園芸部類 | 草花 |
形態 | 一年草、二年草 |
樹高・草丈 | 50cm~150cm |
花の色 | 白色、ピンク、紫色、青色など |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 普通 |
特性・用途 | 切り花としても人気 |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
カンパニュラ・メディウムはカンパニュラの中でも代表的な存在です。釣鐘型の花をうつむき気味に咲かせるのが特徴で、ツリガネソウとも呼ばれます。ひとつの茎にたくさんの花が連なって咲き、満開期は実に華やかです。カンパニュラの仲間は多年草タイプが多いですが、カンパニュラ・メディウムは基本的に二年草で冬の寒さに当てることで翌年花を咲かせます。
カンパニュラ・メディウムはその人気の高さから品種改良が進み、初心者でも育てやすい「早生品種」が生まれました。通常品種は花芽をつけるためにある程度育った株を冬の寒さに当てる必要があり、秋までに株を育てて冬越しさせ春に花を咲かせるのが一般的です。早生品種であれば寒さに当てる必要がなく、秋に種まきすると翌年の初夏には開花します。
カンパニュラ・メディウムの花言葉を教えてください。
カンパニュラ・メディウム独自の花言葉はありませんが、カンパニュラ全体の花言葉は感謝、誠実、節操、不変です。ツリガネソウという別名から分かるようにベルの形をした花がたくさんつくことから、おしゃべり、うるさいという花言葉もつけられました。
Campanula Cup & Saucer
参考価格: 513円
カップアンドソーサーは、カンバニュラメディウムの中でも人気の高い品種です。人気の理由はソーサー(受け皿)にティーカップがのっているような花の形のユニークさにあり、名前の由来にもなっています。草丈は80cmほどまで伸び花の大きさも7~8cmと大ぶりで、1株植えるだけでも華やかな印象を与えます。庭植えや鉢植えはもちろん、切り花としてもおすすめです。
花色 | 紫色、薄紫色、白色、淡いピンク色など |
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草丈 | 80cm |
おすすめ度 | ★★★★☆ |
タキオンは成長しても50cmほどのコンパクトなタイプで、植木鉢やプランターなどで育てやすいカンパニュラです。コンパクトな草丈ながらも、花茎5~7cmの大ぶりで見ごたえのある花を咲かせます。花色は白色や紫色、青色などがありますが、中でも「タキオンブルー」と呼ばれる淡いブルーの花を咲かせるタイプが人気です。茎が太く切り花としても重宝します。
花色 | 白色、紫色、青色など |
草丈 | 40cm~50cm |
おすすめ度 | ★★★★☆ |
種まき時期 | 5月~6月、8月下旬~9月中旬 |
植え付け時期 | 9月下旬~10月中旬 |
切り戻しの時期 | 6月~7月上旬 |
花が咲く時期/開花時期 | 5月~7月 |
カンパニュラ・メディウムの種まき時期は品種によって異なります。通常の二年草タイプであれば5月~6月、早生タイプであれば8月下旬~9月中旬が適期です。早すぎても遅すぎても成長に悪影響を与えたり花が咲かなかったりする可能性が高まるため、適期を守って種まきしましょう。
カンパニュラ・メディウムは日が当たらないとうまく成長できず花が咲かないこともあり、日当たりのよい場所を好みます。ただし耐暑性は強くなく、真夏の直射日光や強い西日が当たらない場所での管理がおすすめです。病気予防のためにも風通しのよい場所が向いています。
地植えでも鉢植えでもよく育ちます。強い日差しに当てないように、鉢植えの場合はその都度移動させましょう。地植えの場合は事前に日の当たり具合を確認してから植え付け場所を決めてください。庭全体に強い日が当たるようであれば、熱がこもらないようになるべく風通しのよい場所に植え付けて日除けを立てて対応しましょう。
カンパニュラ・メディウムは、有機質の多く含まれた水はけのよい土を好みます。市販の草花用培養土を使うか、自作する場合は赤玉土(小粒)6:腐葉土4に元肥として粒状の緩効性肥料を混ぜて準備しましょう。
酸性土壌は苦手であり、庭の土質にもよりますが苦土石灰などで中和することをおすすめします。苦土石灰は馴染むのに時間がかかることもあり、植え付けの1~2週間前までに作業を済ませてください。粘土質や赤土など水はけのよくない土では育ちにくいです。庭の土の水はけがよくなければ、腐葉土や堆肥を混ぜて土質改善に努めましょう。あとは元肥として緩効性肥料を混ぜ込むだけです。
カンパニュラ・メディウムは多湿状態が苦手で、水の与え過ぎには注意が必要です。鉢植えと地植えの水やりの仕方のポイントをしっかり押さえておきましょう。
春~秋の成長期には、土表面が乾いたタイミングでたっぷりと水やりしましょう。冬は成長が緩慢で水をあまり必要とせず、土表面が乾いて2~3日待ってから水を与える程度で十分です。土が凍るとうまく冬越しができないため、冬の水やりは気温の高い時間に済ませてください。
植え付け時にたっぷりと水を与えた後は、基本的に降雨のみで問題ありません。夏場の晴天続きで乾燥がひどい場合や長く雨が降らず葉がしおれているときには水やりしてください。冬に水を与える場合は、地面が凍らないように気温の高い時間に済ませましょう。
鉢植えで育てる場合は水やりの際に肥料が鉢の外へ流れ出やすく、成長促進のためにも追肥が大切です。成長期を迎える少し前の3月ごろに緩効性肥料を施してください。開花期間中は1週間~10日に1回を目安に、水代わりに液体肥料を与えて株の勢いを保ちましょう。
