シベリアが原産のアイスランドポピーは、ピンク色や赤色などさまざまな色の花を咲かせる多年草です。花壇の寄せ植えだけでなく、室内で観賞用に育てたり、切り花にしたりして利用されています。
園芸部類 | 草花 |
形態 | 多年草(一年草) |
樹高・草丈 | 30cm〜50cm |
花の色 | 赤、オレンジ、ピンク、黄、白 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 弱い |
特性・用途 | 開花時期が長い、花壇の寄せ植え |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
アイスランドポピーは、すらっと伸びた長い花茎に、光沢のある薄い花弁をつける魅力的な植物です。寒冷地の植物のため暑さに弱く、日本で夏越しさせるのは難しいため「一年草」に分類される場合もあります。
アイスランドポピーは、和名で「シベリアヒナゲシ」と呼ばれています。名前のとおりシベリアが原産の植物ですが、アイスランドと環境や気候が似ていたため「アイスランドポピー」という名前がつけられた品種です。
植え付け時期 | 10月〜11月 |
種まきの時期 | 9月〜10月 |
追肥の時期 | 10月〜11月 |
花が咲く時期/開花時期 | 2月〜6月 |
アイスランドポピーは、地植えでも鉢植えでも育てられます。花壇の寄せ植えにする場合は、草丈が高いので花壇の後ろ側に植え付けのがおすすめです。プランターや鉢植えにする場合は、株間を10cm〜15cmほどあけて植え付けていきましょう。
アイスランドポピーは、日当たりと水はけのよい場所で管理してください。日当たりの悪い場所で育てると、茎だけが間延びして花付きが悪くなります。また、アイスランドポピーは多湿が苦手なため、風通しのよい環境で育てましょう。
アイスランドポピーは、排水性の高い用土を使用して育てます。ホームセンターや園芸店で市販されている「草花用培養土」を使用しても構いません。自分で配合する場合は、赤玉土と腐葉土を混ぜ込んだ用土を使用してください。アイスランドポピーは酸性の用土を嫌うため、地植えにする場合は「苦土石灰」をよく混ぜ込み、用土を中和しておくのがポイントです。
アイスランドポピーを地植えで育てている場合は、雨水のみで十分なため水やりの必要はありません。しかし、全く雨が降らずに地面が乾燥しすぎているようならば、様子をみながら水を与えてください。鉢植えの場合は、土の表面が乾ききってから水やりをします。水の与えすぎは根腐れの原因となるため、やや乾燥気味に管理しましょう。
アイスランドポピーは、肥料を与えなくても育ちます。しかし、成長が滞っているようならば、10月〜11月にかけて規定の分量よりも薄めた液体肥料を、1ヵ月に1度の割合で水やりのかわりに与えてください。また、株を大きくしたい場合には、植え付けの用土に元肥として緩効性の化成肥料を混ぜ込んでおいても構いません。
アブラムシは集団で寄生する性質があり、アイスランドポピーの成長に必要な栄養分を吸汁してしまう害虫です。発見したらすぐにガムテープなどに貼り付けて引き剥がすか、大量発生した場合は殺虫剤を散布して駆除してください。光り物が苦手な性質を利用して、園芸用のシルバーテープを張り巡らせておくと予防ができます。
灰色カビ病は、梅雨時期に発生しやすいカビが原因の病気です。感染した部分が灰色の楕円形状に変色するのが特徴で、放置すると腐敗が始まり悪臭を放つようになります。感染した部分は薬剤を散布しても治せないので、早めに切り取り処分してください。
花後は花がら摘みをしましょう。花がらを残しておくとカビが発生しやすく、病害虫被害に繋がってしまうので注意してください。また、花がら摘みを行うと栄養分が新芽に行き渡るので、開花を促してくれる効果も期待できます。
種まきは涼しくなってきた9月〜10月に行います。地植えにする場合でも、一旦育苗ポットに種まきをして、本葉が2枚〜3枚程度に育ってから地面に植え付けていきましょう。種を深植えにすると芽吹きにくくなるので、あまり土をかぶせず浅植えにするのがポイントです。
アイスランドポピーをポット苗の状態で購入する場合は、葉がみずみずしくて、はりのある苗を選びましょう。虫に食われていたり、葉が黄色に変色していたりする苗は避けてください。
アイスランドポピーは成長すると50cmほどまで大きくなるため、適度な剪定が必要です。伸びすぎている茎や、葉が込み入っている部分を剪定し、草姿を整えながら育てましょう。
アイスランドポピーは花後に種子をつけるので、種を収穫したい場合は花がら摘みを行わずにそのまま育てます。種子が黒くなり完全に立ち枯れたら、花茎の部分から切り取り軽く振って中から種を採取しましょう。種まきに適した時期は9月〜10月のため、それまでは種を新聞紙などに包み、風通しのよい日陰で管理してください。