多肉植物の鉢の選び方③素材
鉢の素材は機能とデザインの両方に関係する要素なので、鉢の選び方の最重要ポイントです。素材が変われば水はけのよさも変わりますし、見た目の印象も全く違うものになります。さらには素材ごとに重さや耐久性も違うので、置き場所や管理の仕方などあらかじめプランを立ててから選びましょう。
素焼き鉢
機能性の面では多肉植物の栽培にいちばんおすすめな鉢です。植木鉢としてはもっともポピュラーで、植木鉢といったらこのタイプを思い浮かべる人も多いでしょう。イタリア生まれのテラコッタもこの素焼き鉢の一種です。水や空気を通しやすい素材なので過度の水やりによる失敗を防いでくれます。また鉢表面からの気化熱で鉢の内部の温度を下げる効果もあります。デザインに特にこだわりがなければ迷わずこの鉢を選びましょう。
メリット
- 水や空気を通しやすく水はけがよい
- 鉢の温度が下がりやすく夏場に蒸れにくい
- 素朴な見た目で飽きのこないデザイン
- 価格が安く入手しやすい
- サイズが豊富
デメリット
- モダンなインテリアには不向き
- 重くて割れやすい
- 冬は鉢の冷え過ぎに注意
陶器鉢
釉薬(うわぐすり)をかけて焼いた植木鉢です。水はけは素焼き鉢より劣るため水やりに注意しましょう。見た目がおしゃれで色やデザインのバリエーションも豊富なので、ルックスにこだわるならこのタイプがおすすめです。選ぶ楽しみの多い鉢ですが、価格は素焼き鉢よりも高めです。また素焼き鉢と同じく、重くて割れやすい特徴があります。
メリット
- おしゃれな色やデザインが多い
- 高級感がある
デメリット
- 価格が高い
- 数やサイズをそろえにくい
- 重くて割れやすい
プラスチック鉢
プラスチック製の植木鉢で、ホームセンターなどでたくさん販売されています。素材自体は水をまったく通しませんが、排水用の穴の大きさや形にさまざまなタイプがあるのでなるべく水はけのよいものを選びましょう。価格が安く数をたくさんそろえやすいのでコレクターの人にはおすすめです。素材が薄く熱伝導率が高いため、気温や日光による鉢の内部の温度変化に注意しましょう。
メリット
- 価格が安く入手しやすい
- 色やサイズが豊富
- 同じものを大量にそろえやすい
- 軽くて扱いやすい
デメリット
- 素材自体の水はけは悪い
- 気温や日光で鉢の温度が変わりやすい
- 見た目が安っぽい
その他の素材
ガラスや金属などでできた容器は見た目がとてもおしゃれですが、素材が水を通さないうえに穴の開いていないものも多く、土の配合や水やりに注意が必要です。多肉植物の栽培には向かないので初心者は避けた方が無難です。どうしても使いたいなら、ある程度経験を積んで栽培に自信がついてからチャレンジしましょう。扱っているお店は少ないので、通販で購入するのが一般的です。
セメント鉢はアク抜きが必要
セメント鉢はコンクリート鉢とも呼ばれ、最近人気が高まっている素材です。サイズの大きいものは通販以外ではあまり見かけませんが、小さいものは100円ショップでも販売されています。水はけがよく見た目も個性的なので多肉植物に使う人も増えていますが、使う前にかならずアク抜きをする必要があります。ミョウバンを溶かした水に数日漬けておくなどの手間がかかるので、使用を検討している場合は頭に入れておきましょう。
苗ポット
育苗ポットとも呼ばれる塩化ビニール製のやわらかい入れ物で、この容器で販売されている多肉植物も多く見かけます。水はけが悪く見た目もよくないので長期間の栽培にはおすすめしませんが、植え替えや株分けの際に使ったり、鉢が割れたときの避難用に使ったりとなかなか便利な容器です。使わないときにはかさばらず保管しておけるので、いくつか持っておいてもよいでしょう。
ボタニ子
次は、プランターの選び方やおすすめの鉢を紹介するよ。