成長期を迎える準備として、3月ごろに緩効性肥料を施しましょう。以降は生育が悪い場合にのみ週に1回を目安に液体肥料を与える程度で十分です。あまり肥料を与え過ぎると、茎や葉ばかリが育ち花つきが悪くなることがあります。
アブラムシは吸汁加害するだけでなく、病気の媒介をする害虫です。増殖しやすく増えると完全に駆除するのは難しいこともあり、見つけ次第すぐの捕殺が大切です。大量発生したときは、薬剤散布で対応しましょう。
ヨトウムシは蛾の幼虫で、葉を食い荒らす厄介な害虫です。食欲旺盛で一晩で葉を食べつくすこともあることから、見つけ次第すぐに捕殺しましょう。葉裏に卵を産みつけて増殖するため、日ごろから注意深く観察し羽化直後の小さいうちに発見するのが被害拡大を防ぐポイントです。夜に活動することもあり、夜間の方が捕まえやすいです。
菌核病や根腐れ病、斑点病、灰色カビ病などに気をつけましょう。いずれも多湿で通気性の悪い場所で発生しやすい菌やカビが原因の病気です。通気性の確保や切り戻しなどを行い、蒸れにくい環境づくりに努めてください。事前に殺菌剤をまいておくのも効果的です。発生した場合はすぐに患部を切り取り被害拡大を防ぎましょう。
カンパニュラ・メディウムの花が終わったら早めに花がら摘みをすると、次々に花を咲かせます。こまめに花がら摘みすることでほかの花に栄養が行き渡り、結果的に花が増えるわけです。花をそのまま放置すると種をつけようとして株が消耗し、花が咲かなくなることもあり注意が必要です。花が終わったら枯れる前に摘み取ることで、病害虫予防にもつながります。
カンパニュラ・メディウムは種からでも育てられます。発芽適温は約20℃で、二年草タイプは5月~6月、早生タイプは8月下旬~9月中旬が種まきの適期です。暑さが苦手なことから、直まきせずに種まき用のトレイなどにまくほうが管理がしやすくておすすめです。
種まき用のトレイにバーミキュライトなどの清潔で水はけのよい土を入れ、種どうしがくっつかないようにばらまきます。発芽に光が必要な性質を持つ好光性種子のため、土はかけすぎず軽く覆土する程度にとどめましょう。乾燥しないように水やりしつつ、明るく風通しのよい場所で管理してください。約10日ほどで発芽します。
発芽後は暑さで弱らせないためにも、通気性のよい半日陰の場所で管理します。密集している場合は、成長のよいものを残して適度に間引きしてください。本葉が2~3枚になったらポリポットなどに鉢上げします。日当たりのよい場所に置き、土表面が乾いたタイミングで水やりしながら育成しましょう。
苗から育てる場合は、茎が太くしっかりとしており葉が変色していないものを選びましょう。病気の兆候がないか、害虫がついていないかも確認してください。
草丈が高い品種の場合は、倒れないように6号以上のサイズの鉢を選びましょう。鉢底ネットを設置し水はけをよくするために鉢底石を2~3割ほど敷いたら、鉢の半分ほど土を入れます。ポリポットから根を傷つけないように優しく苗を取り出し、鉢の真ん中に置いて上から土を足してください。土表面を軽く整えて水をたっぷり与えたら完了です。
ポリポットから優しく苗を取り出し、土作りを済ませた場所に植え付けます。数株植える場合は株間を20cm~25cmほどとりましょう。土表面を軽く整えたら、水をたっぷり与えてください。
植え替えせずに植えっぱなしにしていてもよいですか?
カンパニュラ・メディウムは多年草ではなく一年草または二年草であり、植え替えの必要はなく植えっぱなしで大丈夫です。
草丈の高い品種を育てる場合は風や花の重みで倒れやすくなることから、支柱をたてることをおすすめします。植え付け後苗がひざ丈ほどにまで成長したら、花茎に沿わせるように支柱を1本立てます。長さは草丈にあわせて調整してください。
花穂の8割ほどの花が咲き終わったら、花茎の付け根までばっさりと切り戻しましょう。付け根にある花芽を傷つけないように気をつけてください。早めに切り戻しすることで脇芽が伸びて二番花を楽しめます。
カンパニュラ・メディウムの切り戻しは必ずしたほうがよいですか?
切り戻しすることで二番花を楽しめるだけでなく通気性の確保につながり病害虫を防げることから、できる限り切り戻しをしたほうがよいでしょう。ただし株が小さいタイプや茎葉があまり茂らないタイプは、無理に切り戻ししなくても大丈夫です。
基本的に特別な夏越し対策はありません。ただし、真夏の直射日光や強い西日、暑さは苦手なため、鉢植えの場合は状況に応じて風通しのよい半日陰に移動させましょう。地植えの場合は植え付け前に適切な場所選びをしてください。強い日差しが当たる場所に植え付けてしまった場合は、日よけを立てて対応しましょう。
根を凍らせない限りは問題なく育ちます。冬は基本的に水をあまり必要としませんが乾燥がひどく水やりしたい際には、根を凍らせないように気温が高い間に済ませましょう。
カンパニュラは球根植物ではなく、種で増える植物です。増やしたい場合は種まきしましょう。
カンパニュラ メイ ピンク
参考価格: 430円
日本で多く出回っている「メイ」はカンパニュラ・メディウムの中でも代表的な存在で、サカタのタネが開発した世界初のF1品種です。二年草が基本だったカンパニュラ・メディウムを一年草に改良することで成長が早くなり、秋に種をまくと翌年の春には花を咲かせます。開花率が高く、カンパニュラ栽培初心者の方に特に人気が高いです。
花色 | ピンク |
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草丈 | 80cm |
おすすめ度 | ★★★★☆ |
出典:写真AC