ミズバショウは寒冷地の山間部に群生することで有名な山野草の湿生植物です。栽培したものが店頭で販売されており、他の湿生植物や水生植物と寄せ植えしたり、メダカを飼育したりするビオトープにも使われます。
園芸部類 | 草花、山野草 |
形態 | 多年草 |
樹高・草丈 | 10cm~80cm |
花の色 | 白、黄色 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 弱い |
栽培難易度 | ★★★☆☆ |
ミズバショウの白い部分は葉が変化したもので、仏炎苞(ぶつえんほう)とよばれ花ではありません。ミズバショウの花は中央の黄色い部分で花序(はなじょ)とよばれる小さな花の集合体の部分です。
ミズバショウの名前の由来は芭蕉という植物に葉が似ているからといわれています。「水辺に咲く芭蕉に似た花」ということから「水芭蕉(ミズバショウ)」とよばれます。
白い仏炎苞があります。高原に見られるものと同じ種類です。
黄色い仏炎苞があり「コガネミズバショウ」という別名もあります。スカンクの匂いとも表現される独特な匂いがします。
植え付け時期 | 3月~4月 |
植え替えの時期 | 3月~4月 |
成長の時期 | 3月~6月 |
花が咲く時期/開花時期 | 3月頃(低地)や5月頃(高地) |
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
植え付け 植え替え |
● | ● | ||||||||||
開花期間 | ○ | ● | ● | ● | ○ | |||||||
肥料 | ● | ● | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||||
成長期 | ○ | ● | ● | ○ | ||||||||
休眠期 | ● | ● | ○ | ○ | ○ | ○ | ● | ● | ● |
ミズバショウの開花時期は気候によって異なります。低地のように比較的暖かい地域では3月下旬~4月に花が咲き、高地のように寒冷な地域では5月~7月に花が咲きます。
ミズバショウはきれいな水が常にある環境が必要なので庭植えの場合は池のほとりや人工的な湿地に植えます。
ミズバショウを鉢植えで育てる場合は、必ず受け皿に水が入っている状態にしておきましょう。スイレン鉢などを用意し、水を入れて土の表面近くまで水がくるように鉢を沈めて栽培する方法もあります。
ミズバショウは日当たりがよい場所から半日陰程度の日照のある場所に置くのがおすすめです。少なくとも育成期には半日以上、日光が当たるような場所を選びましょう。
ミズバショウは湿地や沼地に咲く花なので、保水性のある用土を好みます。入手可能であれば田んぼ(水稲)の土がよいですが、荒木田土や一般的な赤玉土も使えます。できるだけ保水性の高いものを選んでください。
一年中水につかっているような状態で管理します。水温と水切れには注意してください。水替えをまめにし、水が循環する機構を作るなど常にきれいな状態を保ち、ある程度冷たい水の中で管理するよう心がけましょう。
ミズバショウは春に肥料を与えましょう。花後には有機肥料を施すのがおすすめです。また春と秋に分けて観葉植物用の肥料を与える方法もあります。
ミズバショウは涼しい水辺を好むため、害虫の影響をほとんど受けません。そのため、虫が媒介する病気にもかかりにくいです。
ミズバショウは冬に地上部が枯れた状態になるので、特に花後の管理は必要ありません。見た目が気になる場合は花がらや枯れた葉を取り除いて下さい。
ミズバショウの種は3mm~4mmほどで6月~7月頃に熟します。花から直接採取して水を張った皿などに入れて発芽させましょう。発芽させた後は湿った肥沃な土に植え付けます。乾燥させないように注意して育てましょう。
ミズバショウの苗を購入する場合は、葉が多く重なっているものを選びましょう。また、その葉が黄色や茶色に変色していないものを選んでください。
ミズバショウの植え替えの適期は3月~4月で、2~3年に1回程度行いましょう。根鉢を崩さないように新しい用土に植え付けます。
ミズバショウは夏の暑さが苦手なので、動かせるときは水が温まらない場所へ移動しましょう。移動できない場合は、よしずなどを使って遮光するのがおすすめです。水温が上がらないように流水や水替えをして管理してください。
冬は休眠期になるので地上部が枯れたようになります。ミズバショウは寒さには強いですが霜や凍結には弱いので、雪の保温力が期待できない地域ではムシロで覆うなどして防ぎましょう。
ミズバショウの増やし方は、種まきのほかに株分けがあります。植え替えの際に新しい子株が増えていたら、根を傷めないようにほかの鉢に分けて植え替えるだけ増やせます。