サクラソウ(桜草)とは
サクラソウは春を代表する草花です。昔から日本に自生していて、春を告げる花として多くの人に愛されてきました。また、その可憐な姿や花の咲く時期が短いことにちなんだ花言葉も複数付けられています。ここでは、サクラソウの基本情報や名前の由来、花言葉などについて解説します。
基本情報
学名 | Primula sieboldii |
和名 | 日本桜草 |
英名 | Primurose |
属名 | サクラソウ科サクラソウ属(プリムラ属) |
原産地 | 日本・朝鮮半島・中国・シベリア東部 |
自生地 | 林や山地のやや湿った草原・河川敷の草原 |
形態 | 多年草 |
草丈 | 15~20cm |
花期 | 4月~5月 |
花の色 | ピンク・白・紫・複色 |
サクラソウの歴史
昔から日本に自生していたサクラソウは、江戸時代に観賞用としての栽培が始まりました。これは、徳川家康が無類の花好きで鷹狩りに出かけた際に浮間ヶ原に咲いていたサクラソウを気に入り、持ち帰って観賞するようになったことがきっかけといわれています。その後も武士を中心に栽培や品種改良が広まり、多くの種類が生まれました。
絶滅危惧種となったサクラソウ
栽培が盛んになった反面、自生のサクラソウは激減していきました。これは、開発などによる生息地の減少や盗掘によるものだとされています。一時期は絶滅危惧Ⅱ種(VU)に指定されていましたが、保護活動により2007年(平成19年)8月に準絶滅危惧種(NT)にランクが下がりました。
名前の由来
サクラソウ(桜草)という名前は、花の形が桜に似ていることつけられに由来しています。また、英名のPrimurose(プリムローズ)はラテン語のprimos(最初)とrose(バラ)を組み合わせて付けられた名前です。これは、サクラソウが春1番にバラのようにきれいな花を咲かせることが由来となっています。
花言葉
サクラソウの花言葉は「初恋」「純潔」「憧れ」「自然の美しさを失わない」です。桜に似た可憐で清楚な花の姿からこれらの花言葉が付けられたとされています。また「少年時代の希望」「青春」という花言葉もあります。これは早春に咲き始め、夏前には咲き終わるサクラソウの短い煌めきと儚さから付けられたとされています。
プリムラの花言葉
西洋サクラソウであるプリムラには日本のサクラソウと同じような「青春の恋」や「可憐」にあわせて、「青春の始まりと悲しみ」という花言葉があります。これは、花の女神フローラが失恋して死んでしまった息子パラリソスをサクラソウに変えたというギリシャ神話が由来となっているとされています。
サクラソウの特徴
サクラソウはその花の形だけでなくさまざまな特徴を持った植物で、昔から観賞用だけでなく薬用としても利用されています。そこでここでは、サクラソウの花や葉、根などの特徴について解説します。
花の特徴
ピンクや白の花を咲かせるサクラソウは、花びらは1枚だけで深く5つに裂けており5枚の花びらがあるように見えるのが特徴です。深く裂けた1つの先が浅く2つに裂けていてハート形をしています。花径は約2~3cmで、1つの花茎に5~6個の花が付きます。開花時期が4~5月と、花期が短いのも特徴の1つです。
葉の特徴
サクラソウは春に発芽して約10cmの長さの葉を5~6枚生やします。葉の形は長楕円形で長い柄があり、葉にたくさんの皺と白い毛が生えているのが特徴です。葉の縁には浅く大きなギザギザとさらに細かいギザギザがある重鋸歯があります。暑さに弱いサクラソウは6月ごろに葉が枯れて夏の休眠期に入ります。
根の特徴
サクラソウの根茎は赤みを帯びていて、太い根からたくさんのひげ根が生えていきます。切り取った根で株を増やすことができるほど生命力が強いのが特徴です。また、根には利尿作用・鎮咳作用・去痰作用などの薬効があり、「桜草根(オウコウソン)」という名前で漢方薬として使われることもあります。