サクラソウ（桜草）とは？種まき・植え替えの時期や種の取り方を紹介

サクラソウは、もともとはやや湿った草原や開けた森林に自生している山野草です。春になって花の時期を迎えるとあちこちで見かけられますが、意外に育て方が難しいと感じる方もいるのではないでしょうか？サクラソウを長く楽しむためにどのように手入れしたらよいのか、育て方のコツをご紹介します。

サクラソウは埼玉県と大阪府の県花にも指定されている、日本人にはなじみの深い花です。まずはサクラソウがどのような植物なのか、基本的なことからご紹介します。

サクラソウは昔から栽培されてきた伝統園芸植物の1つで、江戸時代には武士の間で栽培が流行していました。元禄年間（1688～1704年）から栽培記録が残っていて、現在その品種の数は300を超えているほどです。春になると芽吹いて、縁に浅い切れ込みの入った長楕円形の葉を株元から数枚広げます。やがて4～5月に中央から花茎を伸ばして、その先に直径2～5cmの花を複数咲かせるのが特徴です。

サクラソウは人気の花ですが、育て方は少々難しいところがあります。そのため一年草扱いにして、毎年買い替えている方も多いのではないでしょうか？ここでは、サクラソウの育て方のコツをご紹介します。

サクラソウは水はけのよい土を好みます。鉢植えにする場合には赤玉土小粒と、軽石小粒、鹿沼石小粒を等分に混ぜた土に植え付けましょう。しかしサクラソウは乾燥を嫌います。もし土が乾燥しすぎる場合には、腐葉土を混ぜ込むとよいでしょう。市販のサクラソウ専用土を使うのもおすすめです。

サクラソウは種で増やせます。サクラソウの種は、花が終わった後に花がらを摘まずにおくと、6月ごろに採種できるのです。採種した後の種は乾燥を嫌うため、湿った土の中に入れたものを冷蔵庫に入れて保存しておきます。乾燥すると発芽率が下がる特徴があるため要注意です。種まきは3月ごろにおこないます。

湿らせた用土に種が重ならないようにまいたら、種が隠れる程度に薄く土をかぶせます。発芽するまでは土が乾かないように管理し、柔らかい光の当たる半日陰に置くとよいでしょう。発芽して芽が出てきたら、日当たりと風通しのよい場所に移します。本葉が2～3枚くらいまで増えてきたら、成長のよい株から鉢に植え替えてください。

サクラソウの水やりは、土の表面が乾いてきたところで多めに与えます。乾燥に弱い特徴があるため、特に春先の活動期は乾燥に要注意です。水切れを起こさないように多めに水をあげます。水をあげるときは株元にあげるようにしましょう。雨に直接当たると花や葉が傷むことがあるため、水やりのときにも気をつけてください。

夏の暑さや乾燥に弱いため、水やりは欠かせません。土の温度があがる前の午前中におこないます。一方で、ただ毎日水やりをしていると根腐れの原因になってしまいます。株の状態を見極めながら水やりをするのが大切です。サクラソウは7月以降に地上部が枯れて、休眠期に入る特徴があります。そのため水やりの目安として、トレニアなどの一年草を一緒に植えるとよいでしょう。

冬の間も休眠期で乾燥も鈍ることから、水やりは控えめで大丈夫です。夏場と同様に水やりの目安として、鉢植え・地植え共にほかの草花を一緒に植えておくとよいでしょう。