくなり立派な株に育ちます。
アマドコロを地植えで育てている場合は、完全に根付いてしまえば降雨のみで十分です。鉢植えの場合は、土の表面が乾ききってから水やりをします。乾燥には強いですが多湿に弱いため、鉢底に溜まった水はすぐに捨てて、用土が乾きやすいように管理してください。冬は休眠期に入り水をあまり吸わなくなるので、水やりは控えめに行います。
アマドコロは、山や野原に自生している丈夫な植物のため、肥料を与えなくても問題なく育ちます。しかし、株を大きくしたい場合には、3月〜6月と9月に緩効性の化成肥料をひとつまみ株元に与えましょう。肥料の与えすぎは、肥料やけを起こして枯れる原因となるので避けてください。
地植えの場合は?
アマドコロを地植えで育てている場合は、元肥として腐葉土や堆肥をたっぷりとすき込んでおくと、追肥をしなくても立派な株に育ちます。
コウモリガは「ナミコウモリ」とも呼ばれている害虫で、アマドコロの茎に侵入して内側から食害するのが特徴です。ワイヤーなどを使用して茎の中から引っ張り出すか、殺虫剤を散布して駆除しましょう。
さび病は、梅雨などのジメジメした季節に発生しやすい病気です。感染した部分が茶色や褐色に変色するのが特徴で、葉の光合成が妨げられます。さび病に感染した部分は薬剤を散布しても治せないため、ほかの部分への感染を防ぐためにも早めに切り取って処分してください。
アマドコロは、花後に花がらを放置すると「灰色カビ病」に感染する可能性があります。そのため、花後はこまめに花がら摘みを行い、株を清潔に保ちましょう。
アマドコロをポット苗の状態で購入する場合は、葉につやがあり、花芽がたくさんついている苗を選びます。葉の裏側までしっかりとチェックして、病害虫被害を受けていない苗を購入してください。
アマドコロの植え替えは、植え付けと同じ3月か11月〜12月に行います。根についている古い用土を落としてから、新しい用土に植え替えましょう。完全に根付くまでは水切れを起こさないように、風通しのよい日陰で管理してください。
植え替えは必要?
アマドコロを地植えで育てている場合は、4年〜5年ほど植えっぱなしで構いません。鉢植えの場合は、根詰まりを起こしたり球根の成長がかたよったりするため、2年〜3年に1回は植え替えましょう。植え替えの際に、株が大きくなっている場合は株分けするのがおすすめです。
剪定は4月〜5月か12月に行います。葉が込み入っている部分や、茎が伸びすぎている部分を剪定し、草姿を整えていきましょう。4月〜5月は花がら摘みをかねて、花が咲き終わった部分から切り戻します。12月は休眠期のため、地上部に残っている枯れた部分を剪定してください。
アマドコロは耐暑性の強い植物ですが、夏の直射日光に長く当てると、葉焼けを起こして株が弱ったり枯れたりします。鉢植えの場合は、ほかの植物の陰や軒下などに移動させましょう。地植えの場合は、寒冷紗を使用して30%〜40%遮光しておくと安心です。
アマドコロは落葉性のため、冬は葉がない状態で冬越しします。地上部に残っている枯れた茎や葉をしっかりと取り除き、春に新芽が出やすい環境を整えておきましょう。
3月〜4月に大きく成長した株を選び、株分けで増やていきましょう。根を傷つけないように丁寧に掘り起こし、根茎部分を手で優しくほぐしながら株分けしてください。根茎が乾くと発芽率が下がるため、株分けしたらすぐに植え付けるのがポイントです。
出典:写真AC