さくら草は白色やピンク色、紫色の小さな花を咲かせる多年草で、日本列島が原産の植物です。花色だけでなく品種によって花弁の大きさや形も異なるため、自分好みのさくら草を探す楽しみもあります。
園芸部類 | 草花、山野草 |
形態 | 多年草 |
樹高・草丈 | 10cm〜20cm |
花の色 | ピンク、白、紫、複色 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 普通 |
特性・用途 | 落葉性、花壇の寄せ植え |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
さくら草の歴史は古く、江戸時代から山や野原に自生していたという歴史があります。開花時期は4月〜5月で、開花が終わると葉が黄色く枯れ込み休眠期に入るのが特徴です。多年草のため、暑さがやわらぐと再び春の開花に向けて成長を始めます。
さくら草の花弁は5枚で、真ん中に切り込みが入っています。ハート型の花弁が5枚集まっている様子が「桜」の咲き姿にそっくりなため「桜草(さくらそう)」と名付けられました。
「京鹿の子(きょうがのこ)」は、広かがり弁という花弁の形が特徴的な品種です。花弁の先にいくつもの切り込みが入っており、薄ピンク色や紫色の花を咲かせます。
「桜川(さくらがわ)」は、さくら草の品種の中で大輪の花を咲かせる品種です。ハート型をした白色やピンク色の花弁がかわいらしく、ガーデナーにも人気があります。
植え付け時期 | 2月〜3月、9月〜10月 |
追肥の時期 | 3月〜4月 |
剪定の時期 | 5月〜6月 |
花が咲く時期/開花時期 | 4月〜5月 |
さくら草は、地植えでも鉢植えでも育てられます。地植えで花壇の寄せ植えとして育てる場合は、草丈が低いので花壇の前側に植え付けるのがおすすめです。プランターや鉢植えにする場合は、横に大きく広がる性質があるため、株間を10cm〜20cmほどあけて植え付けましょう。
さくら草は日当たりと風通しのよい場所で育てます。夏の強い日差しや直射日光を長く浴びると、葉焼けを起こして枯れてしまう恐れがあるので注意してください。また、雨に弱い品種もあるので、梅雨時期は軒下などの雨をしのげる場所へ移動させると安心です。
さくら草は、肥沃な用土を使用して育てましょう。ホームセンターや園芸店で市販されている草花用の培養土を使用しても構いません。自分で配合する場合は、赤玉土の小粒に腐葉土をたっぷりと混ぜ込んだ用土を使用してください。
さくら草を地植えで育てている場合は雨水のみで十分なため、水やりの必要はありません。しかし、雨が全く降らずに地面が乾燥しすぎている場合は、様子を見ながら水を適量与えてください。鉢植えやプランターの場合は、土の表面が乾きはじめたら、鉢底から水が流れ出る程度にしっかりと水やりをします。さくら草は、水切れを起こすと枯れてしまうので注意しましょう。
さくら草は3月〜4月にかけて、カリとリン酸が多めに配合されている液体肥料を与えます。規定の分量よりも薄めにした液体肥料を、2週間に1度の割合で水やりのかわりに与えてください。また、植え付けの用土に元肥として緩効性の化成肥料を混ぜ込んでおいても構いません。
アブラムシは集団で寄生する性質があり、発見が遅れると大量発生してしまう恐れがあります。年間を通して発生しやすい害虫で、さくら草の栄養分を吸汁しながら成長するため早めの駆除が必要です。
灰色カビ病は、カビが原因で発生する病気です。名前のとおり、感染した部分が灰色の楕円形状に変色し、放っておくと腐敗が始まり悪臭を放つようになります。感染した部分は、薬剤を散布しても治せないので、他の部分への感染を防ぐためにも早めに切り取って処分してください。
花後に花がらを放置するとカビが発生しやすくなります。そのため、しっかりと花がら摘みを行いながら育てましょう。
さくら草の種まきは5月〜6月に行います。地植えにする場合でも、一旦育苗ポットに種まきをして本葉が2枚〜3枚になってから植え付けましょう。種が小さいので、あらかじめ用土を濡らしてから種まきをすると、種まき後の水やりで種が流れてしまうのを防げます。
さくら草は多湿が苦手なため、葉が混み合っていたり、黄色く変色していたりする苗は避けてください。葉が濃い緑色をしていてツヤがあり、病害虫被害を受けていない苗を選びましょう。
さくら草の剪定は、5月〜6月にかけて行います。開花が終わった茎や葉が込み入っている部分を剪定していきましょう。また、梅雨前に草丈の半分程度まで思い切って切り戻し剪定をしておくと、蒸れによる病気を予防する効果もあります。
さくら草の株分けは、2月〜3月か9月〜10月が適期のため、植え付けや植え替えを同時に行うのがおすすめです。大きく育っている株を選び、根を手でほぐして簡単に分かれる部分で株分けしていきます。赤玉土などの新しい用土に植え付け、水切れを起こさないように風通しのよい日陰で管理してください。