さび病とは?病気の原因と対策方法を解説!治療に効果的な薬剤はどれ?

さび病とは?病気の原因と対策方法を解説!治療に効果的な薬剤はどれ?

植物を育てていると、病気を避けて通ることはできません。この記事では、多くの植物がかかる病気「さび病」についてまとめました。さび病の原因と有効な対策、予防と治療に効果のある農薬などをご紹介します。また、さび病にかかった野菜は食べられるかどうかもお伝えします。

記事の目次

  1. 1.さび病とは?
  2. 2.さび病の原因
  3. 3.さび病の対策
  4. 4.さび病にかかっても食べられる?
  5. 5.植物ごとの症状と対策
  6. 6.まとめ

さび病とは?

出典:写真AC

多くの植物がかかるポピュラーな病気に、さび病があります。赤さびのような色の斑点が、立体的に盛り上がったり、粉を吹いた状態になったりするのが特徴です。最初は葉の裏に白っぽい斑点としてあらわれることもあり、気づきにくいですが、放置すると進行し、光合成ができずに株が枯れてしまうこともあります。病気の原因を知り、適切な対策をおこないましょう。

主な症状

初期症状は、葉の裏や表に生じる黄白色の小さな斑点になります。進行すると斑点が拡大し、赤さびのような色に変化し、立体的に盛り上がってきます。最初は葉の裏に斑点ができた植物でも、次第に葉の表にも出現するようになります。斑点に覆われて症状が重くなると、葉や茎の形が変形し、ひどい場合には株そのものが枯れてしまいます。

主な発生部位

最も発生しやすいのは葉の部分で、とくに最初は葉裏にできやすい傾向があります。野菜の様子を見るときは葉の裏側までよく観察し、早期に対処できるようにしましょう。茎、バラなどの花、果実などに発生することもあります。さび病は見た目がわかりやすく変化する病気ですので、こまめにチェックするようにしてください。

主な発生時期

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さび病は主に春と秋を中心に発生します。24度以上では病原菌の胞子が発芽しないため、真夏はあまり発生しません。また、さび病の原因となる菌は生きた植物に寄生する特徴をもつため、植物が枯れる冬は病気が発生しづらくなります。植物によって違いはありますが、おおむね4月~11月の間は警戒を続けましょう。

さび病の原因

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病気の原因は「さび病菌」というカビ(糸状菌)の仲間です。キノコと同じ、担子菌類に分類されています。一口に「さび病菌」といっても、原因菌は多種多様です。菌の種類によって感染する植物が決まっていて、ネギに赤さびのような病斑をつくる病原菌はニラには感染しない、大根に感染する病原菌はワサビには感染しないといった特徴があります。

さび病の種類

原因となるさび病菌の種類によってさまざまな色の病斑が生じるため、斑点の色によって名前がつけられています。灰色カビ病、黒さび病、白さび病といった呼び分けがあり、赤さびのような色をしたものは黒さび病の一種です。茎に発生する斑点は茎さび病と呼ばれることもありますが、葉に感染するさび病と同じ菌による病気です。

さび病菌の感染経路

さび病菌の浸食がすすむと、赤さび色の斑点の表皮が破れてさび病菌の胞子が空気中に飛散します。この胞子が風に乗り、ほかの株に付着することで感染が広がります。また、さび病に感染した植物の根っこは、さび原菌の越冬場所になります。これを残しておくと次に植える作物への感染源となってしまうため、感染した株の根は完全に取り除いてから土づくりにとりかかりましょう。

さび病の発生条件

水滴があると胞子が発芽するため、秋頃に朝露がおりる時期にはとくに大量発生します。春と秋に雨が多く、湿度が高い場合や、昼夜の温度差が大きく、葉の表面が結露する場合でも同様に注意が必要です。また、窒素が多すぎる土壌では植物が弱くなりやすいため、さび病以外の病気にもかかりがちになります。水はけや風通しの悪さも、病気を助長する原因となります。

さび病の予防方法

日ごろから病気になりにくい条件をととのえ、元気な株に育てておくことが重要です。植え付け時に排水と風通しをよくするだけでなく、雑草の除去もおこないましょう。肥料は窒素過多にならないよう、また肥料が不足しないよう、適切に与えてください。さび病の発生が確認されたら、空気感染を避けるため、その近くでの新しい栽培は控えることも必要です。

予防用の農薬

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予防には、事前に農薬を散布することも有効です。1回だけでなく、定期的な散布で効果が高まります。STサプロール乳剤、サンケイエムダイファー水和剤、ユニフォーム粒剤、ジマンダイセン水和剤などが予防的に使用できます。なお、これらの薬剤は有機JAS認証の栽培では使用できません。栽培方法に合わせて薬剤を選んでください。

さび病の対策

出典:写真AC

さび病に効果がある手段としては、病気にかかった葉っぱや茎の除去、石灰を土にまくこと、農薬の散布があげられます。早め早めに対策していけば、病気にかからなかった部分の栽培を続けられますし、他の健康な株を感染から守れます。畑がよその畑と隣接している場合には、大規模な被害をおさえる意味でも、より早めの対策を心がけましょう。

さび病の対策①発病した葉の除去

まずは、葉など発病した部位を取り除きましょう。残しておくと病気が進行し、ほかの株への感染源になるため、見つけ次第除去を徹底してください。赤さびのような色になる前に除去できれば、胞子が飛散しないので感染を食い止められます。除去した病変部は焼却が基本です。早期に対策できるよう、日常的に作物の見回りをおこないましょう。

さび病の対策②石灰をまく

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さび病菌は酸性を好み、逆にアルカリ性は苦手という特徴があります。そのため、畑の土に石灰をまいて土壌をアルカリ性に傾けると、菌の広がりを抑制することができます。石灰類は通常、時間をかけてなじませ、土壌改良するときに使いますが、すでに畑で植物が育っている場面では、使用するタイミングを気にしなくてよい有機石灰がおすすめです。

さび病の対策③農薬を使う

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農薬をもちいた殺菌も有効な対策です。野菜と農薬の組み合わせによっては収穫直前まで使えるものもありますが、効果を高めて使用量をおさえるためには早めの対処が大切です。それぞれの農薬の使用方法をよく確認し、使い過ぎにならないよう使用してください。目に入らないようにする、吸い込まないようにするなどの対応も、必要に応じてとりましょう。

有機栽培用の農薬

有機栽培でさび病が発生した場合には、有機JAS認証の栽培で使用できる「カリグリーン」がおすすめです。さび病の予防と治療、また予防には使えないもののうどんこ病と灰色かび病の治療にも効き目があります。トマト、その他の野菜、ブルーベリー、りんご、麦類、花き類、観葉植物と使える作物が多く、カリ肥料としての役割も果たしてくれるのが特徴です。

有機栽培以外で使える農薬

Photo bywuzefe

有機栽培以外で発生したさび病には、多くの農薬が使用できます。

  • アミスター20フロアブル
  • ストロビーフロアブル
  • ダコニール1000
  • シグナムWDG
  • トリフミン水和剤
  • ベルクート水和剤
  • ジマンダイセン水和剤
以上のような薬剤がさび病に対して有効です。被害にあった作物に対応する農薬を選び、適切に使用していきましょう。

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さび病にかかっても食べられる?

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